「ロジカルに考えよう」「ロジカルに話そう」
誰もが、社会人になってから1度は意識したことがあるでしょう。
しかし、そもそも「ロジカルである」とは何なのでしょうか。
さまざまなビジネス本やセミナーで取り上げられるテーマですが、「結局何を指しているのか」と問われると、言葉に詰まる方もいるかもしれません。
その結果、「よくわからないけど、なんだか難しそう…」と構えてしまっている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、ロジカルシンキングに対する理解を深めるために、「主張」と「根拠」について掘り下げていきます。
私たち人間は、正体が分からないものに出会うと、リスク回避のための防衛本能が働いてしまい、過剰に苦手意識をもってしまいがちです。
是非この記事を通じて、「ロジカルである」ことの正体を知り、「なんだ、意外に難しくない!」と感じられるようになりましょう!
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目次
1.「ロジカルシンキング」とは、主張と根拠をつなげて考えること
まずは、そもそも「ロジカルシンキング」とは?を確認していきましょう。
「ロジカルシンキング」とは、「主張」と「根拠」のつながりです。
私たちは、このつながりを聞いて違和感がないとき、「ロジカルな話だ」と感じます。
逆に、主張と根拠のつながりに無理がある場合は、「ロジックが飛躍している」と感じてしまいます。
ここまでは、多くの人の知るところでしょう。
それでは、「主張」と「根拠」とは、一体何なのでしょうか。
日常的によく使われている言葉ですが、ロジカルシンキングを正しく実行するには意味を正確に知っておくことが重要です。
ここから、順に確認していきましょう。
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主張とは、「問い」に対応した自分なりの考え
「主張」とは、ある「問い」に対する自分なりの「回答」です。
ここでいう回答とは、自分なりの考えや推論を指します。
私たちが自分の考えを伝えるとき、意識しているか否かに関わらず、その考えは必ず何らかの問いに対する回答になっています。
逆を言えば、問いがなければ、その問いに対応する主張も生まれないということです。
例えば、「今日の昼はラーメンにしよう」という考えは、「今日の昼は何を食べようかな」という問いから生まれたものです。
決して「今日は何の予定があるんだっけ」といったような、全く脈絡のない問いから生まれた考えではないですよね。
したがって、ロジカルシンキングを行うときは、「問い」を正しく理解することが大前提になります。
そのうえで、その問いに対応する回答を考えることで、自分の主張が生まれます。
つまり、問いが誤っていると、いくら主張と根拠がつながっていても、いったい何の話なのか分からず、聴き手を混乱させてしまうのです。
以下、NG例とOK例を比較して詳しくみていきましょう。
主張と問いが対応していないNG例
問い:「新卒採用で学生を選ぶとき、どのような能力を重視すると良いですか?」 主張:「私は、『学生時代にどんな失敗をしたのか』を聞くべきだと思います。その理由は、失敗経験を聞くことによって、失敗に対するストレス耐性を見極めたり、うちの会社で成長していけるかを予測したりできるからです」
この例では、「重視すべき能力」について問われているにもかかわらず、「面接での質問内容」について回答してしまっています。
回答の中には理由も含まれていますが、そもそも問いと主張がかみ合っていないため、「なぜ面接での質問内容について話しているのだろう」と聴き手は混乱してしまいます。
主張と問いが対応しているOK例
問い:「新卒採用で学生を選ぶとき、どのような能力を重視すると良いですか?」 主張:「私は、コミュニケーション能力を重視すべきだと考えます。なぜなら、意思疎通が正しくできるので、安心して仕事を任せられるからです」
この例では、「重視すべき能力」という問いと、「コミュニケーション能力を重視すべきだ」という主張がうまくかみ合っています。
そのため、聴き手はスムーズに理解することができます。
このように、ロジカルシンキングを行うには、まず「問いと主張を対応させること」が大切です。
主張を考えたときに「これでちゃんと伝わるかな?」と不安になったら、そもそも自分の主張がどのような問いに対する回答なのかを整理してみてください。
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根拠は、主張の正しさを裏付ける証拠
続いて、「根拠」についても見ていきましょう。
「根拠」とは、主張の正しさを裏付ける証拠です。
主張は、あくまでも自分の考えや推論であって、客観的な事実ではありません。
よって、主張の妥当性を証明するためには、根拠を使って裏付けることが不可欠です。
聴き手が根拠を聞いて「たしかにそうだな」と思えば、ロジカルで筋が通っていることになりますし、逆に「ん?その根拠は関係ないのでは?」と思えば、話が飛躍しているということになります。
では、「根拠」に該当する情報として、一体何を伝えれば良いのでしょうか。
情報には、「経験」・「ルール」・「データ」などさまざまな種類がありますが、これらは全て根拠として用いることができます。
ただし、そのどれであっても、主張の正しさを裏付けるものでなければなりません。
ですから、自分の考えが論理的であるかどうかを確かめるには、根拠が主張の正しさを裏付けているかを見直しましょう。
主張と根拠をそれぞれ見直して違和感がなければ、論理的な意見を構築できているといえます。
以下、NG事例とOK事例を比較して詳しく見ていきましょう。
根拠が主張の正しさの裏付けになっていないNG例
問い:人生を100歳までと考えたら、今後どんなビジネススキルが重要になるか? 主張:コミュニケーションスキルが最も重要になるだろう(推論) 根拠:日本経済団体連合会の資料によると、新卒採用で重視される能力の第1位はコミュニケーション能力だから(データ)
NG例では、根拠として「新卒採用で重視される能力についてのデータ」を挙げています。
しかし、そのデータだと、人生の若い頃に必要な能力にしか言及できていません。
つまり、今回の主張である「人生を100歳と考えたときに、今後重要になる能力は、コミュニケーション能力である」ことの正しさを裏付けているとはいえないのです。
よって、論理が飛躍してしまっているといえます。
根拠が主張の正しさの裏付けになっているOK例
問い:人生を100歳までと考えたら、今後どんなビジネススキルが重要になるか? 主張:コミュニケーションスキルが最も重要になるだろう(推論) 根拠:自社では、定年を迎えた人の再雇用により、70代の社員と20代の若手社員が一緒に働いている。その中で、先日、お互いの考え方を理解し合えず関係が悪化した結果、若手社員が離職してしまったから(経験)
OK例では、主張の正しさを裏付ける根拠として、「自社の経験」を挙げています。
世代が異なる社員間のコミュニケーションがうまくいかずに離職してしまったということは、双方がコミュニケーションをスムーズにとれていれば、20代の社員は離職しなくて済んだかもしれないということです。
そのため、さまざまな年代が協働する人生100年時代においては、コミュニケーション能力が重要であることの裏付けとなっています。
つまり、主張の正しさが裏付けされた、論理的な思考ができているといえるでしょう。
このように、ロジカルシンキングを行うときは、「根拠が主張の正しさを裏付けているかどうか」についても注意を払いましょう。
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3.まとめ:ロジカルシンキングを鍛えるには、主張と根拠に注意しよう
今回は、ロジカルシンキングについて掘り下げていきました。
ポイントをまとめると、以下3点となります。
・ロジカルシンキングとは、主張と根拠を繋げて考えること・主張とは、「問い」に対応した自分なりの考え ・根拠は、主張の正しさを裏付ける証拠
文章にしてみると、意外とシンプルに感じるのではないでしょうか?
特に「主張」と「根拠」は、ロジックを構成する最も基本的な要素ですので、是非意見をつくるときの参考にしてみてください!
📚 ロジカルシンキングが求められる代表的な場面である『会議』に、自信をもって臨むには?
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