非言語コミュニケーションとは、言葉の内容ではなく、ジェスチャーや声のトーンなどを介して伝える手法です。
本章では、非言語コミュニケーションの種類や例を紹介します。効果やビジネスシーンでの活用例も紹介するので、実際に現場で使う際の参考になるでしょう。
言葉を尽くしているのに、「相手になぜか伝わらない」「印象が悪くなる」と悩む方は、良好な人間関係構築のためにぜひお読みください。
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コミュニケーションの課題が細かく分析できるため、人間関係の悩みの解決の糸口がつかめるでしょう。
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目次
非言語コミュニケーションとは?
非言語コミュニケーションとは、五感でとらえられる言語以外の情報を用いて、相手に感情や意見を伝えるコミュニケーションのことです。
ノンバーバルコミュニケーション(non-verbal communication)や、その略号でNVCとも呼ばれます。
以下は、非言語コミュニケーションの代表的な例です。
- 表情
- 身振り手振り
- 声のトーン、スピード
- 服装、香り
- インテリア
上記を用いると、言語で伝えきれない情報を補完でき、意見や意図・感情を相手により正確に伝えられます。
社会人は忙しさから子細に話す時間を設けられず、言葉だけでは考えや想いを伝えきれません。誤解を招かないためには、非言語コミュニケーションが大切です。
非言語コミュニケーションで大切なメラビアンの法則とは?【心理学】
非言語コミュニケーションとは、顔や身体の動きで感情や意見を伝える手法です。
本章では、非言語コミュニケーションと密接に関わる、メラビアンの法則を紹介します。
- 7-38-55ルール、3Vの法則
- 非言語コミュニケーションが与える影響力は93%
これらを理解しておくと、どのような非言語コミュニケーションが、円滑な関係構築につながるかがわかります。
7-38-55ルール、3Vの法則
メラビアンの法則は心理学の一種で、別名「7-38-55ルール」や「3Vの法則」と呼ばれています。
言語情報(Verbal)・聴覚情報(Vocal)・視覚情報(Visual)の3つが、人間が相手に抱く印象に、どの程度影響を及ぼすかを示すものです。
メラビアンの法則によると、「言語情報が7%」「聴覚情報が38%」「視覚情報が55%」の割合で、相手の印象が決まります。
つまり、話の内容よりも表情や身振り手振りなどの方が、印象に大きな影響を与えます。
非言語コミュニケーションが与える影響力は93%
言語情報・聴覚情報・視覚情報のうち、非言語コミュニケーションは聴覚・視覚情報です。
それぞれ、相手に与える印象の38%と55%を占めます。単純計算ですが、非言語コミュニケーションが印象の93%を左右します。
たとえば、怒った顔ときつい声で「ありがとう」と言われても、感謝されているとは思えないでしょう。
このように、人間は言葉の内容よりも声質や見た目を重視します。
言語を軽視してよいわけではありませんが、言葉以外の部分への意識は円滑な関係構築に大切です。
【言語の壁を越える?】非言語コミュニケーションの種類と例
言語以外の部分にも気をつけられると、相手によい印象を与えられます。
本章では、非言語コミュニケーションの7つの種類と、例を紹介します。
- 身体動作
- 身体特徴
- 接触行動
- 近言語
- プロクセミクス
- 人工物の使用
- 環境
どれか1つでも構わないので、ぜひ、自身のコミュニケーションに取り入れてみてください。
身体動作
身体動作とは、身体を動かして伝える手法です。国籍や文化による表現の違いが少なく、異文化交流では比較的伝わりやすい手法とされています。
以下の5つが、身体動作の具体例です。
- 身振り手振り・ジェスチャー
- うなずき
- 姿勢
- 表情
- 視線・まばたき
身振り手振りやジェスチャーを行うと、物事の背景や切迫具合、形状や数などの情報を正確に伝えられます。
また、うなずくことでは相手に話をうながし、悲しい顔や喜ばしい顔で共感を示せます。
言葉だけでは伝えきれない、自分の感情や情報の正確さをうまく伝えられるため、ぜひ活用してください。
身体特徴
身体特徴とは、身体の外見的な特徴により相手に情報を伝える手法です。男性よりも女性の方が、身体特徴に対して影響を受けやすいとされています。
身体特徴の主な例は、以下の3つです。
- 容貌・髪型
- 体型
- 体臭
髪の毛がボサボサな営業を見て、「しっかりしていそうだから買おう」と思う人はそうはいません。
また、お菓子会社の従業員が全員太っていた場合、購入をためらってしまう人もいるでしょう。
視覚情報は相手に与える影響の55%を占めます。身体特徴から受ける印象と職業の噛み合いによっては、相手に悪印象を与えてしまいます。
接触行動
接触行動とは、身体を触れ合わせる行動で行う、コミュニケーション方法です。
例として、以下の2つが挙げられます。
- 握手
- 抱擁
握手によって、チームになった・仲が深まったなどの共有認識を、言葉で示す以上に持てます。
しかし、抱擁などの接触行動は欧米では一般的に行われているものの、日本人はあまり行いません。
日本人相手に行うと、セクハラととらえられてしまうこともあるでしょう。
接触行動は文化の違いが出やすいコミュニケーション方法とされています。無暗に行うのは避けた方が賢明です。
近言語
近言語とは、言葉を発する際の要素のことです。
別名「パラ言語」「準言語」とも呼ばれており、以下の4つを指します。
- 声のトーン
- 話すスピード・間の取り方
- イントネーション
- 相づち
同じ「ありがとう」の言葉でも、早口でボソボソと伝えるのと大きな声でしみじみと伝えるのとでは、与える印象は大きく異なります。
また、イントネーションなく話す人や相づちを打たず聞いている人からは、真剣さを感じられません。
近言語を意識して、発言や会話・相手に対しての真剣さを示し、良好な関係を構築するコミュニケーションを取りましょう。
プロクセミクス
プロクセミクス(Proxemics)とは、アメリカの文化人類学者、エドワード・ホール氏によって提唱された理論です。
自分と相手との親密さに応じて、適切な距離間が以下のように異なるとしています。
関係性 | 名称 | 距離 |
夫婦や親子 | 密接距離 | 15~46センチメートル |
友人 | 個体距離 | 46~122センチメートル |
ビジネス関係 | 社会距離 | 122~366センチメートル |
他人 | 公衆距離 | 366センチメートル以上 |
関係性に比べて距離が近いと、相手は警戒心を抱いてしまうでしょう。
しかし、反対に関係性に比べて距離が遠い場合には、心の距離を感じます。
人工物の使用
人工物の使用も、相手に与える意思や印象を変えられるため、有効な非言語コミュニケーションの方法です。
具体的には、以下の3つのアイテムを活用します。
- 服装
- 化粧・香水
- アクセサリー
フォーマルなスーツを着ていると、相手に真面目な印象を与えられます。
反対に、場にそぐわないカジュアルな格好や派手な化粧・アクセサリーは、不真面目な印象を与えるでしょう。
ビジネスの場で上記に気をつけることで、自身が仕事に取り組む姿勢を示し、相手からの信頼を勝ち取りやすくなります。
環境
環境も、与える印象を変える非言語コミュニケーションの1つです。環境の例は、以下の3つです。
- インテリア
- 壁紙・照明
- 温度
たとえば、飲食店では暖色系の照明が活用されています。暖色系の色の方がおいしそうで、なおかつ時間の進みが遅く感じる傾向があり、回転率もよいためです。
反対に、寒色系の照明は時間の進みが早く感じるため、長く滞在してもらいたいバーなどで使われています。
人工物と同様に自身で選択できるため、他の非言語コミュニケーションよりも活用は簡単です。ぜひ、職場の良好な人間関係の形成に役立ててください。
非言語コミュニケーションの効果と重要性
非言語コミュニケーションの種類を理解し取り入れると、ビジネスによい影響が与えられます。
本章では、具体的にどのような効果があるのか、重要性とともに紹介します。
- 話の内容を補完する
- 信頼関係を築きやすくする
- 相手を深く理解する
最後まで読み進めて、言語以外の能力を鍛えるためのモチベーションにしてください。
話の内容を補完する
非言語コミュニケーションの効果として、話の内容が補完されることが挙げられます。
言葉だけでは、気持ちや考えのすべてを伝えきれません。
しかし、声のトーンやイントネーション・身振り手振りを工夫できると、伝えたい話や意見・考えが強調されます。
そのため、言葉だけでは届かなかった気持ちや考えを、相手に正確に伝えられるでしょう。
話の内容の補完には、身体動作や近言語、プロクセミクスの活用が大切です。
まずは、話の内容に合わせて身振り手振りを行ったり、重要な部分を強調して話したりしてみましょう。
信頼関係を築きやすくする
信頼関係が築きやすくなることも、非言語コミュニケーションの効果です。
非言語コミュニケーションを意識すると、仕事や話・相手に対して、真摯に向き合っていることや関心があることが示せます。
それにより、「この人は真剣に考えてくれている」との印象を与えられ、周囲からの信頼が得やすくなるためです。
反対に、発言の内容にしか気をつけられていない人は、真剣に取り組んでいるように見えない可能性があります。
身体動作の表情や身体特徴の髪型、近言語・人工物の使用を意識してみてください。
相手を深く理解する
非言語コミュニケーションの効果として、相手への理解が深まることも挙げられます。
周囲の非言語の部分にまで目を向けられると、言語には表れない、相手の本当の感情・意見をとらえられるためです。
表情や声のトーン・距離間など、随所で周囲は自身の考えを表現しています。
しかし、非言語コミュニケーションの種類や例を知らなければ、それらには気づけません。
言葉だけにとらわれてコミュニケーションを交わしていると、パワハラやセクハラで訴えられたり、急に仕事を辞めてしまったりと深刻な問題が起こるでしょう。
【ビジネスで活躍】非言語コミュニケーション活用例3選
非言語コミュニケーションは相手に情報を伝えるだけでなく、相手からの情報を受け取ることにも役立ちます。
そこで本章では、非言語コミュニケーションがどのような場面で役立つのか、活用例を3つ紹介します。
- 商談
- 部下との面談
- 採用面接
ぜひ、実際のビジネスの現場で役立ててみてください。
商談
非言語コミュニケーションの活用例として、商談の場が挙げられます。
以下を意識すると、短い期間での信頼関係の構築や、誤解のない情報交換ができるでしょう。
- 重要なポイントを強調して話す
- ジェスチャーを交えてイメージしやすくする
- 笑顔や清潔な服装を心がける
- 話を聞く際はうなずきながら積極的に聞く
- 距離を適度に保つ
ただし、商談相手が異なる文化圏の方の場合は、ジェスチャーなどが別の意味でとらえられる可能性があります。
相手に応じて、時には身体動作や接触行動を抑えるのも大切です。
部下との面談
部下との面談も、非言語コミュニケーションを活用できる場面です。
以下を意識すると、相手にプレッシャーを与えずに話せたり、本音を引き出したりできます。
- 真剣な表情と笑顔を使い分けて聞く
- 相づちを適度に入れて、話を急かさない
- 話す際はゆっくり落ち着いて話す
- 距離をビジネスの距離よりも若干近づける
- 安心して話せる場所・環境を作る
不用意に接触行動をしたり席を近づけたりすると、警戒心を高めてしまいます。
それを防ぐためにも、相手を観察して本心への理解を深めましょう。
採用面接
非言語コミュニケーションの活用例として、採用面接も挙げられます。
どのような性格でどのような適性を持つのかは、相手の本音や本心を引き出せなければわかりません。
そのためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 姿勢を正し、目を合わせて聞く
- ポイントがわかりやすいようにトーン・スピードに気をつけて話す
- 相応しい服装をする
会社の顔として、企業に対して信頼感を持ってくれるような応対が大切です。
また、自身が面接を受ける場合にも上記のポイントを意識しましょう。面接官の信頼を得やすくなります。
まとめ|非言語コミュニケーションを鍛えるならコミュトレがおすすめ
非言語コミュニケーションは相手に与える印象のうち、93%を占めます。
どれだけ非言語コミュニケーションが、円滑な人間関係構築能力に必要かかがわかるでしょう。
うまく活用できると話し上手でなくとも、相手に好印象を与え信頼を獲得できます。
身体動作や接触行動・近言語などに気をつけて、非言語コミュニケーションの能力を鍛えてみてください。
そのためにも、自身のコミュニケーション能力を把握し、強みと弱みを理解しておきましょう。
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