仕事をする上で「相手の立場に立って考えよう」とよく言われますよね。
転職面接で「相手の立場に立って考えられる」と自己PRしたい、あるいは上司から「相手の立場に立って行動しなさい」と言われた人もいますよね。
しかし、相手の立場に立つとはどういうことなのか、意外と曖昧なもの。
そこでこの記事では、相手の立場に立って考えるコツについて詳しく解説します。
【コミュトレ】では400~500種類のコミュニケーションに関する知識を教えていますが、その中でも重要な「相手の立場に立つとは?」どういうことなのかについて、今回はご紹介していきます。
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目次
■コツ①:質問をすれば、相手の立場を知ることができる
相手の立場に立つために、最初にやらなければならないことは、相手の立場を知ることです。相手の立場というのを具体的に考えると、相手の置かれている現在の状況や仕事であれば相手の会社における立場(役職・先輩・後輩など)や相手の意見や相手のそのときの感情です。まずはこれらを知ることからスタートするべきです。
逆に、このような相手のことを知らなかった場合に相手を理解することはできないでしょう。注意点としては、ステレオタイプ(固定観念)です。情報が不足しているときに、相手を理解しようとすると、ステレオタイプに当てはめて、理解した気になり、間違った判断をしてしまうことがあります。
ステレオタイプとは、数多くの人に浸透している固定観念や思い込みのことです。例えば、血液型について、A型は几帳面、B型の人はマイペース、O型はおおざっぱ、AB型は個性的というように、日本では血液型で人の性格を枠にはめるという固定観念があります。
ステレオタイプは良い方向に働くこともありますが、誤った判断を避けるためには、質問をして相手の立場を知ることが重要です。
それでは、コツの1つ目である「質問をする」方法を整理していきましょう。
相手の立場を知るための質問は、相手の意見に対して、その背景を聴くようにします。
相手は意見を述べるまでに、その立場や業務経験や知識量などから様々な思考を巡らせています。この部分を考慮して、その意見の背景を質問して聴きましょう。
以下の例を参考にしてください。
「どのような背景からそう考えられたのですか?」 「どういった経緯でこの結論を出されたのですか?」 「どうしてそう思われたのですか?」
このように、相手の意見に対して背景や経緯や理由を聴くようにします。そうすると、相手がくわしい背景を話してくれますので、その情報から相手の置かれている現在の状況、相手の会社における立場(役職・先輩・後輩など)、相手の意見、相手のそのときの感情などを知ることができます。つまり、まず質問をすることで相手の立場を知ることができるということです。
ただ、相手の立場を知っただけでは、相手の立場に立つことができたということにはなりません。相手の立場を知ったときに、その考えを理解できるかできないかが重要です。
仮に理解できない、理解しない場合は、恐らく「なんでそんな風に考えたんですか?」「よくわからないので、私の意見の方が絶対いいですよ」「いや、もうこれで進めていきましょうよ」と相手の立場に立つことができていないコミュニケーションをとってしまいます。
逆に理解できる場合は、「そうか!そう考えていたんですね。」「確かに、そのお考えはよく分かります」「私も仮に同じ立場なら、その意見ですね」と相手に立場に立ったコミュニケーションをとることができるでしょう。
このように考えると、相手の立場を知ったときに、理解ができなければいけないことが明らかです。ただ、理解というのは表面的に取り繕って理解したつもりという状態では意味がありません。場合によっては、その取り繕う様が相手に伝わってしまうこともあります。
本当の意味で相手のことを理解することができるように、この後は相手を理解するために必要な知識への理解を深めていきましょう!
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■コツ②:人間の心理を理解すれば、相手を本当の意味で“理解”できる
コツの2つ目は、相手を本当の意味で理解するために、人間の心理を理解するということです。先述した表面的な取り繕うような理解と、本当の意味での理解の違いは、自分が腹落ちしているかどうかです。言い換えれば、腑に落ちている状態であるかどうかです。
強調してお伝えしたいのは、相手の立場に立つというのは、相手の立場を知り、その相手の考えが自分の腑に落ちている状態のことです。この状態をつくることができれば、自然と相手の考えに共感したり、理解を示したりすることができます。
では、人間の心理とは何を理解すればよいのでしょうか。心理は、非常に奥が深く、数多くの研究がこれまでにも行われています。例えば、基礎心理として、学習心理、社会心理。応用心理として、認知心理、教育心理。この他にも、様々な分野に分けて研究されています。
その中で、今回は社会心理学の「社会的証明」についての理解を深めましょう。社会的証明とは、人は周りで多数の人が支持していることを正しいと感じ、賛同するようになり、逆に自分の意見を支持してくれる人が周りに誰もいない場合、妥当性を疑うようになってしまうというものです。
例えば、皆さんが毎日のように使うスマートフォンは、日本では2010年頃から一気に普及して、約10%以下のところからたった4年で60%以上のところまで広がりました。
私は、新しいもの好きなので、2008年に日本でiPhoneが発売されたときに買いましたが、2010年頃に「携帯はスマートフォンの時代だから、変えた方がいいよ」と周りに勧めても、あまり賛同を得られませんでした。しかし、多くの人が使い始めた2012~2013年頃では「携帯はスマートフォンの時代だから、変えた方がいいよ」と勧めると「やっぱりそうだよね。周りの皆も使い始めているし、私も変えるよ」と何人もの友人が賛同してくれました。
このように、人は周りで多数の人が支持していることを正しいと感じ、賛同する傾向があり、それを「社会的証明」と社会心理学ではいいます。
いかがでしたでしょうか。人間の心理を理解するとか、社会心理学の勉強をするとなると、難しそうで躊躇しがちですが、身近な例に置き換えて考えてみると、よくある話で簡単なことだったのではないでしょうか。
このようにして、コミュトレではコミュニケーションに関する専門的な知識を身近な例に置き換えながら、できる限りわかりやすく、理解を深めていきます。
今回は、「社会的証明」という人間心理の一例をあげて、理解を進めましたので、相手が「社会的証明」の影響を受けている場合には、皆さんも相手を本当の意味で理解することができるようになるでしょう。
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■実演動画:実際に相手の立場を理解する方法とは?
それでは、最後に今回ご紹介した2つのコツを使って、実際の現場では「どのように相手の立場を理解するのか」ということを見ていきましょう!
※こちらの動画は字幕付きのため、音声なしでもご覧頂くことができます。
このように、コツ①の「質問」で相手の状況を知り、コツ②の「人間心理」を理解しておくことができれば、本当の意味で相手の考えを理解することができます。
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■まとめ:学んだ知識は使ってください
今回は、コミュニケーションの学習として、人間心理に関する「社会的証明」という知識を解説しました。たった1つの知識ですが、これを理解しておくだけでも、自分の周りにいる人達の考えを深く理解できる機会が訪れることでしょう。
コミュトレでは、このような知識を全部で400~500通り教えています。もちろん、部下を上手くマネジメントしたい人にとって必要な知識と、会議で論理的に話せるようにしたい人にとって必要な知識は異なりますので、全ての知識から一人ひとりに必要な知識を厳選して教えています。
卒業生を見ていると、相手のことを理解することができ、表面的なテクニックではなく、本当の意味での使えるコミュニケーション能力を会得しています。
ぜひ皆さんも人間の心理への理解を深めて、相手と心が通じるコミュニケーションをとれるようにしていきましょう!
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