先日、弊社の社長と休憩室で雑談していたときに、興味深い話を聞きました。それは「仕事がデキる人かどうか」という判断基準に関するものです。
私たち社会人の多くは、「仕事がデキる人」であることにプライドをもっています。デキるという言葉には「相手を感心させるような仕事をする人、突き抜けた能力をもつ優秀な人」というニュアンスが込められています。
優秀さが人間の価値を全て表すかどうかは分かりません。個人的には、優秀さと幸福度は必ずしも一致しないとも思っています。しかし、少なくとも現代ビジネス社会においては「仕事がデキる人」という評価は、社内で圧倒的なブランドをもちますし、個人の自己肯定感に少なからず影響を与えていることは否めません。
デキる人かどうかを判断する指標としては、結果、実績、言動、学歴、地位、経歴など、さまざまなものがありますが、もっとも真っ先に思い浮かぶのは「結果を出している人」ではないでしょうか。
しかし、経営者からみると、デキる人は必ずしも「結果が優れている人」だけを指すわけではないそうです。
「結果を出すめの態度が根本的に備わっていれば、外的要因に左右されずに自分の精神状況を自分でコントロールすることができるでしょ。だから、自分の言動もコントロールできる。社長が思う本当にデキる人は、結果をただ出すじゃなくて、結果を出し続けるための態度が備わった人」「で、結果はどのみち水物だから、それだけを見ることってあんまりないんだよね。というか、結果を出すための態度が備わっていれば放っておいても結果が出るから、態度が備わっているかどうかは着目するかな」
ということでした。
デキる人がもつ3つの態度についていろいろとお話しいただいたので、今回はまとめてご紹介します。
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目次
デキる人の態度①:言い訳を排除する
言い訳を排除するということは、物事が思うようにいかないとき、外的要因(例えば競合他社や相手の都合・世の中の景気)ではなく、内的要因、つまり自分の中に原因があると思うことです。
言い訳を排除することでコントロールができない外的要因ではなく、コントロールができる自分の中に物事の原因を置くことで、自分の成果を改善することにつながります。
以下、言い訳をする人と言い訳を排除する人の言動の違いを見てみましょう。
言い訳を言ってしまう人の言動
例えば、頑張っているが中々成果がついてこない営業マンの中には、提案が通らない、成約につながらないときに、
「商品が悪い」「上司がサポートをしてくれない」「顧客が悪い」
など、外的要因をうまくいかなかった原因にしてしまう傾向があります。
実際、提案は様々な状況の顧客を相手にして行います。提案するモノやサービスも自分で変更を加えることができないケースも多く、外的要因の影響を大きく受けることは事実です。そして、こういった言い訳をすることで「自分には非がないから、仕方なかった」と慰めることができます。これにより、自分の気持ちを軽くすることができるというメリットがあります。
一方でデメリットとしては、外的要因は自分で改善を図ることが難しいため、自分自身の改善活動に目が向かなくなってしまいます。そのため、コントロールができない外的要因に常に左右され、自分の望む結果を外的要因次第の『運』に任せてしまうことになります。
言い訳を排除する人の言動
しかし、高い成果を継続的に出す人は常に「この結果の原因は全て自分にある。自分のなにを改善すれば成果が出るのか」と考え、言い訳をしない傾向があります。唯一自らがコントロールできる『自分』に対して原因を置き、自分を変えることで成果につなげようと建設的に考えているのです。
例えば、再度営業マンの例を考えてみましょう。顧客に対して資料を準備するなど万全の状態で、提案の場面でもしっかり話を聞いて提案をしたが、成約につながらなかったということがあったとします。
このときに、顧客や商品が成約につながらなかった原因だと言い訳するのではなく、
「自分の提案の仕方が悪かったのではないか、もっと資料や伝える内容に工夫をすれば結果は変わったかもしれない」
と自分の準備や提案のやり方に厳しい目を向けるということです。
デメリットとして、自分に厳しくしていくため、ときには自分の至らなさに目を覆いたくなることもあるかもしれません。しかし、こういった一時的な痛みは成長をしていく上で避けては通れない道であり、必要なものでもあります。
成果の原因を自分におくことによる痛みは成長を促し、同じ過ち犯すことを軽減してくれます。例えるのであれば、外的衝撃により骨折をするとしばらく痛みは続きますが、折れた部位が元に戻るときにはより強固になって修復されます。
つまり、一時的な痛みは人の成長を促し、同じ課題で失敗することが少なくなっていきます。このように高い成果を継続的に出している方の特徴として、まず挙げられるのが言い訳を排除することなのです。
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デキる人の態度②:目標達成にこだわる
目標達成にこだわるということは、一度決めた自分の目標を外的要因に左右されずにもち続けるということです。このこだわりをもつことで、成果を出し続けるための具体的な努力や行動につながります。
例えば、「年間の売上を5000万達成しよう」とこだわっている人と、すぐに妥協してしまう人を比較したときにどういう差があるでしょうか。
前者であれば、1ヵ月間の成果が仮に良くなかったとしても、「これから挽回するにはどうすればよいか?」と考え、一層の努力をします。しかし後者の場合は、1ヵ月間の成果が良くなかった場合に、「もう無理かもしれない。できる範囲で頑張ろう」と無意識のうちに手を緩めてしまう可能性があります。
また、目標達成にこだわる姿勢があると、1ヵ月の成果が良かったとしても気を抜くことなく取り組めます。しかし、目標達成にこだわる姿勢がないと、1ヵ月の成果が良かった場合、その後気を抜いてしまう可能性があります。このように、目標達成に対する意識の差は高い成果を継続的に出す場合に大きく影響しているのです。
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デキる人の態度③:健全な自己否定
健全な自己否定とは、今までの自分のやり方を一度否定し、新しいやり方にチャレンジ、変化し続けるということです。
健全な自己否定をすることのメリットとして、1つのやり方や過去の成功体験に囚われることなく、時代や顧客、自分の変化に合わせて、変化・成長することにつながります。
目標とする成果を出そうと考えたときに、今までのやり方を踏襲し、精度を上げることで目標達成につながるのであれば、アプローチとしては正解といえるかもしれません。しかし、今まで達成したことがない高い目標を達成しようと考えると、今までのやり方に固執し過ぎてしまうことで、頭が固くなってしまったり、マンネリ化してしまったり、実は精度を高めるだけでは目標とする成果を達成することができないという可能性もあります。
その場合は健全な自己否定をすることで、今までの経験が消えることはなく、新しいチャレンジをすることで今までにはない変化・成長をすることにつながります。
例えば、高い成果を継続して出していった選手として有名なのが、日米通算4367本の通算安打を打ち、ギネス記録にも認定され、2019年に現役を引退したイチロー選手です。日本でも3年連続MVPや、通算最多の首位打者などを記録し、2000年に海を渡りアメリカのメジャーリーグに挑戦しました。2004年にはメジャーリーグでシーズン最多安打記録を84年ぶりに更新し、262本の安打を打つという快挙を成し遂げました。
普通であれば良い成果といえるメジャー記録を樹立したフォームに固執してしまうのが一般的ですが、その翌年の2005年はシーズン最多安打を記録したフォームを止め、全く新しいフォームにチャレンジをしたそうです。
理由は年齢による身体のコンディションや相手の投手の攻め方などの変化に合わせて、今までのやり方を否定し、新しく作り直す必要性を感じたからだといわれています。そしてより高い成果を残そうとして、前年とは異なるフォームをつくっていきました。
つまり、1つのやり方や過去の成功体験に囚われることなく、変化する時代や環境に合わせて、より良い結果を出すために試行錯誤するというメンタリティが高い成果を継続的に出す人の共通点になります。
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まとめ:成果を出し続ける態度こそ、ビジネスマンの戦闘力
いかがでしたでしょうか。どんな仕事をするにせよ、デキる人には共通した態度があります。
今回、弊社の社長から伺った話を交えて、デキる人かどうかを見分ける3つの態度をご紹介しました。
・言い訳を排除する・目標達成にこだわる・健全な自己否定
この態度、言い換えれば「成果を出し続ける人の態度」を備えているか否かが、デキる人とそうではない人を分ける大きなポイントになります。
逆にいうと、どれだけ輝かしい学歴をもっていても、どれだけ専門知識をもっていても、言い訳ばかりしていたり、目標達成に対する粘りがなかったり、健全な自己否定ができなければ、デキる人として成果を出し続けることは難しいでしょう。
だからこそ、社会人の戦闘力であるこの3つの態度を、私たちコミュトレでは最も重視して養っております。是非、この記事をきっかけにご自身の戦闘力を磨いていただければと思います。
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