対上司・職場で活用できるビジネススキル

看護師が使える5つのコミュニケーション技術|具体的な悩みと解決策

コミュトレ編集部

「看護の現場で使えるコミュニケーションのテクニックが知りたい」

「上司・患者さんとのコミュニケーションに必要な能力は?」

このような疑問をお持ちの方は多いでしょう。

看護の現場では、リフレーミングやペーシング、SPIKESなどのコミュニケーションテクニックが役立ちます。

本記事では、看護師がコミュニケーションに課題を感じる原因や、明日から実践できるテクニックを紹介します。

 

よくある悩みと解決策も紹介するので、コミュニケーションで悩んだ経験のある方は、ぜひお読みください。

また、コミュトレの無料診断セミナーでは、コミュニケーションの強み・課題が把握できます。

なぜコミュニケーションに苦手意識を持ってしまったのかや、自分の得意不得意が可視化されるため、今後のコミュニケーション能力の向上に役立ちます。

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【目的】看護師にコミュニケーション能力が求められる背景とは?

看護師 女性 病院

看護師にコミュニケーション能力が求められる背景は、適切な処置・適切なケアのためです。

患者さんと密にコミュニケーションを取っていると、小さな変化に気づけるのはもちろんのこと、医師に伝えていない症状・悩みも打ち明けてもらえます。

そのような情報がなければ、正確な治療はできません。

また、適切な処置・ケアにはスタッフ間でも、コミュニケーション能力が求められます。

関係構築や情報共有ができていないと、緊急時の連携や患者さんの情報伝達にミスが生じるためです。

したがって、看護師には「情報収集」「雑談」「傾聴」「説明・説得力」など、さまざまなコミュニケーション能力が求められます。

 

看護師がコミュニケーションに苦手意識を持ってしまう3つの理由

本章では、看護師がコミュニケーションに苦手意識を持ってしまう理由を、3つ紹介します。

  • スキルや知識不足から自信を持てずに話しかけられない
  • 先輩看護師や患者さんが多いと気を遣ってしまう
  • 業務が忙しくて話す話題の準備ができない

コミュニケーションを上達させるために、なぜ苦手意識をもっているのかを分析しましょう。

 

スキルや知識不足から自信を持てずに話しかけられない

看護師がコミュニケーションに苦手意識を持ってしまう理由として、スキルや知識不足による自信不足が挙げられます。

実力が足りない意識が強いと、相手の時間を奪うことや誤った発言をする可能性に、不安を感じてしまうためです。

特に看護師は他の仕事と異なり、トラブルが頻発するため仕事中は常に忙しく、誤った発言が人命に関わります。

余計に「戦力になっていないのに質問していいんだろうか?」「患者さんからなにか聞かれたらどうしよう」と、考えてしまうでしょう。

 

先輩看護師や患者さんが多いと気を遣ってしまう

年代が異なる看護師や患者さんが多いことも、コミュニケーションに苦手意識を持ってしまう理由です。

病院には老若男女幅広い世代がおり、それぞれで常識やコミュニケーションの方法は異なります。

普段通り接したにも関わらず相手を怒らせてしまうと、コミュニケーションに苦手意識が芽生えてしまうでしょう。

また、患者さんが抱える事情は、学校の友人や企業の顧客と異なります。

これまで通用していたコミュニケーションが通用しなくなるため、その違いも、苦手意識を高める原因です。

 

業務が忙しくて話す話題の準備ができない

コミュニケーションに苦手意識を持ってしまうのは、業務が忙しく話題を準備できない点も関係します。

雑談が苦手でも、ニュースやSNSをチェックして相手の興味がある話題を振れば、会話は弾みます。

しかし、業務が忙しいと話題を探す暇がありません。同様に、相手の興味も探れないでしょう。

せっかく話しかけても一言二言で会話が終わってしまい、コミュニケーションに苦手意識を感じてしまいます

【明日から実践】看護師が使える5つのコミュニケーション技術

看護師 女性 病院

本章では、コミュニケーションに苦手意識を感じる看護師におすすめの、5つのコミュニケーション技術を紹介します。

  • リフレーミング
  • ペーシング
  • バックトラッキング
  • 傾聴
  • SPIKES

どれも簡単に実践できるものなので、ピンときた技術はぜひ明日から実践してみてください。

 

リフレーミング

リフレーミングとは、悩みや問題のとらえ方を変えてあげることで、プラスの心理状態に変化させるテクニックです。

リフレーミングを用いると、一言二言投げかけるだけでも、患者さんの気持ちをぱっと明るく変えられます。

 

たとえば、「なんでこんな病気になったんだ」と悩む患者さんには、以下の声かけを行います。

  • 身体が休ませてと言っている
  • 疲れた身体をメンテナンスするチャンス

患者さんの心理状態は、行き詰ったところからこれからの道筋が見えるような状態へ、変化するでしょう。

このような声かけができると、患者さんからの信頼が得られます。

 

ペーシング

ペーシングとは話すスピードや声の調子、身振り手振りを相手に合わせて、安心感や親近感を得るテクニックです。

人は声のトーンや仕草が同じ相手への、警戒心を緩める傾向があります。

看護師には現場がピリついていたり、患者さんが緊張していたりと、相手に話しづらい場面が多々あります。

その際には、ペーシングを心がけましょう。

また、ペーシングで見るべきポイントとして、主に以下のものが挙げられます。

  • 表情・顔の向き
  • 身体の動きや姿勢
  • 呼吸
  • 声のトーン・ボリューム
  • 話のテンポ
  • 使っている言葉

ぜひ参考にしてください。

 

バックトラッキング

コミュニケーション 吹き出し

バックトラッキングとはオウム返しとも呼ばれる、相手が発した言葉を繰り返すコミュニケーション技術です。

ペーシングの一種で、相手に安心感や親近感を与えます。具体的なバックトラッキングの使い方は、以下の通りです。

 

【バックトラッキングを用いた会話例】

相手「昨日◯◯があって」

自分「◯◯があったんだ」

相手「うん。だから△△になっちゃって」

自分「△△になったの?」

 

上記のように会話を進めると、相手は無意識に「うん」や「そう」など、肯定を自然と何度も行います。

「受け入れられている」「尊重されている」と感じ、心を開いてくれるでしょう。

 

傾聴

傾聴とは、相手の話を積極的な姿勢で聞く、コミュニケーションに欠かせないテクニックです。

傾聴ができると、相手から話を引き出して、強固な信頼関係を築けます。

そのためには、以下の3つのポイントを意識してください。

  • 相づちや質問をするなど、関心をもって聞く
  • 否定せずに最後まで聞く
  • 共感して理解する

相手の話が自分の考えと違っても否定せず、そのように至った背景を考えながら聞きましょう。

最後まで聞くだけでも、「この人は安心できる」「頼れる人だ」と、思ってもらえます。

反対に、傾聴できない人は「この人は自分とは違う」と思われ、心理的な距離が開いてしまいます。

 

SPIKES

SPIKESとは、悪い知らせを話す際でも、患者さんにきちんと伝えられる技術です。

具体的には、以下の順で患者さんと話します。

  • Setting:説明環境を整える
  • Perception:患者さんの現状の認識を知る
  • Invitation:患者さんがどの程度知りたいのかを知る
  • Knowledge:情報を共有・開示する
  • Emotion:患者さんの感情に共感する
  • Strategy/Summary:簡潔にこれまでの説明を要約し、今後の計画を立てる

特に、医療現場での悪い知らせは、伝え方次第で相手の人生を左右します。その立場に立ちたくないと思う看護師も多いでしょう。

しかし、SPIKESを活用すると、そのような場でも相手を尊重してきちんと話せます。

【上司に向けて】看護師に必要な2つのコミュニケーション能力

看護師 女性 病院 上司

ここまで、明日から実践できる、看護師におすすめのコミュニケーション技術を紹介してきました。

本章では、看護師が上司に対するコミュニケーションで、どのような能力が必要とされるのかを紹介します。

  • ディスカッションスキル
  • フォロワーシップスキル

コミュニケーション能力を鍛える際の参考にしてください。

 

ディスカッションスキル

看護師が上司とのコミュニケーションで求められる能力として、ディスカッションスキルが挙げられます。

ディスカッションスキルとは、自分の意見・考えを、筋道を立てて論理的に話す能力です。

特に、齟齬なく端的に伝えたり、納得して行動に移したりしてもらう際に求められます。

ディスカッションスキルが低い看護師は、患者さんの状態を説明しても、上司にうまく伝えられません。

内容も端的にまとめられないため、忙しい中で話しかけると、上司をイライラさせてしまうでしょう。

 

フォロワーシップスキル

フォロワーシップスキルも、看護師が上司とのコミュニケーションで求められる能力です。

フォロワーシップとは、上司と信頼関係を構築し、主体的に上司・メンバーを支援する能力です。

たとえば、上司の発言や意思をメンバー全員に共有させたり、上司が誤っていると感じた際には提言したりします。

新人の方は、わからない仕事や間に合わない作業を、しっかり伝えることから始めましょう。

どこまでできて、どこからができないのかわかれば、上司も事細かに確認する手間が省けます。

【患者さんに向けて】看護師に必要な2つのコミュニケーション能力

患者 コミュニケーション 看護師

上司に向けたコミュニケーションと、患者さんに向けたコミュニケーションでは、求められる能力が異なります。

本章では、患者さんとのコミュニケーションで、看護師に求められるコミュニケーション能力を2つ紹介します。

  • 関係調整スキル
  • 解読力スキル

足りていないと感じた方は、ぜひ鍛えてみてください。

 

関係調整スキル

患者さんに向けたコミュニケーションで、看護師に求められる能力として、関係調整スキルが挙げられます。

関係調整スキルとは、人間関係を良好な状態に調整するスキルです。

患者さんの小さな変化や本音を見抜くには、関係を密にする必要があり、そのためにも信頼関係の構築は欠かせません。

患者さんと信頼関係が構築できていないと感じる方は、相手の話を聞いて共感する傾聴や、安心感を与えるペーシング技術を見直してみましょう。

患者さん同士の衝突を防ぐ際にも、自分の意見を尊重してもらえる、関係調整スキルが大切です。

 

解読力スキル

解読力スキルも、患者さんに向けたコミュニケーションでは、看護師に求められる能力として挙げられます。

解読力スキルとは、言葉や仕草から相手の伝えたいことや、考えを汲み取るスキルです。

患者さんの中には本音や症状を隠す方やうまく伝えられない方、自分自身で気づいていない方がいます。

そのような時に解読力スキルが高い看護師は、なにを伝えたいのか汲み取れるでしょう。

言いたいことを汲み取れると、患者さんからの信頼も勝ち取れます。

親密な関係を築くためにも、ぜひ鍛えてみてください。

 

看護師のコミュニケーションのよくある悩みと解決策

看護師 男性 

本章では、看護師のコミュニケーションでよくある悩みと、解決策を3つ紹介します。

  • 患者さんから本音を聞きだせない
  • 上司に相談したいのに忙しそうで声をかけられない
  • 感情の起伏が激しい患者さんとの接し方が難しい

自分にあてはまる悩みがあった方は、ぜひ解決策をお読みください。

 

患者さんから本音を聞きだせない

看護師のコミュニケーションでの悩みとして、患者さんから本音を聞き出せないことが挙げられます。

解決方法は、信頼関係を築くことです。

話を否定せずに最後まで聞き、話しかける際にはスピード・トーンを合わせましょう

患者さんが本音を話さない時に、「なぜ本当の理由を話してくれないのか」などと、責めるような対応をしてはいけません。

一見どうでもよいことに見えても、患者さんにとっては重い理由があります。一緒に考える姿勢を見せて、ゆっくりと心を開いてもらいましょう。

 

上司に相談したいのに忙しそうで声をかけられない

上司に相談したいのに忙しそうで声をかけられないことも、看護師のコミュニケーションでよくある悩みです。

解決方法は、結論ファーストで簡潔にまとめることと、どの程度の時間が必要か伝えることです。

たとえば、「お忙しいところすみません。1分でいいので◯◯の使い方を質問させてください」と、伝えてみましょう。

終わりまでの時間や自分にして欲しいことがわかっていると、忙しい中でもストレスをあまり感じません。

反対に、いつ終わるかわからない話や、求められていることがわからない話にはイライラしてしまいます。

 

感情の起伏が激しい患者さんとの接し方が難しい

看護師のコミュニケーションでは、感情の起伏が激しい患者さんとの接し方で悩む方も多くいます。

解決方法は、共感を心がけることです。

患者さんがなにに対して感情を露わにしているのか、一緒に整理しましょう

共感する前に取り成そうとすると、「ないがしろにされている」と感じて、余計に感情的な態度になってしまうためです。

病院に来る人の価値観はそれぞれで大きく異なり、精神的に不安定な方もいます。

時間がない中で対応するのは大変ですが、感情の起伏が激しい患者さんとうまく接するには、共感が欠かせません。

まとめ|看護師がコミュニケーションを鍛えるなら無料セミナーがおすすめ

コミュトレ

本記事では、看護師にコミュニケーションが求められる背景や、実践できる技術を紹介してきました。

患者さんの些細な変化に気づき、適切なケアをするためにも、看護師には高いコミュニケーション能力が求められます。

コミュニケーションが苦手と感じる看護師は、具体的にコミュニケーションのどの部分が苦手なのか、把握しておきましょう

 

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共感の得意不得意・傾聴の得意不得意など、1つ1つのスキルを数値で可視化できるため、自分が苦手とするコミュニケーション技術がわかるでしょう。

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1967年 東京都出身。 東京工科大学機械制御工学科在学中に、輸入商社のスタートアップに参加。 1996年 株式会社コミュニティネット入社。営業所長として、PCソフト及びBTOパソコンの販売、ISP、IP電話代理店など、新規事業を立ち上げる。 1999年 「日本を元気にする会社を創りたい」と株式会社アイソルートを設立(eラーニング製品の開発)。専務取締役として営業、開発、財務の各責任者を歴任。 2004年 同社代表取締役に就任。以降19年間連続黒字と最高売上高更新中。 2007年 新宿区優良企業表彰「経営革新賞」受賞。 2012年 日経トップリーダー「本当に強い中小企業ランキング」全国総合14位、IT業界2位に選出。 2024年 ダイヤモンド社から書籍『話せる、伝わる、結果が出る!コミュトレ』を発売し、紀伊國屋書店ビジネス書第1位、Amazonセールス営業本第1位を獲得。

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