「会議で論理的に考えられるようになりたい」
「論理的な話し方ができるようになりたい」
このように感じたことはありませんか?
年次が上がり、重要な会議に出席する機会が増えると、論理的な話し方や思考力を強化したい、と考えるようになる方は多くいらっしゃいます。
しかし、『論理的思考』ってなんだか難しそうに感じませんか?
「自分はあまり論理的じゃないな…」というように、引け目を感じたことがある方もいるかもしれません。
でも、まったく心配はいりません。
ちょっとしたコツさえおさえれば、大丈夫なんです。
そこで、今回は、論理的思考に対する苦手意識を確実に払拭するたった1つの習慣をご紹介します。
一度身につければ、「論理的」という言葉に対する妙な抵抗感もなくなるどころか、思考することも会議に参加することも、楽しくなること間違いなしです。
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目次
論理的でない思考とは『感覚的に捉える思考』
論理的思考の身につけ方を考える前に、そもそも「論理的思考ができていない状態」とは何であるかを考えてみましょう。
よく「筋道が通っていない」「思い込みで考えている」「話が飛躍している」なんていわれます。
どれもその通りなのですが、その本質として「物事を感覚的に捉えてしまう」ことが挙げられます。
例えば、「なんとなく~~と思ったから」「多分~~だろうと感じたので」という発言を聞いたことはありませんか?
これらは「感覚」レベルで思考が止まっているため、論理的とはいえません。
感覚的に捉え、感覚的に答えを出してしまうと、根拠が薄くなりがちです。
すると、「なぜそういえるのか」「他に考えることはないか」といった聴き手の疑問に答えることができないので、納得を得ることができないのです。
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論理的思考は『なんとなく』にツッコミを入れること
では、「感覚的に『なんとなく』で捉えることはよくないのか」というと、実はそうとも言い切れません。
むしろ、人間の思考は「感覚的にピンとくる」ことから始まります。
ロジカルシンキングの本では、必ずといっていいほど「”なぜ”を繰り返して思考を深める」と書いてあります。
これは、裏を返せば「たった一回の思考で深く思考することはできない」ということと同義です。
その意味で、感覚的に捉えることがなければ、そもそも論理的思考がスタートすることすらないといえます。
そして、感覚的思考が論理的思考へ発展するかどうかの分かれ目こそが、「なんとなく」のままで終わるのか、それとも「なんとなく」につっこみを入れるのか、という点です。
実は、論理的思考に長けている人が必ずといっていいほどやっている思考の仕方が、この「つっこみを入れる」ということなのです。
つまり、つっこみを入れる習慣さえつけば、論理的思考はできたも同然です。
ここで、感覚的な思考で終わる人とそうでない人の違いをみてみましょう。
論理的思考を働かせる例
<例>「最近仕事でのミスが多いな」ということに気づいたとき
◆感覚的に捉えるAさんの思考: 「私、疲れているのかな・‥」
◆論理的思考をするBさんの思考①: 「私、疲れているのかな…」 →「いやでも待てよ、疲れていてもミスしていないときもあるじゃん。なんで最近はミスが多いのかな?」
このように、論理的思考をするときは、自分がなんとなく感覚的に捉えたものにすぐツッコミをいれます。
そして、論理的思考を働かせ続けるとは、この「ツッコミ」と「回答」を無限に繰り返すことをいいます。
先ほどのBさんの思考の続きを見ていきましょう。
◆論理的思考をするBさんの思考②: 「私、疲れているのかな…」 →「いやでも待てよ、疲れていてもミスしていないときもあるじゃん。そもそもどういうミスが多いんだろう」 →「最近あったのはメール誤送信だな。他には、ルールがうろ覚えのときに誤った判断をしてしまうことが多いな」 →「本当に?他にはどんなミスがあった?」…
このように「ツッコミ」と「回答」が無限に続いている状態が、論理的思考を働かせているということです。
次々と思考が展開していくため、周囲からは「頭の回転が速い!」と感じられているでしょう。
ビジネスで使う論理的思考は『自分が責任を負う当事者意識』そのもの
ところで、ここに至るまで、「そもそも論理的思考とは何か」ということには触れてきませんでした。
『論理的』というと、多くの人は「根拠がしっかりしている」「主張と理由がセットになっている」という状態をイメージするでしょう。
もちろん、それらは正解なのですが、実は『論理的思考』のほんの一部を指しているに過ぎないのです。
というのも、相手を論破するディベートや学問研究における『論理的思考』と、ビジネスの現場で発揮する『論理的思考』は微妙に異なるからです。
では、ビジネスにおける『論理的思考』とは、いったい何なのでしょうか。
それは、「自分が責任を負う意識」そのものです。
よく「上司が論理的な人で、『結論は?』とすぐつっこんでくる」という人がいます。
もしかすると、皆さんの上司もそのタイプかもしれませんね。
では、その上司は、論理的思考が強いから上司になったのでしょうか?
答えはNOです。
むしろ、上司としての責任を果たす中で、自然と論理的思考が養われたといえます。
上司は、部下やチーム・部門の業績に対して責任を負っています。
不祥事を起こした会社の取締役が、謝罪会見をしているのを見たことはありませんか?
極端な例ではありますが、このように、上司は、組織において何かミスやトラブルが生じたときに、責任を問われる立場にあります。
よって、事実かどうかも確認せず「なんとなく」の感覚で判断することはできませんし、理由があいまいなまま行動することもできません。
つまり、上司としての責任を全うするには、ミスがないように理詰めで思考を進めていかざるを得ないといえます。
だからこそ、これまでは物事をなんとなく感覚的に捉えていた人も、上司という立場になると論理的思考が強くなっていきます。
以上のことから、ビジネスの現場で使う論理的思考は、その大元をたどれば「自分が責任を負っている」という当事者意識そのものであるといえます。
逆に、極論を言えば、当事者意識が欠けたままでは、論理的思考を使い続ける必然性が生じないということにもなります。
論理的思考に苦手意識がある場合、論理的思考を求められる会議や上司との会話が終わった瞬間に、普段の感覚的な思考に戻ってしまうということはありませんか?
このサイクルを何年繰り返していても、活きた論理的思考を身につけることが難しいのは当然といえます。
よって、ビジネスの現場で論理的思考を発揮したい場合は、単に自分の思考にツッコミを入れるだけでなく、そもそも「自分自身が責任を負っている」という意識をどこまで強くもっているかどうか、まずそこから考えていくことが近道なのです。
📢 論理的思考が求められる場面として挙げられる『会議』の攻略法は、こちらからどうぞ!
まとめ:論理的思考の本質を押さえた習慣で、仕事を楽しもう
いかがでしょうか。
今回は、論理的思考に苦手意識をもちつつも、論理的に考えられるようになりたいという方向けに、その苦手意識を払拭するための習慣を1つご紹介しました。
それこそが、「なんとなく」考えたことにツッコミを入れることです。
さらにいうと、ビジネスで使う論理的思考とは「自分が責任を負っている」という当事者意識そのものであることもお伝えしました。
是非、当事者意識をもちつつ、普段から「自分にツッコミを入れる」ことを習慣にしていきましょう。
それだけで、論理的思考に対する苦手意識を払拭できるだけでなく、自然と議論に強くなっていくこと間違いなしです!
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