コミュニケーション関連の検定を受けようか悩んでいる人も多いでしょう。資格や検定は体系的に知識を学べて効率よくスキルアップできるため、コミュニケーションスキルを高めたい人におすすめです。
本記事ではおすすめのコミュニケーション検定を4つご紹介しながら、検定を受けるメリットや効果的な学習方法を解説していきます。
現状のコミュニケーションスキルを詳細分析できる「ENDCOREs」の解説もしていきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
コミュニケーション検定は受けるべき?
コミュニケーション検定では、スムーズに意思疎通をとる方法や、自分の意見や主張を的確に伝えるスキルなど、仕事やプライベートで効果を生むコミュニケーションスキルを効率よく身につけられます。
日々、自分以外の人と会話するなかで、以下のように感じる人も多いのではないでしょうか。
- 自分の意見を理解してくれない
- 自分の思いとは違う解釈をされる
また、以下のように自身のコミュニケーションスキルに疑問を感じて、苦悶している方も多いでしょう。
- 会話が続かない
- 「話が長い、分かりづらい」と言われる
このような悩みを解消するには、場数を踏んでコミュニケーションスキルを鍛える必要があります。
しかし、コミュニケーションの練習のつもりで会話をする機会に恵まれないと、なかなかスキルアップできません。
その点、コミュニケーション検定は、体系的にコミュニケーションスキルを鍛える機会になります。
仕事で今以上に活躍したい、プライベートでスムーズな会話のキャッチボールができるようになりたい方は、コミュニケーション検定を受けてみるとよいでしょう。
おすすめのコミュニケーション検定4選!
ここからは、おすすめのコミュニケーション検定を4つご紹介します。
- コミュニケーション検定
- ビジネスコミュニケーション検定試験
- 伝え方コミュニケーション検定
- コミュニケーションスキルスペシャリスト
検定ごとに特徴があり、学べる内容も異なります。自分に向いている検定がどれか、順番にチェックしていきましょう。
コミュニケーション検定
出典:コミュニケーション検定
コミュニケーション検定は、株式会社サーティファイが主催する、ビジネスシーンで活用できるコミュニケーションスキルを証明する資格試験です。
「相手の話を正しく理解して、自分の意思を的確に伝達する能力」を認定するため、コミュニケーションの基本的な考え方とその理解度、実践の場で状況に応じた対応力を測定してくれます。
試験は初級と上級に分かれており、受験資格に制限はありません。
コミュニケーションスキルを活かしてキャリアアップや仕事の目標達成を実現したい方におすすめの検定です。
ビジネスコミュニケーション検定試験
ビジネスコミュニケーション検定試験は、「公益財団法人全国商業高等学校協会」が主催する、ビジネスマナーや社会人に必要なコミュニケーション上の礼儀を身につけられる検定試験です。
具体的には、身だしなみ・挨拶・言葉遣いなどの基本的なビジネスマナーから、冠婚葬祭時のマナーなど、社会人に求められる礼儀作法を体系的に学べます。
全国商業高等学校協会が主催していますが、受験資格はなく誰でも受けられます。フリーターや正社員の経験がなく、ビジネスマナーやコミュニケーションに不安が残る人におすすめの検定です。
伝え方コミュニケーション検定
伝え方コミュニケーション検定は、一般社団法人 日本ライフコミュニケーション協会が認定する、性格統計学をもとにした円滑な人間関係の構築に役立つコミュニケーションスキルが習得できる検定です。
人間関係の構築に役立つ褒め方、伝え方、関わり方とはどのようなものか、体系的に学習できるため、再現性の高いコミュニケーションスキルが習得できます。
子どもを持つ親御さんだけでなく、部下を抱えるチームリーダーやマネジメント層にもおすすめの講座です。
検定は初級と中級に分かれていますが、中級に申し込むと、初級の受講も可能です。
コミュニケーションスキルスペシャリスト
コミュニケーションスキルスペシャリストは、一般社団法人日本能力教育促進協会が主催している、専門的なコミュニケーションスキルを学習できる資格試験です。
会話テクニックやヒアリングスキルなどの表面的な技術ではなく、相手と自分の理解をベースに会話の質を高め、「ズレ」や「違和感」を徹底的に排除したコミュニケーションスキルを身につけられます。
受講期間中のサポートも充実しているため、資格取得が初めての方でも安心して試験に臨めるでしょう。
コミュニケーション検定を受ける3つの大きなメリット
コミュニケーション検定を受けるメリットには以下の3つがあげられます。
- コミュニケーション能力の客観的な証明
- 確かな自信とFBが受けられる
- キャリアアップに期待できる
コミュニケーション検定を受けるか迷っている方は、上記のメリットも押さえたうえでじっくり検討してみましょう。
コミュニケーション能力の客観的な証明
コミュニケーション検定の大きなメリットは、コミュニケーション能力の客観的かつ公式な証明です。
公式な資格としてコミュニケーション検定を履歴書や職務経歴書に記載できれば、採用面接時や社内評価の場で客観的にアピールする強力な材料となります。
「コミュニケーション能力が高い」と自己申告するだけでは伝わりにくい部分も、資格で示せば具体的なスキルと認識してもらえます。
特に、営業職やサービス業、接客業、人事、教育などの対人折衝が多い職種への転職やキャリアアップを目指す方にとって、自身の適性を裏付ける強い武器となるでしょう。
確かな自信とFBが受けられる
コミュニケーション検定を受講すると、自身のコミュニケーション能力を客観的に評価してもらい、また、合格すると確かな自信を得られる点もメリットです。
コミュニケーション検定を通じて自身の強みや弱みをより具体的に把握できれば、さらなるコミュニケーションスキルの向上につなげられます。
なんとなく苦手と感じていた部分が、原因も含めて明確になるため、その後の改善まで役立てられるでしょう。
キャリアアップに期待できる
コミュニケーション検定を受講すると、キャリアアップも期待できます。
例えば、管理職やチームリーダーなど、部下とのコミュニケーションや外部との商談が頻繁に発生するポジションでは、コミュニケーションスキルが重宝されます。
そのため、多くの企業が、従業員のコミュニケーション能力を重要視しており、採用基準や昇進の要件として掲げているケースも少なくありません。
しかし、コミュニケーションスキルは具体化が難しいため、キャリアアップの材料と判断するのが難しいです。
コミュニケーション検定に合格すれば、客観的かつ公式にスキルの習得を証明できるため、キャリアアップにつながる材料となるでしょう。
検定合格や資格取得におすすめな学習方法4選
続いては、検定合格や資格取得におすすめの学習方法を4選ご紹介していきます。
- ビジネススキルスクールに通う
- 過去問を解く
- 参考書や対応書籍での学習と実践トレーニング(インプットとアウトプット)
- コミュニケーションがうまい人を真似る
過去に資格に向けた勉強をした経験がなく、学習方法がわからない人もいるでしょう。上記の学習方法を参考に、自分に適した勉強の仕方を見つけてみてください。
ビジネススキルスクールに通う
コミュニケーション検定の合格を目指すなら、ビジネススキルスクールに通う方法も選択肢の1つです。
スクールでは、コミュニケーションの専門家から直接指導を受けられ、検定範囲の知識を体系的に学べます。
例えば独学だと参考書を最初から順番に学ぶしかありませんが、スクールであれば知識を身につけやすい効率的な順番を教えてくれます。
また、座学だけでなく、ロールプレイングやグループディスカッションなど、実践的なトレーニングも経験でき、学んだ知識をすぐにアウトプットする機会も得られます。
さらに、同じ目標を持つ受講生との交流がモチベーションにもつながり、合格に向けて計画的に学習し続けられるでしょう。
独学では得られない、専門的な指導と実践の場が、合格への近道となってくれるでしょう。
過去問を解く
検定合格を目指すなら、過去問を繰り返し解くことも大事です。
過去問を解くと、試験の出題形式や問題の傾向が把握でき、また、試験中の時間配分も戦略立てられます。
本番に近い環境を意識して過去問に取り組めば、実際の試験で戸惑わずに落ち着いて臨めます。
また、間違えた問題は、なぜ間違えたのかを徹底的に分析し、関連する知識を参考書で確認し直すことで、弱点をピンポイントで補強できます。
過去問は通信講座や書籍などで提供されているため、複数年の問題を何度も繰り返し解き、知識が定着しているかを確認しながら学習を進めましょう。
参考書や対応書籍での学習と実践トレーニング(インプットとアウトプット)
コミュニケーション検定の合格には、インプットとアウトプットもおすすめです。
参考書や書籍で学んだ知識を実際のコミュニケーションの場で実践し、頭だけでなく身体で体感すると身につきやすくなります。
例えば、書籍で学んだ「傾聴のコツ」を意識して同僚との会話に臨んだり、「分かりやすい説明の仕方」を意識して日々の会話をしたりなど、具体的な行動に落とし込みます。
日常のなかで使いやすい知識だからこそ、本で学んだことはすぐに実践して、自分のなかに定着させていきましょう。
コミュニケーションがうまい人を真似る
コミュニケーションがうまい人を観察し、その話し方や振る舞いを積極的に真似するのもおすすめの学習方法です。
コミュニケーションに優れている人は、書籍で解説されているコミュニケーションスキルをすでに実践している場合があります。
例えば、コミュニケーションスキルの高い人は、書籍で紹介されている、分かりやすい話の構成やロジカルな構文をすでに実践している場合が多いです。
そのため、コミュニケーションが上手な人をじっくり観察して、参考になると感じた部分は積極的に真似して、身につけていきましょう。
書籍で学習した内容と、真似したスキルが結びつくと、さらに学習も捗ります。
まずはENDCOREsを使って、自分のコミュニケーションスキルを理解する
ここまで、コミュニケーション検定試験の解説をしましたが、コミュニケーションスキルをアップさせるには、現状の自身の能力値の把握も大事です。
ここでは、自分のコミュニケーションスキルの理解に役立つ、「ENDCOREs」を以下の見出しに沿ってご紹介していきます。
- ENDCOREsとは?
- 自己統制
- 表現力
- 解読力
- 自己主張
- 他者受容
- 関係調整
順番に詳しくみていきましょう。
ENDCOREsとは?
出典:コミュニケーション・スキルに関する諸因子の階層構造への統合の試み
ENDCOREs(エンドコアズ)とは、藤本学教授(現在は立命館大学教授)が中心の「対人コミュニケーション」に関する研究から生まれた、コミュニケーション・スキルを測定するための尺度です。
- 表出系(ENcode)
- 反応系(Decode)
- 管理系の基礎となる自己統制(COntrol)
- 管理系の上位に位置する関係調整(REgulate)
これらの頭文字をとって、ENDCOREと呼ばれています。
具体的には、コミュニケーション・スキルを「基本スキル」と「対人スキル」の2階層に分け、さらに「表出系」「反応系」「管理系」の3系統に整理した6つのスキルに分類しています。
これら6つのスキルはさらに4つのサブスキルで構成されており、合計で24のスキルによってコミュニケーション能力を測定できるのがENDCOREsの特徴です。
また、環境や文化の違いも加味した尺度となっているため、どのような場合でもコミュニケーションスキルを体系的に測定できるのがENDCOREsの強みでもあります。
自己統制
【サブスキル】
- 欲求抑制:自分の衝動や欲求を抑える
- 感情統制:自分の感情をうまくコントロールする
- 道徳観念:善悪の判断に基づいて正しい行動を選択する
- 期待応諾:まわりの期待に応じた振る舞いをする
自己統制は、自分の感情や行動をうまくコントロールする能力です。
コミュニケーションでは、自身の感情や衝動をコントロールし、状況に応じて適切な振る舞いをする能力が求められます。
例えば、自分の主張に対して反論された際に感情的になってしまうと、適切なコミュニケーションがはかれません。
対話中に、怒りや不安などのネガティブな感情が湧き上がっても、表に出さず冷静に対応したり、不用意な発言を控えたりする力です。
自己統制が高い人は、そのような状況でも感情に流されることなく、論理的かつ建設的に対応できるため、スムーズな人間関係の構築や維持が可能になります。
表現力
【サブスキル】
- 言語表現:自分の考えを言葉でうまく表現する
- 身体表現:自分の気持ちをしぐさでうまく表現する
- 表情表現:自分の気持ちを表情でうまく表現する
- 情緒伝達:自分の感情や心理状態を正しく察してもらう
表現力は、自分の考えや感情、意図などを言葉や非言語的手段を用いて相手に伝える能力です。
意見が伝わらないのは、話が下手なだけでなく、声のトーンや表情、ジェスチャー、言葉選びなどさまざまな要素が関係しています。
例えば、プレゼンテーションで、身振り手振りを交えたり、声の抑揚をつけたりしながら話すと、聞き手の注意を引きつけられ、情報を伝えやすくなります。
これら非言語的な部分も含めたスキルもENDCOREsでは測定可能です。
解読力
【サブスキル】
- 言語理解:相手の考えを発言から正しく読み取る
- 身体理解:相手の気持ちをしぐさから正しく読み取る
- 表情理解:相手の気持ちを表情から正しく読み取る
- 情緒感受:相手の感情や心理状態を敏感に感じ取る
解読力は、相手の言葉や表情、声のトーン、仕草などの非言語的な情報から、相手の真意や感情、状況を正確に理解する能力です。
表現力で解説したように、コミュニケーションスキルは言葉選びだけでなく、表情や仕草なども含まれます。
そのため、聞き手に回った際には、相手の非言語的なコミュニケーションスキルを正しく理解する必要があります。
例えば、相手が「大丈夫です」と口では言いながらも、表情が硬かったり、視線が泳いでいたりする場合、解読力がある人は「本当に大丈夫なのだろうか」と察して、状況に合わせた対応ができます。
このような能力もスムーズなコミュニケーションに欠かせないスキルであり、ENDCOREsによって測定ができます。
自己主張
【サブスキル】
- 支配性:会話の主導権を握って話を進める
- 独立性:まわりとは関係なく自分の意見や立場を明らかにする
- 柔軟性:納得させるために相手に柔軟に対応して話を進める
- 論理性:自分の主張を論理的に筋道を立てて説明する
自己主張は、自分の意見や感情、要求などを、率直かつ適切に表現する能力を指します。
単に自分の意見を押し通す「自己中心的」な態度とは異なり、相手の立場を尊重しつつ、自身の権利を主張し、建設的な対話を通じて相互理解を深めるスキルです。
例えば、会議で自分のアイデアを提案する際、自己主張力の高い人は根拠を明確に示して自信を持って意見を述べる一方で、反対意見にも耳を傾けたり、議論を深めたりする姿勢が見受けられます。
会話のなかの適切なタイミングで自己主張できれば自分の意思をスムーズに伝えられるため、齟齬や認識のズレなどがなくコミュニケーションできるでしょう。
他者受容
【サブスキル】
- 共感性:相手の意見や立場に共感する
- 友好性:友好的な態度で相手に接する
- 譲歩:相手の意見をできるかぎり受け入れる
- 他者尊重:相手の意見や立場を尊重する
他者受容は、相手の意見や意思を尊重し、たとえ自分とは正反対の立場であっても、批判せずに受け入れる能力を指します。
他者需要は、相手の立場や背景を理解しようとする共感力にもつながり、良好な人間関係の構築には欠かせないスキルです。
自分の意見が正しいと感じていても、時には一歩引いて相手に譲歩した方が、よい結果となる場合も珍しくありません。
さまざまな価値観を持つ人との協力が求められる社会で、他者受容の高さは、衝突を避けてスムーズな団体行動をとるうえで、重要なスキルです。
関係調整
【サブスキル】
- 関係重視:人間関係を第一に考えて行動する
- 関係維持:人間関係を良好な状態に維持するように心がける
- 意見対立対処:意見の対立による不和に適切に対処する
- 感情対立対処:感情的な対立による不和に適切に対処する
関係調整は、対人関係トラブルの予防や回避、解決によって、良好な人間関係を維持・構築する能力を意味します。
具体的には、単にトラブルを避け続ける行動ではなく、不和が生じた際に、感情的にならず冷静に話し合いの場を設けたり、第三者の意見を取り入れたりして、問題を解決するスキル全般です。
また、関係調整には、相手との間に距離を感じた際に積極的に歩み寄ったり、共通の話題を見つけて関係を深めたりして、人間関係上のトラブルのもとを事前に潰す能力も含まれます。
関係調整能力が高い人は、異なる立場の人と協調的な関係を築けるため、チームや組織全体のパフォーマンス向上に貢献できます。
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本記事ではおすすめのコミュニケーション検定や検定試験を受けるメリット、効率的な学習方法をご紹介しました。
コミュニケーション検定は体系的な知識の習得や資格取得によるキャリアアップなどメリットが多く、また、学習を通じた自己分析もできます。
さまざまな効果を得られるため、コミュニケーションスキルに悩んでいる人は検定試験の受講も検討してみるとよいでしょう。
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