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ビジネススキル基礎

自己肯定感の高い人は、仕事で失敗したとき何を考えるのか?

コミュトレ編集部

仕事をしていると、どんな方でも一度は失敗します。そんなとき、つい「やっぱり自分なんて…」と自己肯定感が下がってしまう、という方も。

でも、失敗しても自己肯定感が高いままの人っていますよね。

 

その大きな理由の1つに、受けとり方=とらえ方が異なることが挙げられます。

 

そこで、今回は「自己肯定感が高い人が仕事で失敗したとき、どんな考え方をもてばよいのか」を考えていきたいと思います。

 

 

考え方① 起こったことには全て意味がある

まず真っ先に挙げたいのが「起こったことには全て意味がある」という発想。どんなときでも自己肯定感がぶれない人が、一言目に言う言葉です。

たとえば、
・社内用の重要なメールをお客様に誤って送ってしまい、上司に怒られた…
→それが起こったことには必ず意味がある

・大事な書類を誤って削除してしまった…
→それが起こったことには必ず意味がある

・相手が気遣ってくれたにもかかわらず、気づかずに失礼な態度をとってしまった…
→それが起こったことには必ず意味がある

 

という感じで使います。いかがでしょう?起こったことには意味があると捉えていると、目の前の失敗に対して「じゃあどんな意味があるんだろう」と考えはじめませんか?失敗に対して凹んでいるときは、「失ってしまったもの」しか見えていない状態です。

 

言い換えれば、失ったと思っているから、凹んでしまうんです。一方で、うまくいく人は逆に「失敗には価値がある」と考えている傾向が強いんですね。

 

英オックスフォード大学を首席で卒業したマシュー・サイド氏は、自著「失敗の科学」で次のように述べています。

“成功を収めた人々の、失敗に対する前向きな考え方にはよく驚かされる。もちろん誰でも成功に向けて努力するが、そのプロセスに『失敗が欠かせない』と強く認識しているのは、成功者であることが多い”

 

したがって、まずは「ここからどういう意味を見出せるだろうか」といったように、自分に問いかけてみましょう。その問いこそ、失敗したからこそ得られた付加価値を導き出すきっかけになります。

 

自己肯定感が高い人にとっては、失敗ですらも「成長の機会」になっているわけですね。

 

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考え方② あのときあれがあったから今こうなった、と言えるように、今何をする?

考え方①に続くものとして挙げたいのがこれです。小説やドラマを観ていると、「あのときのシーンは、この結末の伏線だったのかー!」と膝を打つときはありませんか?それと同じ感覚です。

 

つまり、「あのときああいう失敗をしたから、今の自分がある」と言えるようになるために、何ができるか考える。それが自己肯定感が高い人の秘訣です。

 

たとえば、

 

・同期に成績で差をつけられてしまった
→あのとき、悔しい思いをしたからこそ今の自分がいる、と1年後に思えるようになるには、今どういう行動をとったらいいのか?

・後輩が自分のところに相談にこない。自分はあまり慕われていないのかも…?
→あのとき、目に見えない不安を感じたからこそ今の自分がいる、と半年後に思えるようになるには、今何をしたらいいのか?

という感じです。

 

これらは全て、「良い結末」をゆるぎないスタート地点とし、そこから逆算してあり方を考える発想です。

この発想は、成功者にはよくみられる考え方で、実際、成功者のインタビューを聞いていても「あのとき、お客さんにこっぴどく叱られて、はっと気づいたんだよー」と、苦労話ですら嬉しそうに語っていることに気づきます。

 

この考え方をうまく使えるようになれば、変化が激しく、先行きの見えない時代ならではの「このままの状態が続くと、私はどうなるんだろう…」という不安にも対処できるようになります。

 

「未来をどうしたいのか」、そしてそのために「今目の前にある失敗をどう位置づけるか」を考えてみてはいかがでしょうか?

 

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考え方③ 自分の人生に影響を与える事ができるのは自分自身のみである

コミュニケーションで失敗したとき、私も含めて多くの方は「相手にどう思われたんだろう…」と気にしてしまいがちです。これが自己肯定感を下げる大きな要因。

 

そんなときに、ぜひ立ち戻りたい考え方だなあと思います。

以前、相手がせっかく私を気遣ってくれたのに、私がその親切心や苦労を想像しきれず、失礼な態度をとってしまったことがあります。

 

そのとき、相手の心情を想像しきれなかったことが悔しかったのと同時に、「空気読めない人だと思われてしまったかな」と考えて、つい涙が出てしまいました。

 

そんなときに、自己肯定感が高い先輩が言ってくれたのが、以下のような言葉でした。

“うん、相手の心情を想像しきれなかった点は反省しようかね。次に活かすということね。ただ、どう思われるは一ミクロンも気にしない。そういう事実があったということを記憶しておく。以上!って感じよ。こんなことも想像できなくて、なんてダメな奴とは思う必要はない。自虐にならない前向きな反省をする、でいいよ。それから何度も言う、相手に何をどう思われようがまったくそれに力はない。お前の人生に影響を与える事ができるのは自分自身のみ。どう解釈するかだから。 他人に何を思われているのかと考えて、人生のエネルギーを消費するのは無駄だ。”
相手に「こう思われているんじゃないか」という言葉、実のところ誰が言っているかは、もうお気づきですよね。そう、自分自身がつくり上げた幻想がそう言っているだけ。

 

相手は言っていません。相手がよほどショックを受けていたら別ですが、だいたいのことは忘れています。

 

自分自身の言葉は、良くも悪くも自分に一番ダイレクトに刺さります。他人の評価を気にしてしまう気持ちもわらないこともないですが、ここは思い切って、生産性ゼロの「無駄な時間」として切り替えていきましょう。

 

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考え方④ ピンチをチャンスに変えるためには?

失敗してしまったときは、やばい!と誰もがピンチ(危機)に陥ります。自己肯定感の高い人は「危機は、”危険の危”と”機会の機”が合体したもの」ととらえます。

 

危機的状況は、腹をくくって誠心誠意対応することで、チャンス(機会)に変えることができるのです。

以前、とあるお客様に対して、受講金額の計算を誤ってしまい、本来よりも高く見積もったままご契約いただいたことがあります。そのミスが発覚したあと、どうにか心象を悪くしないように「ある意味、受講金額が下がったという見方もできますよね」と言ってしまい、それがその方の逆鱗に触れてしまったのです。

 

お客様からは「冬木さんを信頼して受講を決めたのに、ごまかされて裏切られたような気持ちになってしまった」と面と向かって言われました。こちらとしては、お客様にコミュニケーションの教育サービスを提供する側なのに、お客様からご指摘を受けてしまい、恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。

 

しかし、恥ずかしい気持ちを一旦脇に置き、ただひたすらお客様の言葉を聴くことに徹しようと決めました。

 

そして「今回の件で解約になってしまっても致し方ない、しかしこのお客様の気持ちは真摯に受けとめよう」と腹をくくり、彼女の勇気ある指摘に感謝しながら、約20分間話を聴き続けました。

 

その結果、お客様の顔もだんだん和らぎ、最後は「次からは気をつけてくださいよ。これからもお願いしますね」とおっしゃっていただけて、最終的には事なきを得たのです。それ以降、このお客様は「熱心に対応いただいている」と、私に対して頻繁に相談や質問をくださるようになりました。

 

ピンチはチャンスになる。まさにその通りと感じています。失敗したら、「このピンチをチャンスに変えよう」と考えてみてください。

自己肯定感が高い人は、がむしゃらに頑張っているのではなく、エネルギーがわいてくるような考え方をもっているんですね。

 

考え方⑤ 成果=思考量×知識量×集中力

最後に、私が一番気に入っているとっておきの考え方をご紹介したいと思います。

 

本記事は「失敗したときの考え方」をテーマにしていますが、ここで話の次元を一つ高くしてみます。

そもそも、仕事で成果を出すために、私たちは何をどう努力したらよいのでしょう?多くの方は、仕事ができるようになるための要素にこれらを挙げることがあります。

 

・経験量、努力量
・頭の回転の速さ、論理的思考力
・分かりやすく説明する力
・仕事を楽しむマインド…

 

どれも合っていますが、「何をすればいいのか」といわれるとちょっと戸惑ってしまいます。そんなときは、以下の公式を思い返してみてください。

【 成果=思考量×知識量×集中力 】
・思考量は、「その物事に対してどれだけ考えたのか」
・知識量は、「その物事に関連する情報をどれだけもっているのか」
・集中力は、「今どれだけ感情に邪魔されずに集中しているか」 という意味です。

掛け算になっているので、要素の絶対値が多くなるほど加速度的に成果も大きくなります。逆を言えば、どれかの要素がゼロだと、他がどれだけ良くても成果も限りなくゼロになるという意味になります。

 

たとえば、知識量の少ないベテラン社員が、業務にマンネリを感じていて、そのままの状態(現状維持)を続けたらどうなるでしょう?

 

集中力が落ち、成果も頭打ち、といったようなことが起きますよね。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ここには「センス」とか「才能」といった、先天的要素は一切入っていません。つまり、誰でも、相応の思考量を投入し、情報収集し、心を整えれば、成果は上がるというメッセージが込められています。

 

また、今現在、自分よりも1歩2歩先を行っている人がいたとしたら、その人は他人に真似できないような特別な先天的要素をもっているわけではありません。

 

ただ、自分よりも思考量・知識量ないしは集中力が優れていた、というだけの話なのです。

仕事で失敗して、「さて次にどうつなげよう」と考えたときは、是非この方程式に立ち戻って、努力する方向性を考えてみてください。

 

それが、自己肯定感が高い人に近づくヒントになりそうですね。

 

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【まとめ】一生使える「考え方」を身につけよう

今回は、自己肯定感が高い人が仕事で失敗したときに発動する「考え方」をお伝えしてきました。

 

改めて復習しましょう。この5つです。

考え方①「起こったことには全て意味がある」
考え方②「あのときあれがあったから今こうなった、と言えるように、今何をする?」
考え方③「自分の人生に影響を与える事ができるのは自分自身のみである」
考え方④「ピンチをチャンスに変えるためには?」
考え方⑤「成果=思考量×知識量×集中力」

 

これら5つ以外にも考え方は星の数ほどありますが、この5つは自己肯定感が下がってしまうことはほぼなくなります。

 

必要な業務スキルや行動は状況に左右されますが、必要な考え方はブレません。

 

会社が変わったり、相手が変わったりしても、失敗したときに自分の心の支えになる考え方はいつでも同じです。

 

是非、失敗したときにこの記事に立ち戻って、目の前の難局を突破するヒントにしていただけたら嬉しいです。

 

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1967年 東京都出身。 東京工科大学機械制御工学科在学中に、輸入商社のスタートアップに参加。 1996年 株式会社コミュニティネット入社。営業所長として、PCソフト及びBTOパソコンの販売、ISP、IP電話代理店など、新規事業を立ち上げる。 1999年 「日本を元気にする会社を創りたい」と株式会社アイソルートを設立(eラーニング製品の開発)。専務取締役として営業、開発、財務の各責任者を歴任。 2004年 同社代表取締役に就任。以降19年間連続黒字と最高売上高更新中。 2007年 新宿区優良企業表彰「経営革新賞」受賞。 2012年 日経トップリーダー「本当に強い中小企業ランキング」全国総合14位、IT業界2位に選出。 2024年 ダイヤモンド社から書籍『話せる、伝わる、結果が出る!コミュトレ』を発売し、紀伊國屋書店ビジネス書第1位、Amazonセールス営業本第1位を獲得。

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