会議に参加するとき、みなさんはどのような心得で臨んでいるでしょうか。
会議で発言することに自信がない人であれば、「波風が立つくらいなら、黙っておこう」「馬鹿にされたくないので、疑問があっても質問するのは控えよう」などと考えてしまうことがあるかもしれません。
本音では「もっと積極的に発言したい」と思っているのに、いざ複数人の前で発言するとなると、恐怖や苦手意識が先立ってしまい、つい早く終わることばかり考えてしまう…という方も多いのではないでしょうか。
一方で、会議や打ち合わせに参加する機会は、年次を経るごとに増えていく傾向にあります。そのため、キャリアを歩むうえで、会議への参加を避けて通ることは難しいといえます。
そこで本記事では、会議や打ち合わせに参加するみなさんの強力な味方となるような、会議に参加するうえでの心得を3つご紹介します。ぜひブックマークしていただき、折に触れて見返してみてください。
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目次
【心得①】費用対効果の意識をもつ
まず1つ目の心得は「会議や打ち合わせの費用対効果を意識する」という意識です。
ここでいう「費用」とは、みなさんや他の参加者の人件費を指します。会議への参加者の人件費の総額は、自分ひとりで仕事をする場合の人件費とは比になりません。
さらにいうと、参加者は、会議中に他の仕事を止めていることになります。つまり、本来だったらその仕事で出せたはずの成果を逸している状態であるといえます
このように、1つの会議の背景には数多くの費用が発生しています、これを、前提として理解しておきましょう。
とはいえ、費用の大きさはさほど問題ではありません(そこまでのコストをかけるべきかどうか、という論点は本記事では割愛します。)
大事なことは、あなた自身が、「会議の参加にかかった費用以上の成果を出そうという気持ちでいるか」という点です。
例えば、あなたが海外旅行に行くとしましょう。海外旅行に行くとなると、高い旅行費用を奮発して、限られた日数で旅行先に行くことになりますよね。
だからこそ、「この機会を思う存分楽しもう!」と、朝早くから夜遅くまで計画をたてて、時間をフルに有効活用しようとする方も多いのではないでしょうか。それはまさに、本記事で述べる「費用対効果の意識」そのものなのです。
費用対効果の意識をもつと、会議中の行動はどう変わっていくのでしょうか。その一例として、とあるメーカー職の方の体験談をご紹介しましょう。
費用対効果の意識をもつことによる変化の例
「今いる会社では会議が頻繁に開催されます。通常、業務が忙しいのを理由に会議の準備をせずに、場当たり的に会議に臨んでいました。そのため、これまでの会議の議事内容をあまり思い出せず、結果として会議の進行についていけなかったり、発言になかなか自信がもてなかったりしていました。しかし、あるとき自分の1か月間分の業務を振り返ってみると、勤務時間のうちの40%を会議に使っていることが分かったんです。これだけの時間をかけているのにほとんど発言しておらず、会議に参加している意味がないも同然だったことに気づいて、愕然としました。そして、せっかく膨大な時間を使って会議に出るのであれば、それ相応の貢献をしようと思うようになったんです。そのため、次の会議からは準備時間をとって議事録を振り返ったり、自分の意見をあらかじめ作っておいたりするようにしました。その結果、頭が整理された状態で会議に参加できたので、進行にもスムーズについていけましたし、何より自信をもって発言することができました。」
このように、費用対効果の意識をもつことで、会議の準備を入念に行うなど、会議前の自分の行動が変わります。その結果、他の会議参加者とのコミュニケーションがスムーズに行えるようになり、会議で活躍できるようになります。
みなさんもぜひ、費用対効果の意識をもって会議や打ち合わせに臨んでみてください。
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【心得②】当事者意識をもつ
2つ目の心得は「当事者意識」です。
当事者意識をもっている状態とは、その事柄に興味や関心をもっている状態のことを指します。
よく、質問を振られても意見が出てこない、という方がいます。わたしたちは、その原因を「頭の回転が遅いからだ」「論理的思考力が弱いからだ」という点におきがちです。
しかし、本当にそうでしょうか。もしかしたら、単にその話のテーマや議題に対する当事者意識が、さほど高くないからではないでしょうか。
一方で、当事者意識をもって仕事に取り組んでいる人は、年次や立場に関わらず、自分の言葉で語れるものが確実に増えていきます。
ヤフー株式会社で代表取締役社長兼・最高経営責任者(CEO) を務める川邊 健太郎氏(2020年8月現在)は「圧倒的当事者意識をもとう」と述べています。
”当事者として課題に関わり、そこで失敗をたくさん繰り返すことで人は成長していくものです。(略)
視野を広く持つ、最終的なビジョンを持つというのも、何もしない人が持てるわけはなくて、様々な試行錯誤や小さなアクション、失敗を繰り返しているからこそ、だんだん視野が広くなるし、大きなビジョンが持てるようになるのだと私は思います。”
川邊氏が指摘するように、自分の意見が即座に述べられるか、そこに説得力があるかどうかは、単なる技術論の問題だけではありません。本質的な「物事への向き合い方」が問われているといえるでしょう。
ですからみなさんも、会議や打ち合わせで上手に発言しようと考える前に、「自分は話のテーマや議題についてどれほど関心をもっているのか」を振り返ってみてはどうでしょうか。
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【心得③】目的と手段の逆転に注意する
3つ目の心得としてご紹介したいのは「目的と手段の逆転に注意する」ということです。
ここで改めて、なぜ、会議や打ち合わせで発言するのかを考えてみましょう。
その答えは「会議で成果を出すため」、この1点に尽きます。
発言することはあくまでも、成果を出すための手段でしかありません。
逆に言うと「より良い成果につながらない」のであれば、無理に発言する必要はないと言えます。
会議や打ち合わせに参加するときは、この「手段」と「目的」を逆転させないようにすることが重要です。実はそれくらい、目的と手段の逆転は無意識のうちにおこりがちです。
例えば、ダイエットしようとして「とにかく食事制限しなきゃ」と過度なダイエット法に走ってしまう方がいます。
ダイエットをする本来の目的は「健康になること」だったにもかかわらず、体重を減らすという手段が、いつの間にか目的にすり替わってしまっていますよね。
この「目的と手段の逆転」は、仕事でもよく起こっています。
例えば、会議に参加する目的は、本来は「もっと良い結果を出すため」「より良い結果を出す方法を明らかにするため」であるはずです。
しかし、時間が経つといつの間にか「嫌われないようにしなきゃ」「角が立たないようにしなきゃ」「馬鹿にされないようにしなきゃ」などと、「周囲からよく見られる」ことを目的にしてしまうことも少なくないのではないでしょうか。
もしそうであれば、会議で発言すること自体、とても勇気の要るものになってしまいますよね。
また、反論を受ければ「攻撃された」と勘違いして、つい萎縮してしまうかもしれません。
ですから、うまく発言する方法を模索するまえに「そもそも自分は何のために発言しようとしているのか」という、会議で発言する本来の目的を考えてみましょう。そして、その本来の目的と手段が逆転していないかどうかに注意しましょう。
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まとめ 心得をもつことで、会議に対する見方が変わる
今回は、会議や打ち合わせに参加するときの心得についてご紹介しました。具体的には以下の3つです。
【心得①】費用対効果の意識をもつ 【心得②】当事者意識をもつ 【心得③】目的と手段の逆転に注意する
いずれも、あなたに本質的な成長をもたらす心得ばかりです。ぜひブックマークしたり印刷したりして、会議の前に見返してみてくださいね。
日々、少しずつ意識することによって、会議や打ち合わせに対する苦手意識が軽減されるばかりでなく、社会人として大きく成長することとなるでしょう。
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