プレゼンテーションで聴衆の興味・関心を引けないと悩む方は多いでしょう。
そのような方は、自己紹介をおろそかにしがちです。自己紹介が適切にできていれば、聴衆の興味・関心を引き、スムーズにプレゼンを進められます。
本記事では、プレゼンに自己紹介が重要な理由や、自己紹介を成功させる方法を紹介します。
適切な自己紹介文を作る方法も具体的に解説しているため、ぜひ参考にしてください。
また、プレゼンでは話し方や話す姿勢も、興味を引くために重要です。
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プレゼンで思うように結果が出ず、苦手意識をお持ちの方は、自分の課題を明確化してみましょう。
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目次
プレゼンに自己紹介は必要
本章では、商品やサービスのメリットを伝えるプレゼンに、なぜ自己紹介が必要なのかを紹介します。
- 自己紹介がうまいとプレゼンの印象がよくなる
- プレゼンの自己紹介は信頼を得るのに必要
- プレゼンの時間が短い場合には簡単な自己紹介にする
ぜひ最後まで読み進め、プレゼンの質を高めてください。
自己紹介がうまいとプレゼンの印象がよくなる
プレゼンテーションに自己紹介が必要な理由として、自己紹介がうまいと、プレゼンの印象がよくなる点が挙げられます。
人間は物事を評価する際、最初に得た情報がその後の印象に強く影響するためです。
たとえば、次の2人ではプレゼン内容がまったく同じ場合でも、Aさんの方が聴衆によい印象を与えます。
- Aさん:大きな声でハキハキと、関連商品の販売実績を述べた自己紹介
- Bさん:小さな声で自信がなさそうに、畑違いの商品の販売実績を述べた自己紹介
この効果は、心理学でも実証されており、初頭効果と呼ばれます。
初頭効果
最初の情報が人の頭には残り、その後の評価に影響を及ぼす効果です。
1946年に心理学者ソロモン・アッシュが、情報を羅列して提示すると、提示の順序で異なる印象が形成されることから提唱しました。
- おおらか、正直、信用できる、用心深い、短気、嫉妬心が強い⇒ポジティブ
- 嫉妬心が強い、短気、用心深い、信用できる、正直、おおらか⇒ネガティブ
※内容は同じものであり、順番を変えているだけです。(実験では、英語のものを日本語に訳しています)
なお、この反対の理論として『親近効果』(終末効果)もあります。
初頭効果とは逆に、最後の情報が印象に残りやすい効果です。これは1976年にN・H・アンダーソン氏が模擬裁判を行い、証言の順番により印象が変わるかを実験したことから提唱されました。
プレゼンを成功させるには内容の良し悪し以前に、最初に「そんなすごい人なんだ」「自信があって信頼できそう」と、聴衆に思ってもらわなければいけません。
そのため、適切な自己紹介がプレゼンテーションには必要です。
人前でのプレゼンでは緊張はつきもの。コツやポイントを知りたい方は、以下の記事をチェック!
▶人前で話すときに緊張してしまう4つの原因【性格は関係ない!】
プレゼンの自己紹介は信頼を得るのに必要
プレゼンに自己紹介が必要な理由として、自己紹介が信頼を得るのに欠かせない点も挙げられます。
クライアントが話し手を信頼するポイントは、以下の3つです。
- 経歴や実績
- 話し方
- 服装や姿勢などの見た目
自己紹介をしなければ経歴や実績が相手に伝わらず、信頼を得られなくなってしまいます。
クライアントは商品の効果や価格だけを見て、購買や利用を決めているわけではありません。
高額な商品ほど、紹介している人や企業を信頼できるかどうかで、プレゼンの成否が左右されます。
そのため、プレゼンの前にはどのように経歴や実績を話すのか、自己紹介の方法をしっかり練るのが大切です。
プレゼンの時間が短い場合には簡単な自己紹介にする
自己紹介でプレゼンを行う際、プレゼン自体の制限時間が短い場合は、自己紹介も簡単に済ませなければいけません。
あくまで自己紹介は、プレゼンを成功させるために行います。商品やサービスの紹介を大幅に削ってしまうと、メリットが伝わりにくくなり、プレゼンは失敗してしまうでしょう。
自己紹介の時間の目安は、プレゼン時間が十分ある場合は2~3分、短い場合は一言がおすすめです。
聴衆や商品に関係があれば、一言でも十分に興味を引けます。どのように興味を引くのか、どうすれば信頼されるのかを、事前に考えておくとよいでしょう。
プレゼンでの自己紹介のねらい2選
プレゼンでの自己紹介は、聴衆からの信頼を得るために必要です。
本章では、信頼を得る以外のプレゼンでの自己紹介の目的を2つ紹介します。
- プレゼンの狙いを明確にする
- 聞き手に印象づける
どのような自己紹介がよいのか考えるのに役立つため、ぜひお読みください。
プレゼンの狙いを明確にする
プレゼンでの自己紹介の目的として、プレゼンの狙いの明確化が挙げられます。
商材と関連した自己紹介を行うと、誰に向けた商品・サービスなのか、どのような効果に期待できるのか伝えられるためです。
たとえば、「自分自身◯◯に悩んでおり、解決法を考えていました」と自己紹介をします。
すると、同じ悩みを抱える方やその悩みを解決する立場にある方は、自分事としてプレゼンを聞いてくれるでしょう。
プレゼンの目的は、聴き手に情報を伝えることだけではありません。商材の魅力を伝えて共感や同意を得て、行動をうながすことです。
自己紹介でプレゼンの狙いを明確にできれば、聴衆が自分事として話を聞いてくれるため、共感が得やすくなります。
聞き手に印象づける
聴き手に深く印象づけることも、プレゼンで自己紹介をする目的です。
商品の魅力を淡々と伝えるだけのプレゼンでは、聴き手はすぐに興味を失い、商品のこともプレゼンターのこともすぐに忘れてしまいます。
しかし、インパクトのあるエピソードを自己紹介に盛り込むと、その後の話を興味深く聞いてくれます。
次に会った時にも「あのエピソードを話していた人か」と、思い出してもらって関係を深められるため、次の商談もしっかり聞いてくれるでしょう。
印象づける自己紹介をしたい方は、相手が驚く話や、親近感を持てる話がおすすめです。
「実績」「同じ悩み・課題」「特殊な体験」の、いずれかを盛り込んでみてください。
【例文付き】 プレゼンの「目的」と紐づく過去の経験(エピソード)を盛り込む手順
自己紹介に大事なのは、「プレゼンの「目的」と紐づく過去の経験(エピソード)を盛り込む」ことです。
分かりやすいように、実際に作るときの順番に沿って見ていきましょう!
<作成手順>① プレゼンを行う「目的」を明確にする
② 「目的」に紐づく自分の過去の経験(エピソード)を振り返る
③ 自分の実績や経歴などと過去の経験(エピソード)を組み合わせる
①プレゼンを行う「目的」を明確にする
いきなり「自己紹介をどんなものにしようかな?」と、自己紹介から考え始めてはいけません。
それをしてしまうと、自己紹介の内容が本題とズレやすくなり、聞き手に無駄な時間を過ごさせてしまいます。
最初は、プレゼンを行う「目的」を明確にしていきましょう。
目的とは、プレゼンで「相手の気持ち・行動をどのように変えたいのか」です。
(例)・聴き手を楽しませたい
・場を盛り上げたい
・聴き手に行動を起こす気にさせたい
このように、プレゼンを行う「目的」を定めれば、自己紹介の方向性は自然と見えてきます。
(例)・聴き手を楽しませたい⇒聞き手がワクワクするような話題
・場を盛り上げたい⇒聞き手が親近感を覚えるような話題
・聴き手に行動を起こす気にさせたい⇒聞き手への影響力が大きい話題
②「目的」に紐づく自分の過去の経験(エピソード)を振り返る
次に、「目的」に紐づく自分の過去の経験(エピソード)を振り返って見つけましょう。
よく「自己紹介にはエピソードを盛り込みましょう!」とは聞くけれど、具体的なやり方がわからないとの相談を受けます。
エピソードとは、自分の過去の経験です。
事細かに話す必要はないため、ざっくりと、「どのような経験をしたのか」と「そのときの心情」を思い出してみてください。
たとえば、就職試験でアピールポイントをプレゼンする場面を考えてみましょう。
プレゼンの「目的」は、「ポジティブで熱い自分を表現したい」だとします。
この場合は、「努力した経験」や「壁を乗り越えた経験」と、「そのときの熱意」や「前向きな気持ち」を思い出します。
「目的」に紐づく自分の過去の経験(エピソード)を、振り返って見つけておくと、自己紹介のネタとして最高の準備がでるでしょう。
③自分の実績や経歴などと過去の経験(エピソード)を組み合わせる
最後は、過去の経験(エピソード)と自分の実績や経歴を組み合わせます。
プレゼンの「目的」にもよりますが、基本的には先に自分の実績や経歴を簡単に話し、その後に過去の経験(エピソード)に触れて本題へ入ります。
この時の注意点は、実績や経歴を伝えるときに自慢話しないことです。
素晴らしい実績や経歴は聴衆の信頼を得るのに有効ですが、自慢気に語る必要はありません。
過度に自慢気に聞こえてしまうと、聴衆から人としての信頼を失う可能性があるためです。
一生懸命取り組んできた経験はどれも、素晴らしいものです。等身大の自分を正々堂々と伝える自己紹介をしましょう。
プレゼンの「目的」に紐づく過去の経験(エピソード)を盛り込めば、聞き手の関心を引けます。プレゼンテーション全体が1つのストーリー(物語)となるように、自己紹介の作り方から工夫を凝らしていきましょう!
自己紹介には「表現の工夫」も求められます。以下の内容も合わせて確認ください!
▶「なんか自信あるね」と言われるプレゼンテーションのノンバーバルスキル
実際の自己紹介例も記載しておくので、ぜひ参考にしてください。
———————–(例①)プレゼンの本題:『予防医学という観点からどういったことが健康寿命に近づくのか』<自己紹介>「皆さんこんにちは。私の名前は〇〇です。私は新卒から15年間医療の現場で、患者さんやそのご家族と看護師という立場で触れ合ってきました。当時の上司や同僚の支えもあり、○○という分野の国際的な学会でもお話させて頂く機会などがありました。仕事をし始めた時はただがむしゃらにやってやるぞという気持ちで仕事をしていましたが、15年の経験の中で病院での医療の限界や予防医学の重要性に気がつきました。それでは、本日は『予防医学という観点からどういったことが健康寿命に近づくのか』というテーマでお話させていただければと思います。」———————–
———————–(例②)プレゼンの本題:『流行の最先端といわれる渋谷で、新ブランドを立ち上げて生き残る秘訣』<自己紹介>「皆さんこんにちは!私の名前は○○です。私は、流行の最先端といわれる渋谷にて、自身のアパレルブランドを立ち上げてから10年が経ちました。沢山の方々に助けていただきながら、現在では20代前半の女性向けファッション雑誌で紙面特集されるほど、多くの方に手に取っていただけるブランドとなりました。ただ、そんな私もブランドを立ち上げて間もない頃は接客時に「この服は時代遅れだね」という声を耳にしていました。自分のブランドがそんな風に言われてしまうのは絶対に許せない、私が必ず何とかするからと息巻いて、その後数万人のお客様と直にお話をする接客の現場に立ち、本当に求められているものとは何かを考え続けてきました。それでは、本日は『流行の最先端といわれる渋谷で、新ブランドを立ち上げて生き残る秘訣』というテーマでお話させていただければと思います。———————–
プレゼンの自己紹介の注意点
プレゼンの目的と紐づく経験を盛り込むには、プレゼンの目的から考えていくのが大切です。
聴衆の心は簡単に離れてしまうため、自己紹介を盛り込む際には注意が必要です。
本記事では、プレゼンで自己紹介を行う際に注意すべき点を、さらに詳しく紹介します。
- 最初から長い自己紹介をしないこと
- 当たり障りのない話から始めないこと
プレゼンを成功させるために、ぜひ参考にしてください。
最初から長い自己紹介をしないこと
プレゼンの自己紹介時の注意点として、最初から長い自己紹介をしないことが挙げられます。
聴衆はプレゼンターの情報を聞きにきたのではなく、紹介される商品・サービスを聞きにきているためです。
いきなり長々とプレゼンターのエピソードを話すと、聴き手の関心は薄れてしまいます。
冒頭ではプレゼンの概要や流れを伝えるようにしましょう。聴き手が聞く体勢を整えたところで、「申し遅れました」と、自己紹介を始めるのがおすすめです。
また、冒頭から自己紹介をする際は、端的かつスムーズにプレゼンに移れるとよいでしょう。
たとえば、「私は10年間◯◯の方法を模索してきました。その1つの回答が今回紹介する◯◯です」のような形です。
当たり障りのない話から始めないこと
当たり障りのない話から始めないことも、プレゼンの自己紹介時には注意しなければいけません。
出身地や趣味などの、プレゼンの内容と関係ない自己紹介は、聴き手の興味を薄れさせてしまうためです。
自己紹介を行う目的は、聴き手の興味関心や信頼の獲得です。出身地や趣味を述べても、それらは得られません。
自己紹介文を考えた後には、「この話で興味が引けるのか?」「信頼されるのか?」と、見直してみましょう。
ただし、プレゼンが長時間に及ぶ場合や初対面の方が大勢いる場合は、聴き手の緊張や疲れを解消するアイスブレイクも重要です。
プレゼンの途中であれば、当たり障りのない話を入れる意味はある、と覚えておきましょう。
まとめ: 自己紹介は、自分の過去の経験(エピソード)を交えよう!
聴衆の関心や信頼を得る自己紹介を作るには、以下の手順で作成するのが大切です。
- プレゼンを行う「目的」を明確にする
- 「目的」に紐づく自分の過去の経験(エピソード)を振り返る
- 自分の実績や経歴などと過去の経験(エピソード)を組み合わせる
ポイントは、「経験」と「心情」の2つを加えることです。これらがあれば、自身の実績や経歴が自慢話にならずに、聴衆を魅了する自己紹介になります。
本番に挑む前に、ぜひ準備しておきましょう。
また、自己紹介では文章だけでなく声の大きさや視線、表情なども大切です。プレゼンに挑む前にそちらも見直しておくのがおすすめです。
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