前半の記事では、「否定的なリアクションをする人は悪循環に陥っている」というお話をしました。
本人にその気は全くないのに、人から距離をとられることで否定的なリアクションが助長され、ますます人が遠ざかる方向に向かってしまっているという話でしたね。
実は、前半で示した「何に対してもいちいち否定的にリアクションする人」の1人は、
この記事を書いている(ウン十年前の)若い頃の私です。
なので、周囲の人からどことなく距離感をとられているような気が、ずっとしていました。
「雰囲気が怖いんですよ。話しかけたくなくなる」と、(ありがたいものの)ずいぶんキツい本音を言われました。
自分のダメさをとことん身に染みて知った私は、行動を変えようと決めたのです。
具体的には、「でも、だって」という否定形を極力封じ込めることにしました。
その代わりに、自分の能力でできる範囲で、ポジティブな行動の量を増やしました。
今回の記事では、そのような私の経験も踏まえて
・どのような行動をとっていくと、悪循環を断ち切れるのか・どんなポジティブな行動をとれば、自分を変えることができるのか
をお伝えしたいと思います。
自分を変えたいけど、もう周りとの関係が出来上がってしまっていて、なかなか変えられない…
と諦めそうになっている方に是非読んでいただきたいです。
そして、自分の行動を変えれば周囲も、多少時間はかかるかもしれませんが、必ず変わる。
そういう真実を知っていただけると嬉しいです。
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目次
行動①:積極的に周囲を手伝うようにする
まずは、積極的に周囲を手伝うようにしました。
例えば、
・みんなが使うための資料を率先して印刷する・欠品している消耗品があったら「それは私の仕事じゃない」と見て見ぬふりをするのではなく、自分が補充する・会議室に早めに入って、テーブルや機材を率先してセットする。「それは私の仕事じゃない」という意識を捨てて、会議がスムーズに始まるように自ら動く・みんながやっているセミナールームの片づけに対して、「そんなに人数がいるんだから、私は手伝わなくていいでしょ」と知らんぷりするのではなく、自分も片づけを一緒にやる
といったようなことです。
もちろん、自分の仕事もありますので、手伝うと言ってもこまごまとしたものです。
しかし「それは私の仕事じゃない」と否定して自ら壁を作っていたときに比べると、
率先して動くことで、周りから「ありがとう」と言われる回数も増えていったのです。
それにより、「自分がちゃんと組織に関われている、貢献できている」という実感を持てたのです。
それが、私の場合は前向きなエネルギーにつながりました。
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行動②:人の話を傾聴する
次に、「人の話を傾聴する」ようにしました。傾聴というのは「関心をもって、リアクションをとりながら真剣に聴く」ということです。
周囲と壁をつくっていたときは、聴き方がとにかく悪かったな、と自分でも実感しています。
・あいづちが単調だったり、・無表情だったり、・ひどいときにはしかめっ面をしながら聴いていたり、・リアクションをするときも「そうですか」と、テンションが低かったり、、、
そういう人がいたら、確かに話しかけるのに勇気が要りますよね。。。
そこで私は、人の会話には傾聴することを実践しました。
・笑顔を保つ(特に、朝礼・終礼・会議中など、大勢の中の1人として話を聴く場合)・話に合わせてうなずく・あいづちを「はい」だけでなく、「へえ~!」「すごいね」「なるほどー」とバリエーション豊かに聴く
最初は、傾聴しても相手の反応はにぶいままでした。自分自身もぎこちなく感じましたし、なんだか演技しているような気がしてとても気持ち悪かったのを覚えています。
もっというと、なんでこんなことをしてまで、私が相手に歩み寄らないといけないんだろう…と思うときもありました。
しかし、2週間くらい続けたあたりから、ちょっとずつ自然体でできるようになってきました。
傾聴するときに特に効果的だったのは、あいづちに交えて「ポジティブなひと言を添える」ことです。
例えば、
・相手「最近、ヨガを始めたんだ」・自分「へえ~ヨガですか。なんかリラックスできそうですね!いつから始めたんですか」
といったように、「あいづち+ポジティブな反応」を意図的に盛り込んでみたのです。
ほかにも
・「へえ、面白そうですね!どこでやっているんですか」・「へえ、楽しそうですね!なんでやろうと思ったんですか」
など、とにかくポジティブな言葉を織り交ぜました。
このポジティブな言葉を入れるだけで、会話の雰囲気は数段明るくなりました。
しかも、「あいづち+ポジティブな反応」はお世辞を言うことではなく、単に相手の話題に対して興味を示すリアクションをとっているだけです。なので、変に自分を偽ることなく比較的自然に実行できました。
ひとたび会話が弾むと、それ以降もなんとなく話しかけやすいと感じますよね。
話しかけやすいと感じると、ちょっとした質問や確認もしやすくなり、仕事もはかどるようになります。
そのようにポジティブな反応を添えることで悪循環から少しずつ抜け始めたのです。
少しずつ周囲との会話量が増えたりと、状況が好転し始めました。
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行動③:自分から感謝の言葉を述べる
3つ目に「自分から感謝の言葉を述べる」です。
周囲と心の距離ができているときは、十中八九「感謝の言葉がごっそり抜け落ちている」と思ってよいかと思います。
自分が好意でやってあげたことを、さも当たり前のように受け取られたら、少し悲しくなりますよね。
それが積み重なると、心に距離が生まれてしまいます。
一方、感謝されたら、嬉しくなる人はいても、怒ったり悲しんだりする人はまずいません。
感謝とは、相手の心配りや努力に気づいて認める行為だからです。
私が周囲と距離感を感じていた時は、この「感謝の言葉」がほぼ皆無でした。
あったとしても、照れくささを隠すためにあえて無表情で言っていました。
しかも「それをやってくれるのは当たり前」という傲慢な意識もありました。
その意識で接していれば、どんなに性格が良い人でも「仲良くなりたい」とは思えませんよね。
そこで、相手がやってくれたことに気づいたら必ず感謝の言葉を述べるようにしました。
・みんなが使う資料を印刷してくれたら「印刷してくれてありがとう、助かりました」・私が自分で印刷すべき資料を代わりに印刷してくれたら「ありがとう、助かった」・チームで掃除するときに、すでに誰かが綺麗に拭いてくれたのであれば、その人に対して「ありがとう」・上司に相談したら、最後に「お時間をいただきありがとうございました」
そういった行動を心がけることで、私は「自分の仕事は、色んな人の助け合いで成り立っている」ということに気づきました。
私がきれいな会議室を使えるのも、誰かが掃除してくれたおかげです。
仕事で結果が出ているのも、過去色んな上司が私に仕事を教えてくれたおかげです。
このように、行動することによって自分自身の考え方やものの見方が、ちょっとずつ変化していきました。
そして、なにを聴いても否定から入っていった私が、いつの間にか「でも」と言わなくなってきたのです。
このような細かな行動や変化が、周囲にどこまで影響を及ぼしたのかは、正直分かりません。
ただ、「怖いです」とつらいフィードバックを下された2か月後には、同じ人から「雰囲気変わったね!めちゃくちゃ周りと馴染んでいるというか、話しかけやすい」と全く180度違う評価を頂けました。
このように、小さいながらもポジティブな行動を蓄積していくことで、「変わらない」と思っていた周囲の硬い反応は確実に変わり始めることを実感しました。
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まとめ:悪循環に思えても、行動を変えることで突破口が見える
いかがでしたでしょうか。
「自分を大きく変えたい」「状況を逆転させたい」と考えている人は、よく「心を入れ替えて頑張る」とおっしゃいます。
しかし、具体的な行動なしに心だけ入れ替える、つまり「決意を新たにする」のはなかなか難しいのではないでしょうか。
なぜなら、人間にはホメオスタシス(恒常性)という本能があり、生命維持をするために、良くも悪くも現状を維持しようとする働きが備わっているからです。なので、「三日坊主」と言う言葉にもあるように、決意を新たにしたところで3日もてば良いほうなのではないでしょうか。
一方で、極端な話ですが、心の在り方が変わっていなかったとしても、行動が変われば、周囲の見る目は少しずつ変わっていく。そして、行動の変化に引っ張られて、自分自身の考え方も変わっていく。これは真実にかなり近いと思います。
なので、周囲を変えたければ自分自身の行動を変えていくことが重要です。
具体的には、個人的に以下の3つの行動がお勧めです。
1.自分から率先して手伝う2.相手の言葉に傾聴する3.感謝の言葉を述べる
もちろん、これ以外にも「人としての関係性を強める雑談の仕方」「仕事に対する取り組み方」など、さらに良い結果を導く行動はたくさんあります(コミュトレでもたくさんお伝えしています)。
まずは、出来るところから行動を変えてみましょう。そうすれば、ちょっとずつ、しかし確実に、あなたに対する周囲の目は変わります。
本記事をきっかけに、ぜひ人生を変えるきっかけを得ていただけると嬉しいです。
🌱 伝えたいことを、相手が受け取りやすい形で伝えるコツは、こちらの記事からご確認ください
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