営業パーソンから、よくこんな声をいただきます。
「自分の営業力を鍛えるために、何から手をつけていいのかわからない…」
「あ~、営業って難しいなあ…」
営業パーソンの方にとっては営業結果が一番重要です。なので、営業がうまくいかないと、あまり積極的になれず、なんとなく自信をなくしてしまいがちですよね。
営業力は、なんだか「一部の人だけに許された特別な能力」に感じますが、実はそうではありません。
この記事でお伝えする「営業力」の定義を踏まえて3つのコツを繰り返し意識するだけで、あなたの営業力を今すぐに強化することができます。
ぜひ、明日お会いするお客さまとのコミュニケーションにお役立てください。
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目次
営業力とは「お客様の理想を実現する力」
営業力を強化する秘訣を話す前に、「そもそも営業力って何?」を考えてみましょう。
一般的に、「営業力=魅力的に話す力」だと思われがちです。
あるいは「立て板に水のごとくトークを話す」「熱弁をふるう」ような姿を想像する人もいるでしょう。
では、魅力的に話すことが、イコール営業力なのでしょうか。
断言しましょう。その答え、実は「NO」です。
そもそも、お客様がモノを購入する動機は、「何かを実現したい」ですよね。
・家を買うのは、たとえば「家族みんなが快適に暮らせる空間がほしい」かもしれません。
・保険商品を買うのは、たとえば「将来何かあったときの保障がほしい」かもしれません。
つまり、商品やサービスとはお客様にとって「何らかの理想を実現する手段」でしかないのです。
だからこそ、営業力とは
「自社商品やサービスを使って、お客様が叶えたい理想を実現する力」といえますよね。
魅力的に話すことはあくまで手段であり、営業力そのものではありません。
一番重要なことは「コミュニケーションを通じて、お客様にメリットを伝えること」です。
とはいえ「でも、それが難しいんだよな…」と思った方もいることでしょう。
安心してください。そこには3つのコツがあります。
このコツを今の営業に取り入れることで、あなたの営業力は劇的に強化できるのです。
次から具体的にみていきましょう!
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営業力を今すぐ向上させる3つのコツ
「お客様が大事にしていること」をもとに話す
お客様にメリットをイメージしてもらうコツは「お客様が大事にしていること」をもとにして、トークを組み立てることです。
具体的には、以下の2つのキーワードを使うと良いでしょう。
- キーワード1:「○○さんは××を大切にしていますよね」
- キーワード2:「だからこそ…」
使い方はいたって簡単。
①「○○さんは××を大切にしていますよね」→②「だからこそこの商品を使うと、△△ができます」という流れでコミュニケーションをとるようにします。
こうすると、お客様とのコミュニケーションがどう変わるのでしょうか。
以下、NG例とOK例を比較してみましょう。
お客様が大事にしていることに触れないNG例
以下、4人家族(子供2人、うち1人は中学生)に対するマンション営業の例です。
「この物件の特長としては、駅から徒歩5分というところです。なので、楽に出勤や通学ができます」
この表現だと、「楽に通勤できる」はなんとなくわかっても、正直あまりイメージがつかないですよね。
なぜかというと、「その家族が大事にしていること」と「徒歩5分という特長」がつながっていないからです。
では、次のOK例はいかがでしょうか。
お客様が大事にしていることをもとにしたOK例
「この物件の特徴としては、駅から徒歩5分というところです。お母様やお父様としては、お子様の安全も気にされるかと思います。
たとえば、中学生のお子さんの帰り道も、夜遅くなると不安になりますよね。だからこそ、駅から徒歩5分の距離の当物件であれば、すぐ家に着くので安心できると思います」
OK例では「○○さんは××を大切にしていますよね」→「だからこそこの商品を使うと、△△ができます」という流れで2つのキーワードを使っています。
その結果、この家族が大事にしたい「子供を危険から守りたい」という気持ちと「徒歩5分という特長」がつながります。だからこそ、マンションに興味をもっていただけるのです。
「お客様の理想」と言われても、なかなかピンと来ないこともあるかもしれません。
そういうときは、コツとして今回のOK例のように、
- キーワード1:「○○さんは××を大切にしていますよね」
- キーワード2:「だからこそ…」を使いましょう。
そして、「この商品の特長は、お客様が大事にしていることとつながる」という言い方で営業してみましょう。
このように、お客様が大事にしたいことをもとに話すと、お客様にとってその商品やサービスが有益だと思えるため、コミュニケーションがスムーズに続くようになります。
仮定形でクロージングをかけてお客様を契約まで導く
お客様が大事にしていることをもとに話すと、必ずお客様の購入意欲が上がります。
とはいえ、まだその商品やサービスのメリットを実際に手にしていません。なので、どれほど魅力的に思えても、いざ決断するときは「ほんとうに購入していいのかな」と一抹の迷いが生じることが多々あります。
なので、お客様が自ら「買いたいです」と言ってくれることは稀です。
しかし、契約をしなければ、お客様が望むメリットを享受することができません。そのため、営業パーソンであるあなたが、お客様を決断まで導いていく必要があります。
具体的には「こちらのご契約内容で問題ないでしょうか?」「いかがでしょうか」と、決をとります。それが「クロージングをかける」という行為です。
メリットを伝えたらクロージングを必ずかける。これを忘れないようにしましょう。
とはいえ、いざクロージングをかけようとすると「強引だと思われないか不安」という方も多いのが実情です。クロージングをかけると押し売りに感じてしまうわけですね。
ここで、断言します。
「クロージングをかけること」自体が問題なのではありません。
「下手なクロージングをかけると、お客様の感情を害する」という言い方が正確です。
クロージングをかけるうえで重要なのは「お客様自身に購入するか否か選んでいただくこと」です。
人は「自分で決めたい」という心理があります。
そのため、どれほどお客様が商品に関心を示していようと、いざクロージングをかけるときは「仮定形」の表現を使い、顧客に選択権があるということを示しましょう。
選択権を示したうえで、お客様が自ら決めたという状況にしていくことが重要です。
以下、NG例とOK例を比較していきましょう。
お客様に一方的なクロージングをかけるNG例
お客様に対して、分譲マンションのクロージングをかけるシーンです。
・営業パーソン:「この物件だと、先ほどお伝えしたように、広いリビングで家族団らんを楽しむことができますし、駅近のためお子様の通学時も安心です。いかがでしょうか」・お客様:「(えっと…たしかに良いのは分かったんだけど、本当に契約していいのかな?一旦落ち着いて考えたいな)」・お客様:「うーんと、ちょっと考えさせてもらえますか」
このNG例では、お客様に選択権を与えずに「いかがでしょうか」とクロージングをかけています。
その結果、お客様は即座に「自分でちゃんと考えて決めたい」という心理がはたらき、「保留ボタン」を押すことにつながってしまうのです。
では、次にOK例をみていきましょう。
仮定形を使って選択権を示すクロージングのOK例
・営業パーソン:「この物件だと、先ほどお伝えしたように、広いリビングで家族団らんを楽しむことができますし、駅近のためお子様の通学時も安心です。「とはいえ、もし今のお住まいでも十分に達成できるのであれば、無理に購入する必要はないと思います」【仮定形①】「ただ、もしお客様が今のお住まいよりももっと広い間取りで家族団らんを楽しみたい、あるいはお子様が安心して通学できる環境を整えたいということであれば、こちらの物件だと間違いなく実現できると思います」【仮定形②】「そう考えると、いかがでしょうか」【クロージング】・お客様:「(なるほど…確かに今の家よりも、この家の方がよさそうだな)分かりました。こちらの物件でお願いできますか」
このOK例では、「もし××であれば、無理に購入する必要ない」「一方で、もし〇〇であれば、購入した方があなたにとって得である」という仮定形を使っています。
そのため、お客様が「購入する」「購入しない」を自分で比較検討することができるので、購入理由に納得することができます。だからこそ、「お願いします」と言ってくれるのです。
このように、いざクロージングをかけるときは「仮定形」の表現を使い、顧客に選択権があるということを示しましょう。
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購入に踏み切れない気持ちに寄り沿い、安心感を与える
選択権を与えてクロージングをかけても、「今は決められない」という反応をもらう場合があります。
この場合、提案されているサービスや商材、あるいは今購入するという行為そのものに対して何かしらの不安があるといえます。
クロージングまで順調に進んだ場合ほど、大きく動揺してしまう営業パーソンも少なくありません。営業パーソン側としては「早く決めてほしい」と焦って、つい切り返しトークを話したくなりますよね。
しかし、人は自分の話を聴いてくれる人に心を開く動物。決めてほしいと思うほど、無理に切り返すのではなく、お客様の不安に寄り添って理解を示すことで、ご契約いただける確率が大きく高まります。
なので、お客様が購入に不安を示したら、落ち着いてその気持ちに理解を示して、安心感を与えましょう。
そのコツの1つは、「様々なバリエーションのあいづちをうつ」ことです。
多くの営業パーソンは、「どう切り返そうかな」と考えてしまうあまり、あいづちが「はい」一辺倒になりがちです。
また、人によってはあいづちが「はいはい」と極端に早くなり、顧客を急かしているような雰囲気になってしまう場合もあります。
しかし、「バリエーションのあるあいづち」は「あなたの話を聴いていますよ」というメッセージを示す重要なリアクションの1つです。
そのため、お客様からみてあいづちが淡泊に感じると、「この人は自分を切り返そうとしている」と警戒してしまいます。
そのため、あいづちは「はい」一辺倒にならず、バリエーションをもたせましょう。
以下、NG例とOK例を比較しながら具体的にみていきましょう。
うなずきとあいづちが淡泊なNG例
営業パーソン:「それでは、こちらの内容で問題はなさそうですかね?」
お客様:「んーちょっと、考えたいですね」営業パーソン:「そうなんですね。ちなみに、なぜそう思われるんですか」
お客様:「正直、ここよりも安いところもあるんじゃないかと思いまして」営業パーソン:「はい」
お客様:「小さい額ではないので、冷静に費用対効果も考えたいですし」営業パーソン:「はい」
お客様:「だから、今決めるのはちょっと早いかなと思うんです」営業パーソン:「はい」
お客様:「(ほんとに聴いているのかな…)なので、一旦持ち帰っても良いですか」
このNG例では、お客様の回答に対して終始「はい一辺倒」で答えてしまっています。そうすると、お客様は「ちゃんと聴いているのかな?」と一抹の不安を感じてしまいます。
あるいは「この人、雰囲気が硬いな…」「焦ってるのかな」と感じて、気持ちが盛り下がってしまいかねません。
では、どう改善すればいいのでしょうか。次にOK例をみていきましょう。
うなずきとあいづちに感情を込めたOK例
お客様:「んーちょっと、考えたいですね」
営業パーソン:「そうなんですね。ちなみに、なぜそう思われるんですか」
お客様:「正直、ここよりも安いところもあるんじゃないかと思いまして」営業パーソン:「そうなんですね」
お客様:「小さい額ではないので、冷静に費用対効果も考えたいですし」営業パーソン:「あ~、確かに」
お客様:「だから、今決めるのはちょっと早いかなと思うんです」営業パーソン:「そうでしたか」
お客様:「(ちゃんと聞いてくれているぞ)なので、一旦持ち帰っても良いですか」
このOK例では、「はい」だけでなく「そうなんですね」「あ~、確かに」「そうでしたか」と様々なバリエーションのあいづちを打っています。そうすると、お客様は「ちゃんと聞いてくれている」「この人は余裕がある」と安心します。
なので、そのあとに営業マンから切り返しトークを聴いても、押し売りされているように感じる可能性は減ります。
お客様が購入に踏み切れずに渋っているときは、多くの営業パーソンはつい焦って切り返しトークを話しがちです。それでもうまくいかないと「もっと説得力のある切り返しトークを話さなければ」と思ってしまいます。
しかし、NGになってしまう原因は、意外にも「ちゃんと話を聴いてくれていない」と感じさせていることが多々あります。
そのため、まずは様々なバリエーションのあいづちを使いながら聴いてお客様の不安に寄り添いましょう。そして、「この人は聴いてくれている」と安心感を与えましょう。
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「営業でまた失敗したらどうしよう」と不安になったときの考え方
「正しいノウハウを実行しつづければ変わる」と信じる
今回は、営業力を強化するコツとして「お客様が大事にしていることをもとにした営業をしよう」とお話ししました。
とはいえ、営業での失敗経験が重なると、多くの人は自信を失ってしまいがちですよね。
ただ一方で、営業のコツを身につければ、あっという間に成果を出すこともできます。それが営業の世界では、ふつうに起こり得るのです。
だからこそ、今の段階で営業の成果が出ていなくても、諦めずに立ち向かっていきましょう。
どんな営業であれ、正しいノウハウを実行しつづければ、経験を重ねるごとに着実に営業力を強化することができます。それを証明する事例をご紹介しましょう。
営業力をアップさせた事例
これは、正しいノウハウの実行により営業力をアップさせた、とある男性営業マンの話です。
彼は30代で金融会社に転職し、初めて電話営業を経験しました。研修を終えて現場に出たものの、いざお客様に電話をかけると「そういうのはいいから」とあしらわれ、たったの2~3分で切られてしまうことばかり…
「なにをしたらいいのかもわからない…先輩にも聞きづらい…もう一人ではどうにもならない…でも、なんとかしなくちゃ!」と思ったところで、彼は体系的に営業力を強化することを決意しました。 彼がそこで知ったのは「営業にはやり方がある」ということと、「やり方さえ知ってしまえば、誰でもできるようになる」ということです。 彼は、リアクションの取り方や、営業トークの組み立て方、お客様の気持ちを理解するための質問の仕方など、営業力に必要なノウハウを、ひとつひとつ貪欲にインプットしていきました。 お客さんに電話を掛けるときには、ノウハウの書かれた教科書を常に手元に置いていたそうです。 正しい営業のノウハウを知り、実践する…そのシンプルなサイクルを何度も繰り返していくうちに、お客様の反応が変わっていくのを実感しました。 はじめは2分ほどで切られてばかりだった電話も、平均25分~30分も話を聞いてもらえるようになり、お客様に「もっと話を聞かせてほしい」と言われるようになっていきました。 それに伴って、契約件数も徐々に増えていきました。そうすると、あんなに憂鬱だった仕事が楽しくなっていったそうです。 遂に彼は、新人社員の中でトップの営業成績を認められ、転職して一年目で「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を獲得するまでに営業力を向上させました。しかも驚くことに、今までの記録を約1.5倍上回る営業成績だったそうです。 「あんなに悩んでいたはずの、仕事が楽しいんですよ!」 これが、営業力を身につけた今の彼の、率直な気持ちです。 当初、営業が憂鬱だった彼も、今では「約70人の営業チームの中で3位以内を目指す」という目標や、「リーダーとして、自分が伝える側になりたい!」という新たな目標に向かって、歩みを進めています。 |
このように、正しいノウハウを実行しつづければ、経験年数に関係なく営業力を強化し、成績を飛躍的に向上させることが可能です。その結果「仕事が楽しい!」と心から思えるようになります。
正しいノウハウを実行すれば、必ず変わる。
その事実を信じて営業力を一歩一歩強化させましょう。そして、自信をもって楽しく仕事をしていきましょう!
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まとめ:「お客様の理想を実現する」営業力を強化しよう
ここまでの話の中で、営業力は「お客様の理想を実現する能力」であり、正しいノウハウを使えば、誰でも強化することができるものだとお伝えしてきました。
正しいノウハウの例として、今回は3つのコツをお話ししました。
1.お客様が大事にしていることをもとに営業する
具体的には「○○さんは××を大切にしていますよね」→「だからこそこの商品を使うと、△△ができます」という流れで2つのキーワードを使ってトークを展開しましょう。2.仮定形でクロージングをかけてお客様を契約まで導く
具体的には「もし××であれば、無理に購入する必要ない」「一方で、もし〇〇であれば、購入した方があなたにとって得である」という仮定形を使い、お客様に選択権を示しましょう。3.購入に踏み切れない気持ちに寄り沿い、安心感を与える
具体的には様々なバリエーションのあいづちを使いながら、お客様の不安を聴いていきましょう。
それでも過去の失敗経験を思いだして気持ちがくじけそうになっても、「正しいノウハウを実行しつづければ変わる」と信じて立ち向かっていきましょう。
ぜひ、今回お伝えしたことを活かして、お客様に寄り添った営業をしてみてくださいね!
意識した分、必ずお客様の反応が変わってくることに気づくはず!
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