対上司・職場で活用できるビジネススキル

上司から感心される部下vsウンザリさせる部下|報連相にみる5つの違い

コミュトレ編集部

 

長年多くの社会人と接していると、2種類の部下が存在していることに気づきます。

 

1つが「上司から感心される部下」、そしてもう1つが「上司をウンザリさせる部下」です。 上司からみた両者の扱いは、天と地ほど違います。

 

感心されている部下は、上司から大きな裁量をもてる仕事をよく任され、あれこれと細かく報告を求められることもなく、相談には感じよく乗ってもらえます。もちろん、雑談もよく振られます。

 

一方で、上司をウンザリさせる残念な部下は、裁量が大きい仕事をほとんど振ってもらえず、振られたとしても細かく報告を要求します。上司に相談すれば嫌そうな顔で「まず自分で考えて」と突き放されます。もちろん、上司とはたわいもない雑談ができる雰囲気ではありません。なかなか窮屈な関係性ではないでしょうか。

 

両者は一体なにが違うのでしょうか?上司とウマが合うかどうかでしょうか?要領の良さ、頭の良しあしでしょうか?はたまた、そういう上司にたまたま巡ってしまったからでしょうか。最初は、よく分かりませんでした。

 

しかし、いろいろな人と話すと、つまるところ「思いやり」の差なのかな、と思うようになったのです。

 

上司とのコミュニケーションの仕方については、ちょっと調べれば星の数ほどのテクニックが出てきます。このブログでももちろんたくさん紹介しています。

 

しかし面白いことに、そのような細かいテクニックを「実行すること」だけが目的になると、かえってコミュニケーションってうまくいかなくなる、という奇妙なパラドックスが生じるのです。

 

それよりも、まずは相手の立場に立とうとしているかという思いやりが明暗を分けるのではないか、というのがここ10年くらいの結論です。 ということで今回は、「報告・連絡・相談」という代表的なコミュニケーションシーンを対象に、以下5つの違いをみていこうと思います。

 

是非、上司から信頼されたいと考える部下の方はご覧ください。

 

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結論の前に、話のテーマを共有しているかどうか

 

例:自分から進捗報告をするとき

 

感心される部下は、「〇〇××の件に関しての進捗報告なのですが」と、報告のテーマを先に述べています。

 

ウンザリされる部下は「すみません、先日の件なのですが、」と、報告のテーマをぼやかしています。 上司とのコミュニケーションでは、大体「結論から言いましょう」と言われます。しかし、実は文字通りいきなり結論から言い始めると、半分くらいの確率で地雷を踏んでしまいます。

 

なぜでしょうか?

 

上司は常に複数の案件を抱えています。その部下の仕事だけを管理しているわけではありません。

 

「A案件については、これをやっておかなきゃな、あの人に指示ださないと。B案件は今どうなっているんだっけ?ちょっと確認しよう。あ、部長から指示された新規プロジェクトについても資料をまとめないと」なんていう、マルチタスク状態がデフォルトです。

 

その中で「先日の件」といったようにテーマが曖昧なまま、さも「分かっていますよね?」といった態度で話を始められると、「ちょっと待って。先日の件ってどれよ?」となりますよね。全然立場をわかってくれていない部下に、うんざりしてしまいます。

 

逆に、「〇〇××の件ですが」とテーマを先に述べるだけで、上司はマルチタスク状態からすっと抜け出て、話を集中して聴く態勢がつくられるのです。

 

上司に自分から報告するときは、報告のテーマをまず述べましょう。

 

「今話しかけてOKか」を上司に確認しているかどうか

 

例:自分から話しかけるとき

 

自分から上司に話しかけるとき、よく「上司にどのタイミングで話しかけたらいいかわからない」とお話いただくことがあります。

たしかに上司って、なんだかいつも忙しそうですよね。割って入るのも申し訳ないな…なんて遠慮してしまうのではないでしょうか。

 

上司から感心される部下は、こんなときに「〇〇××の件でご相談ですが、今お時間よろしいですか」と上司の都合を確認しています。

 

上司からウンザリされる部下は、「今が良いかな、でも、あとの方が良いかも…、うん、あとにしよ」と自己判断をしています。それによって仕事を遅らせ、炎上一歩手前でようやく相談…なんていう悲劇が起こります。

 

上司からすれば確かに「自分の仕事に集中したい」という気持ちもあります。だからこそ話しかけるのも、ときに気後れすることでしょう。そこで、話しかける許可をもらうことで、「今対応すべきか」「あとにすべきか」の選択権を上司に渡すことが出来ます。自己判断ではなく、上司自身の意思を尊重するコミュニケーションをとることで、相談もスムーズにできます。 

 

話しかけるときは、「今話しかけていいかどうか」確認しましょう。

 

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事実と感情を区別しているかどうか

 

例:自分から相談に行くとき

 

上司に対して自分から相談しようにも、「何を言っているのかわからないと言われてしまう」という声を聴きます。

 

感心される部下は「事実情報」をきっちり伝えます。逆に、ウンザリされる部下は自分の感情を交えています。 ちょっと、実例で見ていきましょう。

 

<NG例>部下「課長、先日依頼された資料作成の進め方についてご相談ですが、今お時間大丈夫でしょうか」課長「うん、いいよ」部下「この後どう進めればいいか悩んでいるんです。というのも、6割ほど出来てはいるんですが、このままでいいのか不安になってきてですね…もう少し修正した方が分かりやすいかなと思うんですが…」課長「なるほど…で、僕は何に対してアドバイスすればいいんだっけ?」

 

NG例は、下線部のように自分の感情が話の中心になってしまっているため、悩みを打ち明けるような相談になってしまっていますよね。言われた側も、何を知りたいのか分からず困ってしまいます。

 

では、どうすればいいのでしょうか。次にOK例を見てみましょう。

 

<OK例>部下「課長、先日依頼された資料作成の進め方についてご相談ですが、今お時間大丈夫でしょうか」課長「うん、いいよ」部下「この後どう進めればいいか悩んでいるんです。というのも、6割ほど出来てはいるんですが、フォントサイズやレイアウトなどの細かいところで修正が必要な箇所が目立っています。ただ、あと4割も残っています。提出期限まであと1日ありますが、一度戻って綺麗に整えてから進むか、最後までいってから修正するのか、どちらが良いですか?」課長「であれば、間違いなく後者だね。というのも…」

 

OK事例では、下線部のように事実情報を並べています。それによって、次の行動をどうとればいいのかを明確に相談できています。

 

生産的なアドバイスを得ようと思うなら、出来る限り事実情報を伝えましょう。

 

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結論から言っているかどうか

 

例:上司に報告するとき

 

感心される部下とウンザリされる部下は、報告の出だしから差が生じています。

 

感心される部下は、報告するときに「で、結局なんなのか」という結論を最初に述べています。

一方でウンザリされる部下は、「結論に至るまでの背景事情」という補足説明を最初に述ています。

 

なぜ結論から言うことが、「思いやり」につながるのでしょうか。

 

指示を出す上司は、部下以上の業務を抱えています。その抱えきれない業務を部下に役割分担で手渡していきます。その多忙の中で報告から状況をつかんで、判断しなければいけないので、多くの上司は出来るだけ素早く情報を理解したいと考えています。だからこそ結論を最初に話してほしいのです。

 

どのくらい情報を早くつかみたいかというと、たとえ期待に沿わない完了報告だったとしても「申し訳ありません。〇〇の件ですが進捗が間に合っていません」という結論を先に示してほしいと考えています。特に悪い情報ほど結論から伝える意識をもつ部下は、やはり信頼が置けます。

 

話のテーマを伝えて、話す時間をもらったら、まず結論を伝えましょう。

 

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経過報告(中間報告)はタイミングが大事!

【注】事後報告と事前報告は別物です。

 

全体像から伝えているかどうか

 

例:情報を連絡するとき

 

情報を多く伝えなければいけないときに、整理して伝えるのか、それとも思いついた順に話すのかによって、上司に与える印象が変わります。

 

上司から感心される部下は、ほとんど必ずと言っていいほど、全体像から話します。それによって話の流れを予告し、上司の聴く態勢を作っています。具体的には「ポイントの数を伝える」および「タイトルを伝える」ことです。どんなタイトルの話が全部でいくつあるのか、話の見通しが立つだけで上司はだいぶラクになります。

 

逆に、思いついた順に話して「一体どこまで話が続くんだ」と思わせると、自己中心的な人だという印象を与える恐れがあります。とても残念な部下ですね。

 

連絡するときは「連絡事項は2点あります。1点目は伝言について、2点目は備品の発注についてです」といったように、全体像(タイトルとポイントの数)を示して、話の見通しが立てられるように配慮しましょう。

 

まとめ:上司の態度は部下の思いやりで変わる

 

ここまで、上司に関心される部下とウンザリされる部下の違いを5つ観てきました。最後に復習しましょう。

 

1.結論を言う前に、話のテーマを共有しているかどうか 2.「今話しかけてOKか」を上司に確認しているかどうか 3.事実と感情を区別しているかどうか 4.結論から言っているかどうか5.全体像から伝えているかどうか

 

一生懸命仕事をしたいという気持ちがあっても、普段から「この人は自己中心的だな」と思われる対応をとっていれば、好意的に接してもらえることは難しいですよね。

 

上司を「パワハラしてくる、扱いづらい上司」にするのか、それとも「よく話を聴いてくれる感じが良い上司」にするのかは、ある意味部下の態度次第です。

 

上司の人柄や性質を部下が変えることはできませんが、思いやりをもって上司に接すれば、間違いなく重宝されます。

是非、上司からさらに信頼を得たい人は、普段の言動を振り返ってみてください。

 

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1967年 東京都出身。 東京工科大学機械制御工学科在学中に、輸入商社のスタートアップに参加。 1996年 株式会社コミュニティネット入社。営業所長として、PCソフト及びBTOパソコンの販売、ISP、IP電話代理店など、新規事業を立ち上げる。 1999年 「日本を元気にする会社を創りたい」と株式会社アイソルートを設立(eラーニング製品の開発)。専務取締役として営業、開発、財務の各責任者を歴任。 2004年 同社代表取締役に就任。以降19年間連続黒字と最高売上高更新中。 2007年 新宿区優良企業表彰「経営革新賞」受賞。 2012年 日経トップリーダー「本当に強い中小企業ランキング」全国総合14位、IT業界2位に選出。

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