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転職1カ月、新しい人間関係になじむ雑談力

コミュトレ編集部

転職直後は、誰しも不安になりやすい

新しい会社に転職して1カ月
徐々に職場になじんできたと同時に、慣れない環境での疲れや不安を感じやすい時期でもありますよね。 

だからこそ、転職1カ月目のこの時期をどう過ごすか、その過ごし方とても大切になります。 

そこで、今回はリレーションシップスキルコースの学習内容をもとに、転職先で役立つ今すぐ使える雑談力をご紹介します。是非ご活用ください。

 

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【雑談力の基本】人間の本質を押さえる

無理して「人間関係」を作る必要はない 

一般的に、職場になじむコミュニケーションの方法として、以下のようなものが挙げられます。 

  • 大きな声で、明るく笑顔で挨拶する
  • 自分から積極的に会話の中に入っていく
  • 話しかけやすい雰囲気をつくる
  • 自分から色々な人に話しかける

どれも非常に大切ですが、「頭では分かっているけど、いざやろうとするとハードルが高い…」と感じる方も、少なくはないでしょう。 実は、新しい上司や同僚と人間関係を作るときは必ずしも「頑張って明るく振舞う」「関係性を無理して作ろうとする」必要はないのです むしろ「今まで通り自然体で接する」だけで自ずと人間関係が作られていくことも多くあります。 

 

「熟知性の法則」を味方につける

そもそも、私たち人間はなぜ相手に好意をもつようになるのでしょうか。 そこには、人間であれば誰にも当てはまる、ある「法則」があります。 

それは、熟知性の法則です。

 

熟知性の法則とは:
「相手の内面を知れば知るほど、相手に対して好意をもつようになる」という習性のこと。
1968 年に、ポーランド出身の社会心理学者ロバート・ボレスワフ・ ザイアンス氏の論文『Attitudinal effects of mere exposure.』にて発表された。

 

たとえば、初対面のときは「この人はどんな人だろう…」と警戒した相手でも、何度か顔を合わせていく内に人となりを知ると、親近感がわいてきますよね。相手のことを知らない内は興味もわかなかったのに、相手のことを知るにつれてどんどん関心が深まった経験は、誰にでもあるでしょう。

逆に、よく知らない人に対しては、人は誰でもよそよそしくなります。

 

そのうえ、たまたま最初の印象があまりよくなかったりすると、ほかの一面を知らない分、ごく限られた相手の一面や情報で判断してしまいがちですよね。

このような「人間の本質」を踏まえて新しい上司や同僚と雑談を重ねることで、いつのまにか転職先の職場になじむことができます。

 

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雑談力の使い方】盛り上げるより「情報交換」 せよ

無理する雑談は、相手に100%伝わってしまう

 

まず、やらなくていいことは、雑談を頑張って盛り上げようとすることです。 

よくある雑談例として、 

  • 間が空いたときに「とりあえず何か話題を振らなければ」と焦る
  • 本当はあまり興味ないのに、相手の話に一生懸命興味関心をもつ
  • 大げさなリアクションをとって、無理して笑う

といったものがあります。 


どれも大切そうには見えますが、
こんなことをやった結果、どっと疲れていませんか。 

自分が疲れるだけならまだしも、相手には「この人、無理しているな」とほぼ100%伝わってしまっています。

人間の本能は非常に鋭いので、表情や話し方で本心を隠すことはほとんどできないからです。

 

なので、無理に盛り上げようとする雑談はお勧めできません。

 

事実情報を交換しあう雑談を目指す 

 

重要なのは、「自分と相手の事実情報を交換する」つもりで雑談するということです。 

事実情報とは「家族構成」「出身地」「学生時代の部活」「(相手にお子さんがいれば)子供の名前」など、考えこまなくてもすぐ答えられる情報を指します。 相手の側面を知り、また自分も知ってもらうことで熟知性の法則が働き、お互いの心の距離が自然と縮まっていきます。 

 

 具体的には、以下のような質問をしてみましょう。 

 

(例) 

家族構成  「ご兄弟はいらっしゃるんですか」 

「いくつ離れているんですか」 

出身地  「どちらのご出身なんですか」 
学生時代の部活  「学生時代は何か部活をやっていたんですか」 

「何部だったんですか」 

子供  「お子さんはどんな名前なんですか」 

「いまいくつなんですか」 

「顔はどちらに似ているんですか」 

 

このとき、余裕があれば、聞いた内容をあとからメモしておくと良いでしょう。 もちろんキーワード程度で構いません。

後日、別の会話で「そういえばあのとき〇〇って言ってましたよね」と話題に出すと自分が相手に興味をもっていることが自然と伝わり、「よく覚えてますね」と相手に喜ばれます 

 

「自己開示+質問」で、さりげなく親近感を高める

 

雑談するとき、余裕があれば「自分の情報」もまぶしながら質問をしてみましょう。 このように、自分の情報を積極的に伝えることを「自己開示」と呼びます。 

 

なぜなら、人間には「開放性の法則」が働くからです。

開放性の法則とは:
「相手のプライベートな面を知るほど、親近感をもつようになる」という習性のこと。

 

たとえば、見た目は強面な人でも、家庭では一生懸命子供の世話をしていることを知ったとき。無口で「話しづらいな」と思っていた人でも、実はお酒が大好きで、お酒の話になるととたんに生き生きと話し始めると知ったとき。なんとなく距離を感じていた人でも、「こんな一面もあるんだな」と見方が変わるのではないでしょうか。

 

この法則からもわかる通り、人間は「手のプライベートな一面を知るほど、親近感をもつ」という性質をもちます。この性質を踏まえ、自己開示しながら雑談すると、同じ質問でも相手の親近感が高まるでしょう。

 

(例) 

家族構成  私には妹が1人いるんですが、○○さんはご兄弟はいらっしゃるんですか」 
出身地  私は鹿児島の出身ですが、○○さんはどちらのご出身なんですか」 
学生時代の部活  私は高校の時テニスをやっていたんですが、○○さんは学生時代に何か部活をやっていたんですか」 
子供  私は2歳の子供がいるんですが、○○さんのお子さんはいまいくつなんですか」 

 

ただし、いくら人間の本質に沿ったものだからといって、毎回質問するたびに自己開示をすると不自然になるので注意してください。雑談を切り出すときや話題を変えるとき、あるいは共感するときに、さりげなく自己開示するくらいにとどめておくと自然です。 

 

ちょっと補足!

開放性の法則は、営業や交渉でもよく利用されています。

営業マンが「実は、私には小学生の娘がいて、休日はよく公園に一緒に行くんですよ」などとプライベートな一面をさらすと、ついつい「へえ、優しい人なんだな」などと、営業マンに対する見方が変わりますね。その結果、警戒心が薄れたり、信頼度が上がることもあるでしょう。

正しい意思決定をするために、開放性の法則を知ったうえで商談に臨むとよいでしょう。

 

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まとめ:人間の本質にもとづく雑談力で、ラクに人間関係をつくろう 

 

転職して新しい職場に移ると、「うまくやっていけるかな」と誰しも一度は不安に思うものです。 のようなとき、自分を取りつくろって無理をしながら人間関係を築く必要はありません。 

むしろ、今回ご紹介した熟知性の法則」「開放性の法則」といった人間の本質にもとづく雑談を心がけてみてください。具体的には「事実情報を交換する」「会話を切り出すときや、話題を変えるときなどに自己開示する」といったことを実践すると、徐々に良好な関係をつくることができます。

あなたが一日も早く新しい職場になじんで、生き生きと働けることを祈っています! 

 

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1967年 東京都出身。 東京工科大学機械制御工学科在学中に、輸入商社のスタートアップに参加。 1996年 株式会社コミュニティネット入社。営業所長として、PCソフト及びBTOパソコンの販売、ISP、IP電話代理店など、新規事業を立ち上げる。 1999年 「日本を元気にする会社を創りたい」と株式会社アイソルートを設立(eラーニング製品の開発)。専務取締役として営業、開発、財務の各責任者を歴任。 2004年 同社代表取締役に就任。以降19年間連続黒字と最高売上高更新中。 2007年 新宿区優良企業表彰「経営革新賞」受賞。 2012年 日経トップリーダー「本当に強い中小企業ランキング」全国総合14位、IT業界2位に選出。 2024年 ダイヤモンド社から書籍『話せる、伝わる、結果が出る!コミュトレ』を発売し、紀伊國屋書店ビジネス書第1位、Amazonセールス営業本第1位を獲得。

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