こんにちは。
自分の意見を伝えるのは、一見簡単なようで実は難しいものがありますよね。
例えば、端的に伝えると、相手に理解してもらえず、納得を得られないというケースがあります。
また、その他にも、率直に伝えただけなのに、自分の意図とは異なる受け取り方をされてしまい、誤解を招くというケースもあります。
特に建設的な意見のように、現状よりもより良いものを提案する意見であれば、なおさら伝え方が重要となります。
相手の意見を否定した印象とならない、上手な伝え方を今回は確認していきましょう!
目次
■建設的に意見を伝える方法:「DESC話法」
<例>部下:「昨日の営業会議あったじゃないですか?そこで何か決まったことはありましたか?」上司:「あ~、特に決まったことはないかな。ただ、方針として有力なのはもう少し単価を高くして売上を上げていくことは決まりそうな流れかな。」部下:「そうなんですね。利益率を高めていくことを狙っていく形ですね。」上司:「そうだね~。」部下:「個人的には、その流れは賛成ですね。今の営業手法だとコストが無駄に嵩んでいますし、もし可能なのであれば、お客様のターゲットを明確に絞るようなのは有効だと思います。もう少し高齢の方を中心に絞って広告とかを打てると良いですよね~。営業の無駄がそれだけでも激減すると思います。」上司:「確かにそうだね~。検討してみるよ。」部下:「ありがとうございます!お願いします。」
このような会話を想像してください。
何よりも重要なことは、普段から上司に対して、自分の意見をぶつけることができる状態を作ることです。
この一連の流れのみで、物事が決定する可能性は低いかもしれません。
しかし、自分の意見を持って仕事をしている部下であるという印象を上司に与えることは可能です。
この印象が、後々本格的な提案を行う上で、非常に有効となることでしょう。
■Describe:事実を描写する
最初に、客観的な事実や状況を伝えたり、何に着目して話をするかを共有したりする事で、目的を達成するための話し合いの基盤をつくることからスタートします。
ここでのポイントは、「上司と共通認識を持つ」ことです。
同じ事実でも、上司との認識がズレてしまうと、コミュニケーションもズレてしまいます。
事実や状況を伝えて、上司と共通の認識を持つようにしていきましょう!
<NG事例>上司:「役員の方々の意見としては、うちのチームの生産性が低いっていうことらしいよ。なかなかキツイ一言だよ。」部下:「役員の方々の意見としては、うちのチームの生産性が低いってことなんですね」
これでは、上司の一言に対する真意を汲み取ることができていません。
<OK事例>上司:「役員の方々の意見としては、うちのチームの生産性が低いっていうことらしいよ。なかなかキツイ一言だよ。」部下:「それは、ちょっと心外ですね。」
言葉としては、上司の言っていることと違う表現を使っていますが、上司が「キツイ」という感情でこの言葉を話していることを汲み取ると、その感情を汲み取った表現で、事実に対して同じ認識を持っているというコミュニケーションをとることができています。
このように、相手の意図を汲み取って、それを一度受け止めるようなコミュニケーションをとることは大変有効です。
【若手社員必見】仕事に欠かせない情報共有のコツは、こちらの記事をチェック!
■Express:表現する
次に、自分の意見を表現する手順です。
意見を表現するときには、自分の考えを押し付けないことを意識しましょう。
臨床心理学では、Iメッセージという手法を用いて、自分の表現を相手に押し付けずに伝えます。
Iメッセージとは、「私は~と思う」という表現方法です。
・「そうですか・・・個人的には、B案のほうが良いと思います。」
・「そのやり方で、合っていると思います。」
等、一個人の意見という表現に収めて、相手に伝えるという手法です 。
一方、「それは間違っている」や「○○さんは、~ですよね。」等の断定的な口調のコミュニケーションを「Youメッセージ」と言います。
これらは反発を招きやすい言い回しです。
Youメッセージのように、反発を招かないために、表情や言い回しに対して、配慮をしながら伝えるようにしましょう。
<例>上司から何かを頼まれたとき、「今から資料作成ですか、少し確認させてください。お待たせしました。私の考えとしては、優先順位を考慮しまして、この後は先日ご依頼いただいたメール対応を優先させた方が良いと思いました。そして、資料作成は、明日の午前中に対応させて頂くことができれば、上手くいくのではないかと思いましたが、いかがでしょうか?」
このような言い回しにすることで、言いにくい話の中でもきっちりと自分の意志を表現することができます。
■Specify:具体化する(提案する)
自分の意見を表明したら、次に具体的な話が必要になります。
たとえ、強い口調で「自分は違う意見を持っています」と伝えたとしても、その後「で、どうするの?」と詰められてしまった場合、意見は通りません。
そのため、意見を具体的に話して、相手に提案をすることは必須となります。
<例>上司:「来週の製品開発会議の施策を考えているんだけど、不良品を出さないためにチェック項目を増やすと良いと思うんだ」部下:「不良品を出さないことを優先するという考えですね。確実なものを出したい一方で、手間を増やしたくないのも悩みどころですよね。チェックを増やしてしまうと、業務が増えることになりますから、従業員への負荷がかかることは可能性としてありますし、例えば、自動でチェックできるフローを考えるっていうのはどうですか?」
提案は、「~すべきである」という表現に着地することが基本と言われていますが、上司に対して、「すべきである」という表現を使うことは好ましくありません。
そのため、提案するときは、疑問形にしましょう。
「~べきと考えますが、いかがでしょうか?」や「~していただけますか?」などです。
意見や提案は、相手に選択の余地を与える表現であり、お互いを尊重していますが、指示や命令は一方的に押し付けてしまいます。
部下が上司に対して、自分の意見を押し付けるというのは、不自然であり、違和感がありますので、相手に配慮していることを明確に示しつつ、コミュニケーションをとるようにしましょう。
■Consequences:結果を伝える
最後に,相手が提案を受け入れた場合,受け入れなかった場合の自分の行動を伝えて,
相手に選択を促します。
上司からすれば、そこまで言わなくても良いと考える人もいるかもしれません。
しかし、このタイミングでの上司の心理を考えると、リスクやコストを考える方が多いと言えます。
その思考に対して、ポジティブな考え方を伝えておくことは重要な一押しと言えます。
意見を伝えるだけではなく、意見を通していきたい場合、非常に重要な手順です。
<例>部下:「こちらの業務効率化を推進するITシステムを導入してみてはどうでしょうか?」上司:「そうだねー、うーん。」部下:「仮に導入した場合と、そうではない場合を自分なりに考えてみたのですが、導入すれば、社員の残業時間は短くなると思います。逆に、導入しなければ、今のままの状態が続きますので、残業続きで疲れが出てくる社員もいるでしょう。」上司:「なるほど。確かに、それはそうだよね。それじゃあ、~~。」
このように、相手が提案を受け入れた場合と、受け入れなかった場合の両方について伝えます。
すると、相手は選びやすくなりますので、上手く伝えることができれば、話が前に進むことでしょう。
📚 意見の伝え方を確認したら、会議前にこちらもおさえて準備万端にしていきましょう
■まとめ: 建設的な意見は、DESC話法を使って伝えましょう!
建設的な意見というのは、組織にとって大変貴重なものです。
極論ですが、組織に属する人が全員トップ(社長)の言いなりであれば、組織には多様性が生まれず、継続的な発展は見込めません。
組織で考えると大きな話ですが、身近なところで考えると、上司と部下との間で建設的な話し合いができるようにすることが大事です。
皆さんもこのDESC話法を使って、ぜひ建設的な意見交換を上司や目上の人と積極的にしていきましょう!
💭 「伝える力」をもっと強化したい方は、こちらの記事もご覧ください