「あの人は、これまであまりぱっとしなかったのに、最近ものすごい勢いで成長している」
あなたの職場に、そんな人はいませんか。
正直、自分の方が上だと思っていたのに、どんどん自分に追いついてきている。
自分はそんなに成長している実感がないのに、その人は上司やお客様から信頼を得て、いきいきと楽しそうに仕事している。
こんなとき、私たちは相手を尊敬しつつも、一方でなんともいえないもやもやを抱えてしまうのではないでしょうか。
そこで本記事では、成長が異次元に速くなる人と、そうでない人を分ける決定的な差についてみていきます。
成長スピードは決して固定要素ではありません。自分の行動次第でいくらでも速くも遅くもなります。そして、自分の成長スピードが高まると例外なく、良い意味で周囲を気にしなくなります。
ぜひ、今回の記事を、あなた自身のパワーアップのきっかけにしていただけると嬉しいです。
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目次
アウトプットの本質から考える成長の真髄
アウトプットの本質は「実行」より「フィードバック」
効果的に成長する方法を探すと、かならずといっていいほど「アウトプット」という言葉をみかけます。
アウトプット、言い換えれば、学んだことを他人に「話す」「書く」「実行する」ことによって学びが定着する、といわれていますよね。
そのため、多くの社内外研修ではワークタイムが設けられ、受講生の手や口を動かす仕組みが取り入れられています。
しかし、同じ研修を受けていても、成長が速い人とそうでもない人が出てきます。
実行することはアウトプットの一要素ではありますが、本質ではありません。
卓越した経営者やプロスポーツ選手の話を聴いても、実行して満足している人は一人もいません。
なぜでしょうか?
その理由は、アウトプットの本質が「他者からのフィードバック」にあるからです。
ここでいうフィードバックとは「相手の感想」「相手からの評価」という少し広い意味を含んでいます。
私が「営業は、結果が全てである」と教わったのは、営業職として入社してからすぐでした。普段どんなに一生懸命トークを練習し、営業のポイントをどれほど緻密にノートにまとめても、聞き手であるお客様の心を動かせなければ、望ましい結果には結び付きません。
その他、電話対応やデスクワーク、会議での発言など、仕事として取り組むことには全て「for you視点(相手がどう思うかを考えよ)」を徹底して叩き込まれました。
マネジメントの父・ピーターFドラッカーは「成果を上げるために第一に身につけるべき習慣は、何をしたいかではなく、なされるべきことを考えることである」と述べています。
なされるべきこと、つまり「自分ではなく他者から見て必要な行動」が、ここでいうアウトプットなのです。
このように、アウトプットの本質は一般的に想像されるように「人に話す」「書く」という行動ではありません。行動の先にある「他者からのフィードバック」そのものなのです。
そして、成長スピードが速くなる人は行動量が多いのではなく、フィードバックを受ける量が、ふつうの人と比べて桁違いに多いのです。
成長はフィードバックを受けた回数に比例していくといえます。
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実行に移せない最大の理由は、フィードバックを受ける状況に追い込まれていないから
社会人教育という仕事柄、よく伺うのが「せっかく本で知識を学んでも、行動に移せていない」というお悩みです。
それもそのはず、人間は「他人からのフィードバックを受けざるを得ない」といった外圧で動く習性をもっています。
東大法学部在籍中に司法試験・国家公務員第Ⅰ種試験に合格した才女である山口真由さんは、1日あたり19時間半もの時間を勉強に費やしていたそうです。
彼女は、自著『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。』にて、外圧の重要性を強調しています。
スケジュールを自分のなか、もしくはメモに書いて管理するという方法では、完全に自分任せになります。そこには監視する人や、失敗したときに制裁を与えられることもありません。(略)そうではなく、外圧的なものにしないとスケジュールの徹底管理など無理なのです。
出典:山口真由『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。』 扶桑社,2018年
あなたが今保有している技能を振り返ってみても、「もともと興味があって、自発的に勉強しているうちに身についた」というより、「仕事するうえで必要だったため、身につけざるを得なかった」というパターンが多いのではないでしょうか。
したがって、学んだことを実行に移せていないのは、行動の価値を理解していないわけでも、継続力が低いわけでもありません。
身もふたもない結論を言えば「他者からのフィードバックにさらされ、やらざるを得ない状況にまで追い込まれていない」からなのです。
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成長スピードが異次元に速くなる人の価値観
真に優秀な人は、むしろ失敗を必要とする
他人からフィードバックが重要であると聴くと、なんだかとても当たり前のように感じますよね。
とはいえ、いざ他人からのフィードバックを受けるとなると、単に行動する以上にハードルが高くなります。特に失敗に対しては、文句や批判から目をつぶりたくなってしまうのが人間の性というもの。
しかし、速く成長していく優秀な人は、むしろ失敗を必要とする傾向があります。
サイクロン式掃除機の「ダイソン」を世に生み出した英Dyson社創業者ジェームズ・ダイソン氏は、「失敗のすすめ」というコラムの中で、試作機を5127台しつつ破産寸前まで行った自身の人生を語っています。
発明家がアイデアをあきらめそうになるときは、数えきれないほどやってくる。(略)つらい時期だったが、ひとつひとつの失敗によって、問題の解決に近づくことができた
また、そもそも失敗を再定義することの必要性を述べています。
成功は失敗から学ぶことでしか得られないんですよ。そういう意味では、私自身は『失敗』という言葉が持つ定義そのものが間違っていると思いますね。発明の過程においては、失敗というのは、解決を待っている単なる問題点であり、課題にすぎないんですよ
出典:失敗のすすめ:ジェームズ・ダイソン「わたしは常に失敗している。それ以外の道を知らないのだ」
最短で出世した私のかつての上司も、社内で誰よりも売り上げを書いた人でしたが、同時に誰よりも失注した人でもありました。そして「NGから学ぼう」という言葉が口癖でした。
人の成長だけでなく、商品やサービスの質を速く高めたいときも同様です。
開発手法に「ラピッド・プロトタイピング」という考え方があります。
通常の開発だと、計画や分析に時間をかけます。しかし、納期が迫っている開発となると、考え方が真逆になります。つまり、まずプロトタイプ(実際に動く試作品)を作り、それを実際に使ってもらってフィードバックを受け、即座に修正し、改善させながら完成度を高めるという方法をとるのです。
このように、スピードを優先する開発の世界においては、失敗を前提として、フィードバックによって改善していく手法が一般的です。
人の成長も全く同じです。真に優秀な人は、失敗のない座学で急成長しているのではありません。実際にやってみて、失敗することを受け入れています。そして、失敗を教科書にして学んでいるのです。
書いてみたけど、読まれない。作ったけど、目に留まらない。勉強したけど、点がとれない。練習したけど、勝てない。話したけど、わかってもらえない。やってみたけど、喜んでもらえない。
こういった失敗を受けて、
「どうしてこうなったんだろう」「何がいけなかったのか」「どうすればよかったのか」
といった思索を一つ一つ行っていく過程が、その人の血肉になっていきます。
「継続は力なり」とよく言いますが、正確には「継続的なフィードバックは力なり」といえるでしょう。
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まとめ:急成長するには、フィードバックを受ける機会をまず確保しよう
今回は、成長スピードが速くなる人とそうでない人の決定的な差について、考えてみました。
結果が問われるビジネスの世界においては、アウトプットとは行動することではなく、他者からのフィードバックを受けることを指します。
そのため、成長スピードが速くなる人は、行動で終わらずに、そのあとフィードバックを受けることに重きを置いています。そして、フィードバックから多くのものを学んで次に生かしています。
私を含めて多くの方は、何かを学ぶとなると、真っ先に「どんな本を読もうか」「どんな動画を観ようか」といったように「何をするか」を考えがちです。
しかし、今日からは是非「どこで、誰からフィードバックを受けるか」を一番に考えてみましょう。フィードバックを受ける機会を確保できれば、高確率で急成長を遂げることができます。
あなたの飛躍を心から応援しています!
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