「ディスカッションとディベートの違いとは?」
「ディスカッションの効果や進め方が知りたい」
このような疑問をお持ちの方は多いでしょう。
ディスカッションとディベートは、勝敗の決定の有無で異なります。ディスカッションは結論を出しますが、誰の発言が優れていたかなどの勝敗は決めません。
本記事では、ディスカッションとは何かから、ビジネスで得られる効果・具体的な進め方を紹介します。最後まで読み進めることで、ビジネスの現場や選考会でもディスカッションが活かせるでしょう。
しかし、コミュニケーション能力に優れた人材がいなければ、意見がぶつかり対立を生むだけで終わってしまいます。
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目次
【簡単に】ディスカッションとは?
ディスカッション(Discussion)とは、議論・討論を意味する言葉です。決められたテーマに対して自由に意見を交わす、アクティブラーニングを指します。
ディスカッションは文部科学省が推進する学習方法であり、近年は学校・職場問わず多くの場で取り入れられています。
3人以上でグループを作って行う「グループディスカッション」が一般的です。
ディスカッションの目的
ディスカッションの目的は、学習者をビジネス・授業へ能動的に参加させることです。
それによって、教育現場では自主性や協調性を育み、ビジネスでは課題解決ができる創造的な人材が育成できます。
従来の教育方法は、詰め込み型と呼ばれる、多くの知識を身につけさせるものでした。詰め込み型教育は、決められた枠組みの中で、早く正確に作業できる力を身につけるのに役立ちます。
しかし、近年はAIやロボットの発展によって、枠組み自体を作り出す創造的な人材が求められるようになりました。
そのため、知識を詰め込む授業よりも知識を使いこなす方法を身につける、ディスカッションが重要視されています。
ディスカッションとディベートとの違い
ディスカッションとディベートは、意見を自由に出して議論するか、賛成・反対にわかれて議論するかで異なります。
ディスカッションは、決められたテーマに対して、参加者が自由に意見を出し合います。賛成・反対ではっきりわかれることはありません。
しかし、ディベートは決められたテーマに対して、賛成・反対ではっきりとわけます。そして、最終的に説得力があった方はどちらなのか、勝敗を決めます。
ディスカッションとグループワークとの違い
ディスカッションとグループワークの違いは、最終的な結論から、さらに成果物を残すかどうかです。
ディスカッションは結論を出して終了です。しかし、グループワークでは結論を基に「プレゼン」「製作物」「ビジネスモデル」を作成します。
議論の進め方は基本的に変わりません。結論の際にのみ、成果物を残しやすいように具体的にまとめられるとよいでしょう。
ディスカッションにおける2つの種類
本章では、ディスカッションの2つの種類を紹介します。
- グループディスカッション
- パネルディスカッション
それぞれやり方が異なるため、行う際にはぜひ参考にしてください。
グループディスカッション
グループディスカッションは、参加者を4〜10人程度のグループに分け、グループごとに制限時間内で結論を出す方式です。主に、企業の選考会や研修で用いられます。
建設的な議論のためには、最初に以下の5つの役割を割り振るのがおすすめです。
- 司会
- 書記
- タイムキーパー
- 監視役
- アイデアマン
グループの結論を発表する場合は、発表者も必要です。
役割を割り振った後は、「現状分析・課題の発見」「アイデアを出せるだけ出す」「詳細の討論」の順番で進めます。
役割に応じて求められる能力は異なりますが、総じてコミュニケーション能力や協調性・思考力が必要です。
課題解決型
課題解決型とは、グループディスカッションのテーマの1つです。与えられた課題に対して、解決策の提示を目的として議論します。
よくあるテーマは以下の3つです。
- 企業に関連するテーマ
- 時事に関するテーマ
- まったくなじみのないテーマ(例:カンガルーの肉を話題にする方法は?)
課題解決型では、物事を構造立てて考える力が求められます。そのため、「目的を定義する力」や「現状分析力」が、鍛えられるでしょう。
情報発散型
情報発散型は、ブレイン・ストーミングとも呼ばれる形式です。参加者は多くのアイデアを発言しあい、その中からよりよいアイデアを見つけ出すことを目的としています。
そのため、情報発散型のディスカッションでは、「アイデアを出せるだけ出す」「アイデアを取捨選択する」ことが重要です。
1つのテーマに対しても違った角度から考えたり、他人の意見に付け足したりする力が鍛えられます。
パネルディスカッション
パネルディスカッションとは、大規模な集団でも行える討論方式です。近年は、小学校でも行われています。
複数のパネリスト(またはパネラー)の発表後に、パネリスト同士が意見交換をし、最後にフロア(聴衆)も交えた全体討議を行うのが一般的です。
パネリストには、専門的な知識を持つ有識者や、異なる意見を持つ方が選ばれます。
また、パネリストとフロア以外にも、コーディネータ(司会)がいます。役割は、全体の進行やまとめです。
どの役割でも、資料から情報を読み解く能力や、質問する力・質問に答える力が身につきます。
【ビジネス】ディスカッションによって得られる効果とは?
本章では、ディスカッションによって得られる、ビジネスの効果を紹介します。
- 新たな課題を発見できる
- 課題の解決方法や過去の経験を共有できる
- 画期的なアイデアが生まれる
自身や組織に足りないものがあれば、ぜひディスカッションを行いましょう。
新たな課題を発見できる
ディスカッションによって得られる効果として、新たな課題を発見できる点が挙げられます。
課題解決型のディスカッションでは現状確認の過程では、「現在生じている問題」や「問題の原因」の分析も行うためです。
生じている問題を探す癖や見つける力が身につき、自社が抱える課題も発見できるようになるでしょう。
また、より効果的に新たな課題を発見したい場合は、ディスカッションのテーマを自社が抱える課題にするのがおすすめです。参加者が自社の問題を持ち寄って議論を行うため、多くの課題を発見できます。
優先度の高い問題を考える力も養えると、発見力だけでなく解決力にも向上が期待できます。
課題の解決方法や過去の経験を共有できる
課題の解決方法や過去の経験を共有できる点も、ディスカッションで得られる効果です。
実際に発生した問題に対して討議を行うと、同じような問題が発生する事態を未然に防げるでしょう。その際には、ミスした人を責める形ではなく、意見交換をしてチームの結束を強める形がおすすめです。
ミスした人を責める形式では、今後ミスを隠すようになったり、職場のチームワークが悪くなったりします。
また、ディスカッションによって大勢の前で発言する機会が増えると、意見を言いやすい環境が構築されます。
問題を知りながらも口を閉ざしていた方や、仕事のコツを知っている方の情報が共有できるでしょう。
画期的なアイデアが生まれる
ディスカッションにより得られるビジネスの効果として、画期的なアイデアが生まれる点も挙げられます。
業務経験豊富な方や専門性の高い方と意見を交えることで、一人では思いつかない案が見つけ出せるためです。
実際のビジネスの現場でも、企画・商品会議では、ディスカッションが用いられることが多くあります。
画期的なアイデアを出すためには、ディスカッションの中でも情報発散型がおすすめです。アイデアをとにかく大量に出し、具体的なことを考えるのは後回しにするのがよいでしょう。
アイデア出しの際には反対意見を述べる時でも、批判につながらないように注意が必要です。
ディスカッションの具体的な進め方とは?
本章では、具体的にディスカッションをどう進めればよいか、5つのステップに分けて紹介します。
- テーマを決める
- 役割・時間配分を決める
- 現状の分析と課題を特定する
- 意見を出し合う
- 結果をまとめて結論をだす
建設的な意見を出し時間内でまとめるには、正しい方法での進行が重要です。ぜひ参考にしてください。
1.テーマを決める
ディスカッションの最初のステップは、話し合う対象・目的などのテーマ決めです。研修や選考会で行う場合は、以下のテーマがおすすめです。
- 企業に関連するテーマ
- 時事に関するテーマ
- まったくなじみのないテーマ
事前調査の時間や資料を設けると、行動力や資料活用の能力も図れます。また、ゴールも考えておくと、後々の議論も円滑に進められます。
2.役割・時間配分を決める
テーマを決めた後は、役割やそれぞれのステップの時間の配分を話し合います。建設的な討論のためには、以下の6つの役割を割り振るのがおすすめです。
- 司会
- 書記
- タイムキーパー
- 監視役
- アイデアマン
- 発表者
時間配分のおすすめは、意見交換にかける時間が全体の50~70%であることです。また、まとめる時間の確保も大切です。
3.現状の分析と課題を特定する
ビジネスでのディスカッションの3ステップ目では、現状の分析と課題の特定を行います。ビジネスにまつわる意見を出し合う際には、課題の把握が大前提になるためです。
テーマに対する現状の分析を行い、理想の状態と比較すると、課題は自然と浮き彫りになります。
現状分析や課題特定をおろそかにすると、いくら話し合っても、見当はずれな結論が出てしまいます。
4.意見を出し合う
特定した課題に対して意見を出し合うのが、ディスカッションの4ステップ目です。
意見を出し合う際は、思いつく限りの意見を出すことが大切です。非現実的な方法でも、とにかく出してみましょう。
その際には、否定的な発言をしてはいけません。しかし、反対意見は新たなアイデア創出につながるため、ある程度は必要です。
5.結果をまとめて結論をだす
ディスカッションの適切な進め方の最後のステップは、意見をまとめて結論を出すことです。
ディスカッションではテーマに対して、明確な結論を出します。なあなあで終わらせても、自主性や創造力は成長しません。
導き出した結論を発表する場合もあります。想定質問を考えておくとよいでしょう。
ディスカッションを成功させるコツとは?
本章では、ディスカッションを成功させるコツを2つ紹介します。
- アジェンダを決めておく
- ファシリテーターを用意する
ディスカッションを行う際は、気をつけてください。
アジェンダを決めておく
ディスカッションを成功させるコツは、アジェンダを定めておくことです。アジェンダとは、会議の流れを要約した計画表です。
ディスカッションでは、役割決め・意見交換・まとめなどの時間の配分を記した表が、アジェンダと呼ばれます。
以下の6つの項目に時間を加えて作成するとよいでしょう。
- 自己紹介
- プロジェクトの目的とゴールの説明
- 現状分析と課題の把握
- 意見交換
- 意見のまとめ
- 発表
参加者全員が時間を共有していると、議論もスムーズに進みます。
また、実際の会議や商談では、準備が必要な資料がわかりやすいようにアジェンダを作ります。詳細な議題の記載が必要なため、注意してください。
ファシリテーターを用意する
ファシリテーターの用意も、ディスカッションを成功させるコツです。ファシリテーターとは、ディスカッションを円滑に進行してゴールに導く進行役です。
司会と同じものと考えても構いません。参加者に発言をうながす役割もある司会者、と覚えておきましょう。
ファシリテーターがいると、意見の対立や感情のぶつかり合いがコントロールでき、目的達成のための議論を建設的に行えます。
反対にファシリテーターがいなければ、議論が明後日の方向に進み、消極的な参加者のアイデアが埋もれてしまいます。
ディスカッションで課題を解決しよう
本記事では、ディスカッションとは何かから、得られる効果や具体的な進め方を解説してきました。
ディスカッションは参加者の自主性や協調性を高め、クリエイティブな人材を育成します。企業の課題発見にも役立つため、ビジネスのさまざまな問題解決に役立つでしょう。
しかし、ファシリテーターがうまく司会進行できなければ、意見がぶつかり対立を生むだけで終わってしまいます。
ディスカッション成功のためにも、参加者の内1人には、高いコミュニケーション能力が必要です。
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