目次
まだ「雑談テク」で消耗していますか?
おしゃべりが好きで、人と他愛もない話をするのは得意だと思っていたのに、
「なぜかこの人とは噛み合わない・・・」
「そんなつもりはないのに、機嫌を損ねてしまった・・・」
そんなときに「聴く力、質問力が足りないのかな」と思いながら雑談会話術の本を手にとっても、「たくさんあって使えない」「決めつけが多い、雑談はそんなにシンプルじゃない」と、かえって難しく感じてしまう…という声もききます。
実は、雑談力の本質はとってもシンプルなんです。
そして、一度雑談力をマスターすれば、人生における経済効果は計り知れません。
なので、毎日20~40代の様々な社会人と接するコミュトレ講師陣も、日ごろから大切にしています。
「雑談テクニックに振り回されて、ちょっと消耗しているかも‥‥」という方は是非お読みくださいね。
雑談力の高い人が頭の中で考えている「たった1つのこと」
「この人と一緒に話していて楽しい」「また会いたい」
あなたの周りに、話していてポジティブになる人はいないでしょうか。
雑談上手が頭の中で考えることはただ一つ。
「どうすれば、相手を良い気分にさせることができるのか」。
言い換えれば、雑談力とは、相手を良い気持ちにしようとする心構えを指すのです。
そのために、百田尚樹さんの「雑談力」にあるように、自ら面白いストーリーを語ることで聞き手を楽しませてもいいですし、阿川佐和子さんのように「聞く力」を発揮して、聞き手に回ってもいいのです。
両者に優劣はありません。状況に応じて使い分けるのが正解です。
例えば、相手が共感してもらいたいときは、聞くに徹して「たしかに」「わかる」などの共感のリアクションをとったほうが喜ばれるでしょう。
他方で、自分が面白いと感じたエピソードを魅力的に話し、笑いを誘うことで雑談の場が盛り上がることもありますよね。
雑談テクニックは知っているのになぜがうまくいかない原因は、相手の気持ちよりもテクニックの実践にとらわれているためです。そのため、状況や文脈を無視した受け答えをしてしまい、違和感を与えてしまうのです。
一方で、もしあなたが「聞くテクニック」「話すテクニック」にとらわれず、まずは「相手を楽しませよう」という心構えで雑談に臨めば、相手に「楽しい」「また話したい」と思ってもらえるでしょう。
雑談力のメリット:年収1億円レベルの習慣「ギブ」が最も簡単に身につく
年収が高く、人望も厚い成功者には、その性格や生い立ちに限らず、ある共通した習慣がみられます。
それは、相手に惜しみなく「与える(ギブ)」言動をとり続けていること。
相手の課題を解決したり、笑顔にさせたりすることを指します。
組織心理学者アダム・グラント氏は、自著『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』にて以下のように述べています。
まずは誰であろうと積極的に人助けをすることが、結果的に利益がもたらされる可能性を高くする
実際、『年収1億円の人のすごい習慣』の著者である金川顕教氏いわく、「年収1億円レベルの人は、相手に何を与えられるかを考え、ひたすら実践する」とのこと。
※太字は筆者注
私の知り合いで「ギバー」というあだ名で呼ばれている人がいます。とにかく全力でギブをするからギバーです。彼は後輩(後継者)を育てたいという思いから、見返りを求めることなく、自身のノウハウを無料で教えたり、事務所を解放して10人以上の若手を住まわせたりしていました。その結果彼は素晴らしい人脈を築き上げ、年収1億円に到達しました。
出典:交友は広すぎもNG 年収1億の人が「150人の仲間」を大事にするワケ
とはいえ、「ギブの重要性は分かったけど、どうやって実行するの?」と思いますよね。
実は、人に「与える」あらゆる行為のうち、最も本質的でありながら、最も簡単に実践できるのが「相手の気分をよくする雑談」なんです。
人は、「自己の重要感」を満たす人に好意を寄せる動物
「人間は感情の動物」というフレーズを聴いたことはあるでしょうか。
私たち人間の言動は、すべて「~をしたい」「~をしたくない」などの感情に突き動かされています。
それに対し、「合理的な思考」は欲求を正当化するものといわれています。
- たとえば、仕事で失敗したとき、上司にミスを指摘されたくないがゆえに、とっさに言い訳してしまう
- たとえば、自分がやりたくても出来なかったことを他人がやすやすやってのけているのを見ると、「あの人はセンスがあるから」と理由をつけて自分を落ち着かせてしまう
このよに、人間のほとんどすべての言動は、論理ではなく感情に左右されています。
そして、あらゆる感情の中で最も強いものが、「自分が重要人物でありたい」という欲求。「自己の重要感」とも呼ばれています。
「自己の重要感」は、食欲や睡眠欲と同様にとても強い欲求ですが、唯一異なるのは「他人とのコミュニケーションが必要」という性質をもつ点です。
人から存在価値を認められることで初めて満たされるため、自己完結できません。
なので、自分の存在価値を認められるということは、強烈な熱風が舞う砂漠の中で、冷たい水を与えられるようなもの。
相手から「この人は、カリスマ的存在だ」と思われることすらあります。
そのため、デール・カーネギーの歴史的名著『人を動かす』では、人を動かす三原則として「重要感を持たせる」と説いているほどです。
このように、あなたが雑談力を発揮することで、相手の最も根源的な欲求を満たす=「与える」ことができるのです。
しかも、相手の気分をよくする言葉やリアクションは、モノやサービスを作ることと違って、その場で瞬時に(コストほぼゼロで)生み出せるもの。
にもかかわらず大変喜ばれ、「あなたにもう一度会いたい」と仲間を引き寄せることができます。
なので、もしあなたが雑談力を身につければ、最もコストパフォーマンス良く成功者に近づくことができるといえます。
雑談力の出発点は「テクニック」よりも「感情コントロール力」
人の根源的欲求を満たす雑談力の本質は、「心構え」である。
そう書くと、やや精神論に感じるかもしれませんね。
心構えを身につけるために必要なのは、意外にも「聞く力」などのテクニック自体ではなく、「感情をコントロールする力(自己統制力)」なんです。
「コミュニケーション能力」の定義を学術的に統合したENDCOREモデル(立命館大学 藤本学教授)は、コミュニケーション能力を、レベル別に以下のようにまとめています。
※見やすいように、デザインの一部を改変しております。
画像出典:コミュニケーション能力とは?10万人のデータ分析とENDCOREモデルで一挙公開!
一般的な雑談で発揮される「聞く力」は「解読力、他者受容」、そして「話す力」は「表現力、自己主張」と置き換えることができます。
そして、自己統制は、聞く力と話す力を支える「屋台骨」に相当するもの。
つまり、どれほど雑談テクニックを知っていたとしても、感情の上下によって言動にムラがあると、かえって悪印象を招くおそれがあります。
たとえば、ある日は気分よく笑顔で雑談にのったにもかかわらず、嫌な出来事があるたびにネガティブな感情を引きずっていたらどうでしょうか。
何度も繰り返すうちに、何事もないように見えるときでも「この人、今日は大丈夫かな」と顔色を窺ってしまい、気軽に雑談できなくなりますよね。
もちろん、気持ちの浮き沈みは誰にでもあるもの。
本当に雑談力に優れている人は、気持ちの浮き沈みに左右されない自己統制力に優れています。だからこそ、ある特定の雑談だけで「話しやすい、感じが良い」のではなく、だれに対するどんな雑談でも好印象を与えることができるのです。
なので、あなたがまず感情コントロール力を高めれば、最短距離で雑談力を身につけることができます。
さいごに:コミュトレがあなたにお手伝いできること
今回は、雑談力の本質とメリット、そして身につけるための出発点についてお伝えしました。
少しでも、成長のヒントになったのであれば、筆者としてこれほど嬉しいことはありません。
最後に、コミュトレがお手伝いできることをご紹介させてください。
「話す力」「聞く力」という2大雑談テクニックは、「文脈」に依存します。
質問の仕方ひとつとってみても、「こう聞けばいい」という正解はなく、相手との距離感や関係性、話の文脈によって変わりますよね。
だからこそ、微妙なニュアンスを上手に使いこなすためには、文脈に合わせた反復練習が欠かせません。
生きていく中で、初対面での雑談、上司との雑談、ばったり会ったときの雑談、複数人での雑談など、様々なシーンを経験しますよね。
とっさの状況でも慌てず対応するために、コミュトレでは「実際の雑談シーンを想定した反復練習」を数か月間かけてみっちりおこないます。
その過程で「できた!」という達成感を得ることで自己肯定感が高まり、自己統制力が磨かれていきます。
上司や同僚に知られずこっそりと雑談力を高めることで、周囲の変化を楽しんでみてはどうでしょうか?
▼雑談力の身につけ方について詳しく聞く