コミュニケーションハラスメントとは、会話の強要や人格・性格の決めつけなどです。
偏見によって無意識でしてしまう言動のため、加害者側に当事者意識がないまま、大きなトラブルを引き起こしてしまいます。
本記事では、コミュニケーションの意味や原因、具体的な事例・対策方法を紹介します。
最後まで読み進めることで、ハラスメントの当事者にならないための方法がわかるでしょう。
職場でのコミュニケーションを円滑化するため、ぜひお読みください。
また、「コミュトレ」のビジネスコミュ力診断を受けると、自身のコミュニケーション能力をチェックできます。
相手にハラスメントと取られない、適切な伝え方を身につけるのに役立つでしょう。
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目次
コミュニケーションハラスメントとは?
コミュニケーションハラスメントとは、物事を強要する言動や嫌がらせにつながる言動のことです。
たとえば、コミュニケーションが苦手な人への会話の要求や人格・性格の決めつけ、仲間外れなどです。
職場では主に、上司から部下など、立場が強い人から立場が弱い人に対して行われています。
本人にとってはただの指導や指示・雑談でも、言葉の受け取り方は人によって大きく異なります。
ハラスメントと感じさせてしまわないように、普段の会話から細心の注意が必要です。
厚生労働省の「職場におけるハラスメントの防止のために」によると、令和2年6月1日よりハラスメント対策は事業主の義務となりました。
ハラスメントに対する処分は、今後一層厳しく行われるでしょう。
ハラスメントの主な6つの種類
コミュニケーションハラスメント以外にも、以下の6種類のハラスメントがあります。
どのような場面で気をつけるべきかの参考になるので、ぜひ覚えておいてください。
種類 |
内容 |
セクシャルハラスメント |
性的な言動によって相手を不快にする行為 |
パワーハラスメント |
職務上の権力や立場を利用して、相手を攻撃し不快にさせる行為 |
モラルハラスメント |
無視や人格否定などを行い、精神的に攻撃する行為 |
アルコールハラスメント |
飲み会などの場で飲酒を強要する行為 |
アカデミックハラスメント |
教育の場で発生する学術的な地位や権限を利用した、嫌がらせや過小評価・研究結果の盗用などの行為 |
ジェンダーハラスメント |
「男性だから」「女性だから」と、性差別的な発言や相手を尊重しない行為 |
ハラスメントの事例によっては、パワハラとモラハラのどちらにも該当するなど、明確に区別はされていません。
しかし、ハラスメントは総じて多くの場面で問題視されており、該当者は厳しい処分を受けます。勘違いされるような行為にも気をつけましょう。
コミュニケーションハラスメントが起こる4つの原因
ハラスメントの種類を知っておくと、起こさないために常に注意を払えます。
本章では、コミュニケーションハラスメントを起こさないために、4つの具体的な原因を紹介します。
- 社風や職種による影響
- コミュニケーション不足による誤解
- 相手への配慮や敬意の不足
- 決めつけた発言が多い
自身がやってしまっていないかを見直す際の、参考にしてください。
社風や職種による影響
コミュニケーションハラスメントが起きる原因として、社風や職種による影響があります。
職場で高圧的な指導・指示が日常化していることが要因で、社員のハラスメントに対する意識が低下してしまっているためです。
営業職や建設・運送業など、多忙でありながら成果も求められる職種でよく見られます。
改善にはハラスメントに対する意識が高い、別の職場を経験するのがおすすめです。
環境を変えることで意識ががらりと変わり、高圧的な指導・指示などの、コミュニケーションハラスメントをしなくなります。
コミュニケーション不足による誤解
コミュニケーション不足による誤解も、ハラスメントの原因になります。
相手がどのような人物か深く知る機会がなく、イメージで決めつけてしまうためです。
その結果、苦手意識を強く持ってしまったり、本人にその気がなくとも不快な発言・行動をしてしまったりします。
日頃からコミュニケーションをとって、お互いを理解し合うことが大切です。
そのためにも、職場のコミュニケーション不足の解消方法を知っておきましょう。
以下の記事を読むと、コミュニケーション不足の原因や対策法が学べます。職場のコミュニケーション不足を解消したい方は、ぜひお読みください。
コミュニケーション不足の原因と5つの対策法!課題改善のポイントを解説
相手への配慮や敬意の不足
コミュニケーションハラスメントの原因として、相手への配慮や敬意が不足していることも挙げられます。
価値観や能力の違いを尊重できなければ、不快な言動をしてしまうためです。
特に、上司が部下に対して配慮や敬意を持って接していないと、ハラスメントがおきやすくなります。
価値観や考え方、能力などはすべて人によって異なります。
コミュニケーションハラスメントを起こさないためには、職務的立場や年齢が自分より下の方に対しても、相手の人格への配慮・尊重する意識が大切です。
決めつけた発言が多い
決めつけた発言が多いことも、コミュニケーションハラスメントの原因です。
「男らしく」「女らしく」「普通は」などの発言によって、相手は自身の人間性を否定されたと感じてしまいます。
特に、近年は価値観が多様化しています。人それぞれで異なった考え方・言動をするため、決めつけた発言はハラスメントと受け取られてしまうでしょう。
特定の属性や環境による傾向、偏見で相手を決めつけず、一人の人間として見てみるのがおすすめです。
アドバイスのつもりでやってしまいがちな行為のため、立場・年齢が上の方は注意してみてください。
コミュニケーションハラスメントの具体的な事例3選
コミュニケーションハラスメントは社風・職種の影響や、配慮・敬意が欠けていることで発生します。
本章では、そのような原因で起こるコミュニケーションハラスメントの、具体的な事例を3つ紹介します。
- 上司からの一方的な指示
- 会議で無視や仲間外れにする
- 育児制度を利用する男性社員に対する嫌がらせ
自分自身がしてしまわないように、覚えておきましょう。
上司からの一方的な指示
コミュニケーションハラスメントの具体的な事例として、上司からの一方的な指示が挙げられます。
部下は自分の意見を言うことに恐怖を感じたり、人間性や仕事の能力を否定されたと感じたりするためです。
一方的な指示には、「とにかくやれ」「言う通りにしろ」など、命令や考えの押しつけが該当します。
部下を萎縮させてしまうような物言いでは、信頼関係は築けません。
特に、納期に追われているなどで余裕がない職場では、強い口調での指示が行われがちです。お互いを尊重してコミュニケーションを行いましょう。
会議で無視や仲間外れにする
会議で無視や仲間外れにする行為も、コミュニケーションハラスメントの具体的な事例です。
精神的な苦痛を味わい、職場へ行くことにも恐怖を感じてしまうためです。
また、無視や仲間外れによるハラスメントとして、以下の事例もあります。
- 職場の飲み会で特定の人物だけを誘わない
- 仕事に必要な情報を故意に伝えない
- 会話中に目を会わさない
相手に気を遣って話さない・誘わないことも、コミュニケーションには必要です。
しかし、本当に話したくない・誘われたくないのかは、本人に尋ねてから判断しましょう。
育児制度を利用する男性社員に対する嫌がらせ
コミュニケーションハラスメントの具体的な事例として、育児制度を利用する男性社員に対しての嫌がらせが挙げられます。
女性だけではなく男性が育児制度を利用するのも、社会に認められている行為です。
しかし、男性が育児制度を利用するのはおかしいと決めつけ、攻撃的な言動や不当な評価を受けるケースがあります。
このような事例をなくすには、育児の大変さを伝え制度への理解を深めるなどして、誰もが気軽に利用できるように会社全体で取り組むのが大切です。
コミュニケーションハラスメントを防ぐための5つの対策方法
本章では、個人・企業がコミュニケーションハラスメントを防ぐための、以下の5つの対策方法を紹介します。
- 雑談や挨拶などの気軽な会話をする
- アサーティブコミュニケーションを意識する
- 人によって大きく価値観や性格が異なることを理解する
- 社内に相談窓口を設置する
- ハラスメント研修の実施や教育をする
「自分はしないから大丈夫」と思っても、無意識下でしてしまうのがハラスメントです。ぜひ事前に対策を行ってください。
雑談や挨拶などの気軽な会話をする
コミュニケーションハラスメントを防ぐ方法として、雑談や挨拶などの気軽な会話を行うことが挙げられます。
ハラスメントはコミュニケーション不足による誤解、無理解が原因で起こるためです。
普段の会話や挨拶をするだけでも、お互いの人間性がわかり、よい印象を持ちます。無意識下で発生してしまうハラスメントも防げるでしょう。
そのためにも社内全体で、コミュニケーションがしやすい環境作りに取り組むのが大切です。
しかし、誰しも職場内に、話しづらく感じる苦手な人はいるでしょう。
そのような人ともコミュニケーションをうまくとりたい方は、ぜひこちらの記事をお読みください。
苦手な人とのコミュニケーションで悩んでいる方必見! おすすめの3つの対処法と原因
アサーティブコミュニケーションを意識する
アサーティブコミュニケーションへの意識も、コミュニケーションハラスメントの対策になります。
アサーティブコミュニケーションとは、相手の立場や感情を尊重しつつも、意見や感情を素直に伝える方法です。
「他の人の前では注意しない」「相手の話を最後まで聞く」などを心がけるため、ハラスメントを予防できるでしょう。
また、自分の意見を理解してもらうためにも、アサーティブコミュニケーションは役立ちます。
「ハラスメントになるかも」と感じて、部下と話す際に困ってしまっている方は、ぜひ学んでみてください。
人によって大きく価値観や性格が異なることを理解する
コミュニケーションハラスメントを防ぐために、人によって価値観や性格が異なって当然と考えるのも有効です。
「男性だから」「女性だから」「普通は」など、差別的な発言がなくなるためです。
そのような発言を受けると、人は「自分は駄目なのか?」と考え、大きく傷ついてしまいます。
「◯◯な人がいるのも当然」と考えることで、誰と接しても差別的な発言は出なくなり、ハラスメントを防げるでしょう。
性別や立場、環境で相手を決めつけてしまっている人は、ぜひ実践してみてください。
社内に相談窓口を設置する
相談窓口の設置も、コミュニケーションハラスメントを防ぐ方法です。
社員のハラスメントに対する意識が向上する効果や、事態の悪化前に防げる効果があるためです。
ハラスメントの被害者には、「自分が悪いのかも」「恥ずかしくて言えない」と考え、誰にも打ち明けられずにいる人も珍しくありません。
しかし、窓口が社内にあれば、周囲に話すよりも気軽に相談できます。
コミュニケーションハラスメント対策に役立つため、設置するのがおすすめです。
相談者の立場を守る方法も考えておくと、相談がより気軽にできます。
ハラスメント研修の実施や教育をする
コミュニケーションハラスメントを防ぐ方法として、ハラスメント教育や研修の実施が挙げられます。
研修や教育で重大性を認識し、意味や種類・具体例を学べば、ハラスメントにあたる言動を減らせるためです。
ハラスメントに対する意識が低いままでは、無意識に差別的な発言や人間性の否定をしてしまいます。
職場全体のハラスメントを防ぐ意識を高めて、周囲が親身に相談・解決に動く環境を構築しましょう。
互いを思いやった言動が重要なため、コミュニケーションの重要性を学ぶことでも、同様の効果が得られます。
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コミュニケーションハラスメントを受けると、精神的なダメージから職場に恐怖を感じてしまいます。
日々の雑談や相談窓口の設置・研修の実施などで、ハラスメントに対策を講じ、継続していきましょう。
その際には、他者とのコミュニケーション方法を、見直してみるのがおすすめです。
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他者とのコミュニケーションの際に、気をつけなければならないポイントがわかり、指示・注意もハラスメントをせずに行えるでしょう。
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