「ビジネスでは報連相はもう時代遅れ」と、耳にしたことがある方も多いでしょう。
実際に、報連相が原因で、非効率的な業務の進め方になっている企業もあります。
しかし、それは報連相をただ実施しているだけで、現代のビジネスにマッチさせて運用していないためです。
本記事では、報連相の目的や重要性と、時代遅れと言われている原因を紹介します。
解決方法や報連相に代わる情報共有方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
また、報連相を現代で効果的に運用するには、上司・部下ともに高いコミュニケーション能力が必要です。
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目次
報連相(ほうれんそう)についておさらい
本章では報連相への理解を深めるため、以下の3つの際にどのようなことをするのか、具体的な例を交えて紹介します。
- ほう:報告
- れん:連絡
- そう:相談
報連相が時代遅れにならないよう実施するには、報連相への知識が欠かせません。ぜひ、再確認しておきましょう。
ほう:報告
報連相の報告とは、与えられた業務の結果や進捗状況を上司に伝えることです。以下は、報告の際の伝え方の一例になります。
【報告の一例】
「◯◯の進捗報告です。◯◯のタスクまで完了しており、明日から◯◯の作業に入ります」
「◯◯の結果報告です。売上は予想の90%と低く、現在原因を調査中です」
遅れやミスが生じた際だけでなく、スケジュール通りに進んでいる場合も定期的に報告しましょう。
れん:連絡
報連相の連絡とは、必要な情報を関係者に伝えることです。会議・イベントの開催や業務のナレッジなど、仕事を円滑に進めるために必要な情報を共有します。
以下は、連絡の一例です。
【連絡の一例】
「明日の会議は15時から会議室で行われます。各自資料を持参してください」
「週末に有給休暇を取得します。業務は◯◯さんにお願いしました」
連絡する際は漏れがないように気をつけ、重要な情報は伝わっていることを再度確認しましょう。
そう:相談
報連相の相談とは、問題解決や判断に迷った際に、周囲へ意見を求めることです。以下は、相談の一例です。
【相談の一例】
「来週のA社との契約内容で相談させてください。5分ほどお時間よろしいでしょうか」
「Bさんと◯◯のトラブルがあってから、関係がうまくいっていません。改善するにはどのようにしたらよいでしょうか」
上記の後に、自分なりの解決策や意見を述べると、相手も答えやすくなるでしょう。
報連相(ほうれんそう)の目的と重要性
報告・連絡・相談は、社内のコミュニケーションや業務に、必要不可欠な行動とされています。
本章では、報連相がなぜそのように重要とされているのか、行う目的と合わせて紹介します。
- 進捗確認と管理
- 問題の早期発見
- 客観的な意見を得られる
- チームワークが生まれる
報連相を職場で行っていない方は、重要性を知り、実施する意識を高めてください。
進捗確認と管理
報連相の目的の1つとして、進捗確認と管理が挙げられます。
上司が進捗や状況を正確に把握できていると、仕事の遅れに対する調整や、新人・欠員へのフォローが容易になるためです。
報連相のない職場で同じことを行うには、上司が進捗や人員の状況を、1つ1つ確認していかなければいけません。
それでは、上司にかかる負担が大きいうえに、細かい状況もわかりません。納期が過ぎても終わっていない工程が出たり、1人が休むだけで仕事が滞ったりしてしまうでしょう。
そのようなトラブルを防ぐため、進捗確認と管理を報連相で行います。
問題の早期発見
問題の早期発見も、報連相の目的の1つです。業務の経過状況を上司に伝えると、その都度、手順やアプローチに誤りがないかを確認できるためです。
異常を早く発見できれば、取り返しがつく段階での対処が可能となり、業務の円滑化につながります。
反対に、報連相が行われていない職場では、問題が表に出てくるまで気づけません。
トラブルの規模は取り返しがつかないほど大きくなり、他の部署・顧客にまで迷惑をかけてしまうでしょう。自身や会社の信頼を失わないよう、問題を早期発見する報連相が大切です。
客観的な意見を得られる
報連相の目的として、客観的な意見を得られることも挙げられます。上司・先輩への報連相の際に、自身の置かれた状況も自然と伝わるためです。
自分1人では視野はどうしても狭く、問題をうまく解決できない時もあります。そのような時には新たな知見が大切です。
上司も同様に、部下から報連相を受けた際、自分にはない考えを聞けます。
新たな発見やアイデアの創出につながるため、お互いにメリットを得られるでしょう。
相談する際は自分の考えを述べることと、否定せずに最後まで聞くことを意識すると、質の高い報連相ができます。
チームワークが生まれる
チームワークが得られることも、報連相を行う目的の1つです。上司の指示で遅れている工程をフォローしたり、悩みや疑問点を互いに相談したりしていると、自然と周囲に気を配る人が増えるためです。
その結果、協力する意識が強化され、チームワークが生まれます。
反対に、報連相を行わない職場では、協力関係は構築されません。
チームメンバーを気遣う意識が低ければ、困っている人に気づけず、協力の要請に対しても時間を確保できないためです。
全員で一致団結して仕事を進めるためにも報連相を行い、協力やフォローへの意識を高めましょう。
報連相(ほうれんそう)が時代遅れと言われる原因とは?
報連相は問題の早期発見やチームワークに重要です。しかし、近年は報連相が時代遅れとも言われています。
本章では、そのように言われる主な3つの原因を紹介します。
- 時間を取られ過ぎてしまっている
- 上下関係が重要視され過ぎている
- 情報社会のスピードに報連相が追いつけない
今の時代と合っていない理由も知っておくと、自社に合わせたやり方を見つけられるでしょう。
時間を取られ過ぎてしまっている
報連相が時代遅れと言われる原因として、報連相に時間がかかり過ぎている点が挙げられます。近年は、IT化やOFF-JTなどを推進する企業も多く存在し、従業員に求められるタスクが増加しています。
そんな中で「報連相は重要」の意識だけが先行して、必要のない事項まで対象にしているため、報連相の時間に圧迫され十分な業務時間を確保できていません。
受け取る側も情報が多過ぎて管理しきれず、トラブルを見逃して余計に報連相が増える悪循環に陥ります。
近年のビジネスの傾向に合わせて、報連相の目的を再確認し、必要性の低いものは各自の判断にゆだねましょう。
上下関係が重要視され過ぎている
上下関係が重要視され過ぎている点も、報連相が時代遅れと言われる原因です。「上司に報連相をしてから仕事を進める」を徹底すると、緊急性のある業務も上司の承認待ちになってしまいます。
SNSの普及によって、一刻も早く対応しなければならない事態も存在するため、時代に合わせて修正が必要です。
また、上司の指示がなければ動けない環境は、多様性や主体性を重んじる近年の風潮と方向性が異なります。
新しく入った従業員は窮屈さにストレスを感じて、モチベーションを失ってしまうでしょう。
報連相を徹底させる際には、同時に従業員の主体性をどのように成長させるかも、考えておかなければいけません。
情報社会のスピードに報連相が追いつけない
報連相が時代遅れと言われる原因として、情報社会のスピードに報連相が追いつけないことも挙げられます。近年は、情報の生産・伝達により事業を展開する企業も増えています。
それらの業界では、消費者の消費スピードやニーズの移り変わりが早く、いかに業務を効率的に進めるかが重要です。
そのため、安定性や確実性よりもその場での判断が成果につながりやすく、報連相が時代遅れとされています。
しかし、報連相は取り返しのつかないミスを防ぎ、従業員同士のコミュニケーションを密にします。
導入するメリットは大きいため、次章で紹介する活用方法を参考に、自社の状況に合わせて導入してみてください。
問題解決方法や報連相(ほうれんそう)に代わる情報共有方法
本章では、報連相を時代に合わせて活用する方法や、報連相に代わる情報共有方法を紹介します。
- 上司はおひたしで対応する
- 部下はかくれんぼう(確連報)を意識する
- 情報が本当に報連相するべきものか見極める
- 簡単に情報共有できるツールを導入する
最後まで読み進め、活用方法を考えるのに役立ててください。
上司はおひたしで対応する
報連相を時代に合わせて活用するには、上司の「おひたし」への意識が大切です。
良質なコミュニケーションによって関係性が深まり、離職率の低下や議論の活発化など、報連相にかかる時間以上のメリットが得られるためです。
「おひたし」とは、以下の言葉の頭文字からなる言葉で、報連相を受ける際の上司の心得を表します。
- お:怒らない
- ひ:否定しない
- た:助ける
- し:指示する
具体的には、部下の報連相を怒らず・否定せずに聞き、必要に応じて手助けや指示を行います。
上司がおひたしを意識して部下の報連相に対応すると、部下の仕事へのモチベーションが高まり、人間関係も改善できるでしょう。
部下はかくれんぼう(確連報)を意識する
報連相に代わる情報共有方法としては、確連報が挙げられます。確連報が指すのは、以下の3つの行動です。
- 確認
- 連絡
- 報告
報連相との違いは、相談が確認になっている点です。
確連報では部下がまず状況を把握して自ら考え、「このように進めてよろしいでしょうか」と、上司に提案する形で確認を取ります。
業務に対して考えるステップが設けられているため、部下の自主性や、仕事に対する責任感を養えます。
従業員に主体的に動いてもらいたい企業は、報連相よりも確連報の導入がおすすめです。また、その際にも上司はおひたしを意識しましょう。円滑な人間関係の構築などに役立ちます。
情報が本当に報連相するべきものか見極める
報連相が時代遅れにならないようにする方法として、どのような業務に報連相が必要かを見極めることも挙げられます。
報告・連絡・相談する内容を絞ることで、時代に見合うスピーディーな応対が可能になるためです。
報連相は、トラブルを防いだり関係を構築したりするのに有効です。一方で、共有する情報が多過ぎると、伝える方にも伝えられる方にも大きな負担を強いてしまいます。
「どのような目的で報連相を行うのか」の観点から考えて、報連相すべき情報を一から見直しましょう。
現代のビジネスに見合うスピード感と、従来の日本企業のよさである安定性や確実性の、両方の実現を目指してみてください。
簡単に情報共有できるツールを導入する
簡単に情報共有できるツールの導入も、報連相が時代遅れにならないようにする方法です。
チャット機能や管理機能があるツールを使うと、報連相の時間が削減できます。以下の3つのツールが、報連相におすすめです。
- ナレカン
- Chatwork
- Stock
お互いが別の場所にいても瞬時に情報共有できれば、許可が取れない・進め方がわからないなどの理由で、仕事がストップする事態は起こりません。
ただし、チャットのみですべての報連相を行うのは、避けた方がよいでしょう。顔を合わせなければ気づけない問題もあるためです。
ツールを活用して報連相を行う場合でも、時には膝を突き合わせて話す機会を設けてください。
まとめ|ほうれんそうなど、ビジネスのコミュニケーションを身に付けたいなら無料セミナーがおすすめ
ほうれんそうは現代の価値観に合わせて実施しなければ、作業効率や従業員のやる気を低下させます。行う目的を意識して、上司・部下ともに正しく実行しましょう。
また、現代のビジネスのスピード感でほうれんそうを行うには、双方に優れたコミュニケーション能力が必要です。
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