「コミュニケーションが苦手な人の特徴」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。
インターネットで検索すると、大体以下のような文言が出てきます。
・友達が少なく、引きこもりがち
・自分から話しかけるのが下手
・プライドが高く、傷つくのが怖い
・空気を読めない発言をする
・協調性がない
…確かに、だいたいの人はそう考えると思います。だがしかし。なんというか、まるで「人としてダメなヤツ」というニュアンスを感じるのは私だけでしょうか(ちょっとストレートすぎる表現ですが…)。
SNS上で「コミュ障」という言葉を見かけますが、「コミュニケーションが苦手」という自己認識は、「料理が苦手」「エクセルが苦手」などとは比べ物にならないくらい、いってみれば自分自身のアイデンティティが脅かされるような破壊力があるのではないでしょうか。
今回は、「自分はコミュニケーションをとるのが苦手かもしれない」と感じて、足元がすくむような気持ちになった方向けに、その原因および「とにかくこの考えをもってほしい!」という基本的な考え方をお伝えしていきたいと思います。
私たちは苦しいときほど、大事にすべきことを見失いがちです。だからこそ、今回の記事を通して「正しいやり方を知れば、人はいかようにも自分を変えられる」という事を再確認していただけると嬉しいです。
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目次
「コミュニケーションが苦手」というストレスを生みだす原因
結論から言いましょう。「コミュニケーションが苦手である」というプレッシャーを生み出す大きな因子は認識の仕方にあります。
ちょっと検索すれば「人間関係で失敗したトラウマがある」「人に興味がもてない」など、それこそ山のように「うまくいかない原因」が見つかります。そして大体は「〇〇が出来ていない」といったような、行動の欠如を指摘するものです。しかし、それらは確かに正しい指摘ですが、表層的でしかありません。
本当の原因は、「正しいコミュニケーションの行動がとれていない」という事実そのものではなく、「コミュニケーションがとれていない自分は、人よりも劣っているんだ」という認識にあります。
何を隠そう、私は学生時代のころからずっと、「自分はコミュニケーションが苦手なのかも」と思っていました。別に、誰に言われたわけでもありません。しかし、私の周りには、初対面ですぐ友達になれる人や、思ったことを堂々と言える人、そして楽しそうに会話している人たちがいました。彼らを間近で見ていて、「彼らと同じように振舞わなくてはいけない」というプレッシャーを常に感じていました。そして、そう思えば思うほど、そうなれていない自分がなんとなく「ダメなヤツ」に思えてきて、どんどん自信がなくなっていくのを感じました。
一方で、人気アナウンサーや芸人と自分の話し方を比べたときは、彼らと差があることに対して特にネガティブな気持ちは感じませんでした。なぜならば「アナウンサーや芸人は、それを生業にしているのだから、自分より上手くて当然だ。むしろ比べたら失礼だ」と思っていたからです。
つまり、人と比べてコミュニケーションが下手というのは事実でしたが、その事実自体ではなく「自分も上手く出来て当然なのに出来ない、だからダメなヤツだ」という認識が、苦しい思いの根源にあったのです。
今の私は、コミュトレの学習サポートスタッフとして、年間延べ1000人以上の社会人とお会いしているのですが、その中でも「自分はコミュニケーションが苦手である」と自覚している方には共通点があります。
何かというと「コミュニケーションを円滑にとれない自分は、人よりも劣っている」と考えている点です。
「他の人は楽しく雑談していますが、私は内気で口下手な人間なので、無理なんです」
「私は頭の回転が遅いので、周りの人の理解速度についていけないんです」
「私は人に関心もてない人なので、あの人みたいに積極的に話しかけようと思えません」
などと、とにかく「コミュニケーションが上手な人vsそうでないダメな自分」という認識を前提として発言しています。これがストレスのモトになっています。
この点は、臨床心理学・アルバートエリス氏(認知行動療法の礎を築いた人)が提唱する「ABC理論」とも一致します。
ABC理論は、アルバート・エリス(Albert Ellis)が1955年に提唱した「論理療法」の中心概念です。出来事(A)、信念(B)、結果(C)からなる認知に焦点をあてた考え方で、ABCDE理論とも呼ばれます。
「人は見えている世界をどう受けとっているか、その受けとり方で見ている世界は違う」と考えます。まったく同じ場所で同じ経験をしても、人はそれぞれ異なった受け取り方や感じ方をしているため、ある人は喜び、ある人は悲しむといった違いが生まれます。
この物事の受け取り方である「B:信念」を論理的に書きかえることで不適応を治療しようとするのが、論理療法のABC理論です。
ABC理論に則っていえば、コミュニケーションが上手く行かないという事実に対する認識を変えることで、劣等感やストレスから脱却できると言えます。もちろん、コミュニケーションはとれるに越したことはありません。このブログでも、仕事をもっと楽しむために、コミュニケーション能力という観点からたくさんノウハウをお伝えしていきます。しかし、ノウハウを知ってうまく活用するためには、はじめに「コミュニケーションがうまく取れない自分はダメなヤツだ」という認識を変えたほうがいい、と押さえましょう。
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「いずれ自分は変わっていける」という希望を持つための考え方
先ほどは「コミュニケーションがとれていない自分はダメだ」と悲観的に考える例を出しましたが、逆に「確かに今はコミュニケーションがうまくとれていない時もあるけど、必ず良くなる」と考える方もいます。コミュトレで学習する方の大半は、トレーニングを継続するうちにそのような前向きな考えを持つようになっていくのですが、そんな彼らにも共通点があります。
それは「自分の可能性を否定していない」ことです。
「今はまだ出来ないけど、正しいやり方を知ればなんとかなるだろう」
「今はまだ難しいけど、練習すればうまく出来るようになるだろう」
ということですね。
注意すべきことは「自分には才能がある」「自分は出来る人間である」といったように、根拠もなく無理やり「自分の長所を信じ込もう」としないことです。
よく自己啓発本で「自信をもて」「ポジティブに考えろ」と見かけますが、自分の短所がどうにも気になる人からすれば、真逆の正論を取り入れようとすればするほど、そうなれていない自分に一層嫌気がさすのではないでしょうか。
そうではなく、
・全ての物事には正しいやり方がある
・コミュニケーションも、正しいやり方を知って実行すれば変えられる
・今上手くできないのは単にやり方を知らないだけで、自分が劣っているわけではない
という考え方をもつことをオススメします。
どれほどコミュニケーションがうまくいかなくても、常にこの考え方でいれば「今はうまくいかない事があるけど、いずれ変われる」という希望をもつことが出来ます。
世の中のほとんどの行動には、正しいやり方やコツがあります。そして、最初は上手くできなくても、コツが理解できるようになるとグングン上達します。
例えば車の運転においても、交通規則などの知識を勉強し、教習所内での試運転や路上教習を繰り返すことで、全く運転できなかった人でも数カ月経てば運転できるようになります。
スポーツも同様です。私は昔バドミントン部に所属していましたが、最初のころは空振りばかりでした。しかし、一つ一つの動作のコツを理解して繰り返し練習しているうちに、空振りもなくなりましたし滑らかに動けるようになりました。
コミュニケーションに関しても同じです。正しいやり方を知って実行できるようにすれば、必ず出来るようになります。
どのようなやり方・コツを知って実行すればいいのかについては別の記事で書きたいと思いますが、コミュニケーションがうまくとれないときに「だから自分はダメなんだ」と悲観するのではなく「単にやり方・コツをまだ掴んでいないだけ」という考え方をもちましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
「私、コミュニケーションが苦手かもしれない…」と仮に思っても、「だから私はダメなんだ」という自己否定はしなくても良いのです(そう思いたくなる気持ちはわかります…)。
うまく出来ないのは、単に「正しいやり方・コツ」を教わる機会がなかったから。
スポーツや料理と同じように、コミュニケーションにおいても「正しいやり方・コツ」が存在します。それを掴んで、何歳からでも自分を変えていきましょう!
🌹 コミュニケーション能力を身につける方法は、こちらの記事を参考にしてみてください
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