上司へのトラブル報告、専門外の人への情報共有、人前でのプレゼンテーション…ビジネスシーンでは、説明しなければいけない場面は多々ありますよね。
その際に「安心して任せられそう」と信頼される人は、必ずと言っていいほど説明が分かりやすいですよね。
逆に、説明が分かりづらいと、いくら専門的な知識が豊富であっても「大丈夫かな‥?」と聴き手を不安にさせてしまうことも。
そう考えると、説明力は自分の評価を左右するスキルと言っても過言ではありませんよね。
とはいえ、「説明力とは何を指すのか」「説明力がある人とない人はどう違うのか」「どうすれば高まるのか」、会社で体系的に教わる機会がほとんどない、というお声を数多くいただきます。
そこで今回は、1万人が受けたコミュトレの教育実績をもとに、
- 説明力とは何か
- 説明力が高い人はどのような特徴をもつのか
を解説します。
ぜひ、あなたの説明力を向上させるヒントにしていただければと思います。
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目次
説明力とは、聴き手に負担をかけずに伝える力
説明力とは、端的に言うと聴き手に負担をかけずに伝える力を指します。
聴き手にかけている負担とは、
・話の途中で脱線したり、結論がなかったりして、結局何を言いたいのかよく分からない。・「誰が」「何が」といった主語が曖昧で、何について話しているのかがよく分からない。・声が小さかったりこもったり、早口だったりして、そもそも聞き取りづらい
といったように「混乱させている状態」を指します。
新人の頃であれば、聴いている聴き手が一生懸命理解しようとするため、多少分かりにくくても指摘されることはあまりないでしょう。
しかし、ある程度の年次になってくると、分かりやすく伝えることを期待されるようになるため、「分かりづらい」「で、何?」と容赦なくつっこまれてしまいます。
よく「自分が何か変えているつもりはないのに最近よく言われるようになってきた」という話を聴きますが、期待が上がっているにもかかわらず説明スキルを変えていなければ、つっこみを受けるのも当然といえるでしょう。
説明力とはずばり、聴き手に負担をかけない話し方を指すのです。
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説明力が高い人の特徴3選
説明力が高い人の話し方をよく見て見ると、以下3つの特徴を備えていることが分かります。
- 使う言葉が分かりやすい
- 理解しやすい構成で説明している
- 説明の目的が的確である
以下、順に見ていきましょう。
使う言葉が分かりやすい
説明力が高い人の特徴として、使っている言葉が分かりやすいということが挙げられます。
逆に、言葉が分かりにくいと、それだけで聴き手にかかる負担が大きくなります。
典型的なのは専門用語でしょう。専門用語を多用すると、聴き手の理解度を著しく下げてしまう恐れがあります。
人は、分からないものに対して、本能的に恐怖心を抱く習性があります。
そのため、聴き手が理解できない専門用語を数回使用すると、それだけで「聞く気が失せる」と思われてしまうばかりでなく、「この人と自分は分かり合えない」といった心理的距離を生むことにもなりかねません。
だからこそ、説明力が高い人は、聴き手がすっとイメージできる言葉を意識的に選んでいます。
分かりやすさの目安は「中学生が分かるかどうか」
分かりやすさの目安は、中学生(義務教育を受けている人)が分かるレベルです。
説明が分かりやすいかどうかは、説明する側だけの問題ではなく、聴き手の知識レベルによっても変わります。
しかし、聴き手の知識レベルを毎回正確に推し量ることはほぼ不可能ですよね。
そこで、「中学生」が分かるレベルの説明を心がけてみましょう。誰もが義務教育を受けているため、聴き手の知識レベルに左右されず、分かりやすく説明できるようになります。
説明で専門用語を使うときの注意点
でも、専門用語を使ってこそ、専門家として信頼されるのでは‥‥?
そう思われる方もいるでしょう。
確かに、専門用語を使った方が「詳しそう」という印象を与えられますよね。
一方で注意したいのは、専門用語は、定義が一見厳密なようでいて、意外に曖昧であることも多いということ。特に、カタカナ語は要注意です。
専門用語に対するそれぞれの認識が異なっていると、話のすれ違いを生む恐れがあります。
例えば、マーケティング用語に「リード」という言葉があります。リードとは「見込み客」を指しています。
先日、Webマーケティングを担当する受講生から、
受講生
という失敗談を伺いましたが、
このように、専門用語だからといって、全員が同じように理解しているとは限りませんよね。
そのため、説明で専門用語を使うときは、
「リード、つまり、新規契約前の見込み客については~」
といったように、言葉の意味を明らかにしたうえで使いましょう。
理解しやすい構成で説明している
話の構成とは、人が情報を理解する手順です。
同じ情報でも、理解する手順に沿って並べるかどうかで、聴き手に与える印象が全く異なってきます。
説明力が高い人がよく使っている構成のひとつに、SDS法というものがあります。
SDS法とは、「概要(Summary)」-「詳細(Detail)」-「全体のまとめ(Summary)」を指します。
進捗報告や業務報告など人前で報告をする場面、事実情報を説明する場面全般で有効です。
出典:聴き手の理解や納得を生むプレゼンの構成3つ【ラクして成功させよう】
このSDS法を使って説明する場合と、そうでない場合とで、分かりやすさがどう変わるのでしょうか。
以下、例で比較してみましょう。
【NG例】理解しやすい構成を使わずに説明した場合
<例 上司に対するトラブル対応の説明>
お疲れ様です。公文書を10日前に市役所に提出したのですが、本日、市の担当者から連絡があり、「数字が間違っている」との指摘がありました。確認をすると、本来今年度の人数を書かないといけないにも関わらず、昨年度の人数を書いてしまっていたことが判明しました。保存をしていたファイル自体が古いものになっており、見逃してしまったことが原因です。重要な書類ですので、いち早く正しい物に修正し、再度市に提出をしようと思っています。
【OK例】理解しやすい構成を使って説明する場合
<例 上司に対するトラブル対応の説明>
お疲れ様です。【概要(Summary)】公文書の数字記載ミスについてご報告です。【詳細(Detail)】本日、市役所の担当者の方から指摘をもらって気づきました。確認をすると、本来今年度の人数を書かないといけないにも関わらず、昨年度の人数を書いてしまっていたことが判明しました。保存をしていたファイル自体が古いものになっており、見逃してしまったことが原因です。【全体のまとめ(Summary)】このあとの対策ですが、重要な書類ですので、いち早く正しい物に修正し、再度市に提出をしようと思っています。
いかがでしょうか。OK例では、下線部分の説明をNG例に付け足して、構成に則って話しています。おそらく、OK例のほうが分かりやすいと感じたのではないでしょうか。
このように、説明力が高い人は、理解しやすい構成で話しているのです。
理解しやすい構成について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
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説明する目的が的確である
説明力が高い人は、「そもそも何のために説明するのか」という目的を的確につかんだうえで話します。
絶対的に分かりやすい話は存在しません。常に、伝える目的によって説明すべき情報は変わるでしょう。
説明する目的は、聴き手の意図によって大きく2つに分けることができます。
- A:情報を正確に伝えてほしいと思われている場合
- B:意見を聴きたいと思われている場合
同じ質問をされた場合、説明力が高い人は、目的に応じてどのように説明方法を変えるのでしょうか。
例として、聴き手から「プロジェクトAについてだけど、状況はどう?」と聞かれた場合の説明の違いをみてみましょう。
A:情報を正確に伝えてほしいと思われている場合の説明
現時点では計画通りに進んでいます。しかし、来月からメンバーが1人抜けるため、代わりのメンバーを今から探す必要があります。現状、能力・意欲・タイミングでみて最適な候補者が1名います。
B:意見を聴きたいと思われている場合の説明
現時点では計画通りに進んでいます。しかし、来月からメンバーが1人抜けるため、代わりのメンバーを今から探す必要があります。対策として、能力・意欲・タイミングでみて最適なBさんに声をかけることを考えています。Bさんをうまく引き入れれば、来月以降も問題なく計画通りに進められると思います。
いかがでしょうか。
情報を正確に伝えてほしいと思われている場合、自分の主観は極力除いているのに対し、意見を聴きたいと思われている場合は、自分の主観も説明していますよね。
どちらが正解・不正解というより、聴き手の目的によって最適な説明は変わります。
なので説明力が高い人は、無意識的に「何のために説明するのか」を考えているのです。
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まとめ:説明力が高い人は、聴き手の立場に立とうとしている
今回は、説明力の意味、および説明力が高い人の特徴について解説しました。
最後に、ポイントをおさらいしましょう。
【説明力とは?】聴き手に負担をかけない話し方
【説明力が高い人の特徴】1.使う言葉が分かりやすい2.理解しやすい構成で説明している3.説明の目的が的確である
まとめると、説明力が高い人は、小手先のテクニックを使っているというより、徹底して聴き手の立場に立っているといえるでしょう。
その姿勢に立ち返るだけでも、説明力が高い人に変わっていけます。
是非、出来るところから少しずつ意識して使ってみてくださいね!
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