仕事で使うコミュニケーション能力の個別体験会では、30代以降の社会人から、
・経験年数は長いのに、『自分は、一体何が出来るようになったのか』が分からない・自信をもって人に語れるだけの技術や専門知識が身についていないように感じる
というご相談をいただくことが時々あります。
同期が横並びに思える20代とは違い、「実力が認められて頭角を現す人」と「下の世代に追い抜かれて足踏みする人」の差が、残酷なほど浮彫りになるのが30代という時期。
だからこそ、「自分には何ができるのか」「自分の実力は他の会社でどれくらい通用するのか」を考え始める方も多いのではないでしょうか。
そのため、自分に自信をもてるかどうかは、周囲に与える印象も、任せられる仕事の内容も大きく変わってくることでしょう。自分の能力にある程度の自信をもてれば、新しい仕事にも前向きにチャレンジしていけるはずです。
そこで、今回は「自信がもてない自分を一発逆転する、一生モノの思考法」をご紹介します。
その思考法とは、ズバリ「経験の本質に着目する」こと。単に経験を積むだけではなく、日々の経験に潜む本質を見つけて、自分なりの「方法論」を作り上げるという思考作業を指します。
この思考法を自分のものにすれば、失敗経験も成功経験もすべて自分の自信につながっていきます。
是非ご覧ください。
目次
能力向上とは「自分なりの言葉で、成功要因を語れるようになる」こと
そもそも能力向上とは、何を指すのでしょうか。
一般的には「能力向上=できなかったことができるようになること」を想像される方も多いのではないでしょうか。
確かにそうなのですが、この記事ではそこからもう一歩話を進めて、「能力向上=自分なりの言葉で成功要因を語り、方法論を構築していく」と定義したいと思います。
ですから、「なんとなく出来るけど人には説明できない」ことや、「子供のころからの性格」は能力とはいえません。
💭 自信のない自分を卑下して、悪循環に陥ることはありませんか?そんな方は、まず捉え方から変えてみましょう。
能力向上と言語化の密接な関係
実は、「能力向上」と「言語化(言葉に落とし込む)」は、密接に関連しています。
この話は、成人発達理論の研究者である加藤博士によっても明らかにされています。
…能力の成長プロセスを簡潔に述べると、それは「言語によって、1つの現象をどれだけ深く捉えられるのか」の度合いが増していく過程だといえます。あるいは、「既存の知識や経験をいかに深く満用できるか」という知識や経験の活用度合いが増していく過程だと言い換えることができます。出典:「成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論の実践的活用法」https://amzn.to/2VXfPKP ※太字は筆者注
「能力向上と言語化の深い関係」はスポーツ界にも言えることです。
例えば、
・かの有名なイチロー元野球選手も、「自分がどうしてヒットを打てるかを説明できる」と明確に言い切っています。・サッカー元日本代表・中村俊輔選手も、日々の練習や試合でのキックの感触や蹴り方・ボールの軌道などを自分の言葉で「サッカーノート」に綴っていたことで知られています。
このように、自分が「これだけのものを積み上げてきた」と自信もって言えるためには、経験によって得た成功要因を自分なりの言葉で表現し、蓄積していくことが重要です。
そのため、むやみに結果に振り回されるのではなく、地に足をつけて、自分の言葉で語れる成功要因を増やすことで、自ずと自信も実績もついてくるといって間違いないでしょう。
では、どうすれば成功経験から、自分の言葉で語れる成功要因をつかみとれるのでしょうか。
最も重要なのは、逆説的ですが、失敗経験の『本質』を探すです。
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】
失敗から自信を生み出す「本質」の探し方
では、失敗経験の本質を探すとは、いったいどういうことなのでしょうか。
その答えは、他に応用が利く要素を探すということです。
ここが見つかれば、失敗経験を次に生かすことができます。その結果、成功確率が高まり、成功経験がどんどん増えていきます。
私自身、仕事をしていて「失敗経験はこう生かすのか」と実感したことがあります。
それは2020年の春、新型コロナウイルスの感染予防によりテレワークをしていたころの話です。
ある日、私はメンバーさんに個人フォローをしたいと考え、上司の許可なしに会議アプリ(Zoom)を使おうとしたことがありました。すると上司からは「個別でメンバーさんとビデオ通話することに関しては、部全体でルールを作ってから実行してほしい」といわれたのです。その理由の一部に、このような話がありました。「確かに、他の顧問や担当者もzoomを必要としているのかもしれない。しかし、1人だけで勝手に使うと、周囲の人は混乱するし勘違いする人も出てくる恐れがある」「だから、明確に許可されていないことに関しては、必ず一度確認する必要してほしかった。そのセンサーを働かせていくことが重要なんだよ」
私はこの上司の教えから、「この経験を他に応用できないか?」と考えました。
その結果、「組織全体と足並みをそろえる」という組織視点の重要性に気づいたのです。この組織視点が、今回の失敗経験から私がつかみ取った「本質」です。
なぜなら、他の事例にも応用できるからです。
同じ失敗経験をしても、もし仮に「今度から、会社のzoomアカウントを借りたいときは、使用可能かどうかを事前に確認する」といったような、問題の単なる裏返しにすぎない学びだけで終わると、同じ状況が起らない限り生かすことができませんよね。
すると、失敗経験が積み上がらないため、成長を実感しにくいといます。成長を実感できなければ、自信につなげることもなかなかできません。
しかし、「組織視点で物事を判断する」という本質に着目すると、他の状況にも応用をきかせることができます。
例えば、
上司に対して提案するときに、自分の立場からみた提案内容のメリットだけでなく、会社の方針と足並みがそろっているかどうかという組織視点で説明できるようにしよう
という発想が思い浮かぶようになります。この発想のほうが、提案の説得力が上がりそうですよね。
先のzoomの件とは一見まったく異なる状況のように見えますが、組織視点という観点で見ると同じ構造の話ですよね。
このように、失敗したとしても結果に振り回されず、他の状況にも応用できる要素を探すと、一つの失敗経験が着実に次につながっていきますよね。だからこそ、はじめての経験だったとしても「ここが重要かもしれない」とアテをつけることができますし、失敗を回避できる確率も上がります。
つまり、失敗経験と本質探しという過程を繰り返しながら、だんだん自分なりの「成功要因」が生まれていくのです。そこまでいけば、「できる」と自信もって人に伝えられることが着実に増えていくでしょう。
是非、経験したらそこから「他の事例にも使えそうな要素=本質は何か?」を考えてみてください。確実に自分自身の成長を実感できるようになります。
本質に着目する2つの質問
とはいえ、本質に着目するのは少しとっつきにくいかもしれません。
その場合はまず、「なんで?」と「ということは?」をセットにして考えることをお勧めします。
例えば、
上司から「この資料、データが明記されていて分かりやすいね!」と褒められて嬉しかった。
だけではなく、
・なんでそう褒められたらうれしかったのか?→そうか、理由をつけて褒められたので、ちゃんと見てくれていると感じて嬉しかったんだ!→ということは、何か言うときは理由を一緒につけると、信憑性が高まるということだな
ここまで発想すると、「人に共感するときも理由をつけてみよう」「人に依頼するときも理由をつけてみよう」と色々なシーンに応用が利くようになります。
手軽に使えるうえに万能なので、是非「なんで?」と「ということは?」をセットにして考えてみてください。
💭 「つい後ろ向きに考えてしまいがち…」という方は、前向きに考えるためのコツをおさえてみませんか?
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】
まとめ:自信につながる思考法で、自分の成長を楽しもう
いかがでしたでしょうか。
本日は「日々の失敗経験に潜む本質を見つけて、自分なりの「方法論」を作り上げる」思考法をご紹介しました。
このようにして自分の言葉で語れる成功ノウハウを増やしていくことは、とても面白いものです。常に新鮮な発見がありますし、やればやるほど成功経験を積む機会がどんどん増えていきます。
また、日々自分が着実に成長していることを実感できれば、今現在「自分は何ができるのか」という焦りや、将来に対する不安も自然と和らいでいくことでしょう。
今回ご紹介した思考法は、少しめんどうに思う方もいるかもしれません。
しかし、一度その思考過程をモノにしてしまえば、どんな経験も自分の財産になります。また「何が起こったとしても、なんとかなる」という揺るぎない自信につながります。
是非、習慣にしてみてくださいね!
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】