「OFF-JTとOJTの違いは?」
「OFF-JTのメリット・デメリットが知りたい」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
OFF-JTとは、主に社会人や管理職に求められる基礎的な知識を、職場から離れて座学で学ぶ教育です。技術的な指導が主体のOJTとは、学習内容が異なります。
本記事では、OFF-JTのメリット・デメリットや効果的に実施するためのポイントを紹介します。
OFF-JTを企業・自身に取り入れるべきか悩まれている方は、ぜひお読みください。
また、OFF-JTは「なぜこの教育を受けなければいけないのか」を受講者が理解していることで教育効果が高まります。まずは、自分のビジネス戦闘力を数値で把握することから始めませんか?
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目次
OFF-JTとは?
本章では、OFF-JTに関して以下の2点を紹介します。
- OFF-JTの定義
- OFF-JTが注目されている背景
把握しておくことで、OFF-JTを実施すべきか否かの判断に役立ちます。
OFF-JTの定義
OFF-JTとは「Off The Job Training」の略称で、職場から一時的に離れて行う企業主体の教育です。主に、外部講師によるセミナーや研修の受講を指します。
学習内容は、管理職のマネジメント研修や新人のマナー教育など、業務とは直接関わらない知識が中心です。
OFF-JTでは、業務遂行のための技術的な知識の学習は行いません。しかし、OFF-JTによって新社会人・管理職に必要な知識の基礎を知ることで、立場に応じた行動・考え方が身につきます。
OFF-JTが注目されている背景
OFF-JTが近年、従来の社内教育と比較して注目されている背景は以下の5つです。
- 外部講師のため教育の質にムラがなく、通常の業務にも負担がかからない
- 第三者の指導により、受講者も意欲と納得を得られる
- 社会人に必要な知識がインプットでき、学ぶ土台ができる
- ステップアップのための知識も学べる
- 「人材開発支援助成金」が利用できる
厚生労働省が発表した「令和4年度能力開発基本調査」によると、OFF-JTや自己啓発支援に支出している企業は50.3%です。
すでに半数の企業が、業務から離れた教育を実施しています。
OFF-JTとOJTの違いとは?
本章ではOFF-JTとOJTの違いを以下の3つの観点から紹介します。
- 教育内容の違い
- 教育効果の違い
- 教育コストの違い
OFF-JT実施の際には意識してみてください。
教育内容の違い
職場から離れて学習するOFF-JTに対し、OJTは実際に現場で仕事を進めながらメンターや上司に仕事を教わります。
そのため、OJTの教育内容は主に、職務遂行に関わる知識・スキルです。職務遂行と直接関わりのない知識を学ぶOFF-JTとは、教育内容が大きく異なります。
教育効果の違い
OFF-JTの教育効果と、OJTの教育効果は大きく異なります。
OFF-JTでは社会人・管理職としての教育、OJTでは技術者・専門職としての教育を行うためです。
また、効果を感じられるタイミングも異なります。OJTでは現状の課題に対しての知識・ノウハウをケースバイケースで学ぶため、即座に活用できます。
教育コストの違い
OFF-JTとOJTは、コストの種類も正反対です。
OFF-JTは外部の講師に依頼したり、会場を借りてセミナーを行ったりして教育を行います。
そのため、金銭的なコストが発生しますが、時間的なコストは発生しません。しかし、OJTはメンターや上司が仕事場で作業をしながら行う教育です。
金銭的なコストは発生せず、時間的なコストが発生します。
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】OFF-JTとOJTを組み合わせて適切な研修を実施する
OFF-JTは、OJTを含む従来の教育方法と、教育内容や得られる効果が異なります。そのため、従来の方法では成長させられなかった部分や、コスト面から諦めていた教育も可能です。
人材教育にはOFF-JTとOJTを組み合わせて、段階的に適切な研修を実施しましょう。
コミュニケーション能力やマネジメントを含む、汎用的な知識を「OFF-JT」で学び、専門的な技術・スキルを「OJT」で身につけるのがおすすめです。
OFF-JTを実施する3つのメリット
本章では、OFF-JTを実施するメリットを3つ紹介します。
- 担当者による研修内容の均一化
- 自社のリソース削減
- 体系的な知識の習得
OFF-JTへの取り組みを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
担当者による研修内容の均一化
OFF-JT実施のメリットとして、担当者による研修内容の均一化が挙げられます。学習内容に差があると、従業員のモチベーションを下げる原因になります。
従来の教育方法では、それぞれの職場で教育を行うため学習内容に差が生じ、必要な知識を教えてもらっていない人が出るケースも多々ありました。
その点、OFF-JTは講習を外部のプロに委託し、一度に大量の社員に対して画一的な研修を実施できます。
特に、新人教育や管理職の教育など、最低限学ばなければいけない範囲が決まっている研修では大きなメリットです。
自社のリソース削減
自社の現場業務の負担を削減できることも、OFF-JT実施のメリットです。
OJTでは、担当者が現場業務をこなしながら教育を行う必要があります。そのため、進捗に大きな負担がかかっていました。
しかし、OFF-JTでは社外に研修やセミナーを依頼します。そのため、現場に負担をかけることなく人材育成ができるでしょう。
体系的な知識の習得
OFF-JTでは、体系的な知識の習得を主な目的としています。
フレームワークなどの知識は、取り組むべき物事に対して、思考・判断・表現をする力になります。身につけることで業務遂行能力だけでなく、モチベーションの向上にも期待できるでしょう。
現場のみで教育を行っていると、目の前にあるタスクをこなすことが最優先になりがちです。そのため、体系的な知識をインプットする機会が得られず、思考力や判断力が成長しません。
能力を最大限発揮するためにはOFF-JTを行い、社会人としての基礎的な考え方・理論を身につけましょう。
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本章では、OFF-JTを実施した場合に考えられる、3つのデメリットを紹介します。
- 教育コストの発生
- 参加者のモチベーションによって効果が変わる
- 自社に合う実務的なスキルが習得しにくい
メリットとデメリットを見比べて、実施するかを考えてください。
教育コストの発生
OFF-JTでは外部の講師へ研修・セミナーを依頼するケースが大半のため、金銭的な教育コストが発生します。
先輩や上司が現場で教育を行うOJTでは、費用はかかりません。金銭的なコストの発生は、OFF-JTを実施する際の大きなデメリットです。
厚生労働省の発表によると、OFF-JTを行っている企業の平均支出額は、1人あたり1.3万円です。
つまり、100人にOFF-JTを実施すると、130万円もの教育コストが発生します。あらかじめ予算を決めておき、見合うだけの効果が得られるのか考えることが大切です。
参加者のモチベーションによって効果が変わる
OFF-JTのデメリットとして、参加者のモチベーションによって効果が変わる点が挙げられます。
座学形式で行われることが大半のため、モチベーションが低いと居眠りをしてしまう人もいるでしょう。
対策として、「なぜOFF-JTを行うのか理解してもらう」ことを行ってください。解決すべき自身の課題を明確化することで、意欲的に取り組めます。
また、自社でOFF-JTを行う場合は、聞く一方の授業ではなく双方向のコミュニケーションを取る授業形式がおすすめです。
自社に合う実務的なスキルが習得しにくい
自社にあう実務的なスキルが習得しにくい点も、OFF-JTのデメリットです。
OFF-JTは、現場から離れて座学を行います。そのため、実際の業務で必要とされる技術や手順の学習には向いていません。
理論的な知識を得るのに向いた教育法のため、知識や基礎的な考え方を身につけさせたい際にのみ活用するのがよいでしょう。
「OFF-JTでインプットした内容を、OJTでアウトプットする」形式で研修プログラムを作成するのがおすすめです。
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】教育効果の高いOFF-JTを実施する方法とは?
本章では、教育効果の高いOFF-JTを実施するための方法を3つ紹介します。
- 時代に合った研修内容を実施しているか確認する
- 研修後は成果を数値化して社員のモチベーションを高める
- OFF-JTを実施する意図を社員に伝える
OFF-JTは金銭的コストがかかります。無駄にしないように、ぜひ参考にしてください。
時代に合った研修内容を実施しているか確認する
教育効果の高いOFF-JTを実施するためには、研修内容が時代にあっているかの確認が必要です。
たとえば、近年のOFF-JTでは、「DX化」や「グローバルコミュニケーション」の需要が高いです。必要のないOFF-JTは費用の無駄になるだけでなく、従業員の育成やモチベーションに悪影響を与えます。
メリットのある学習を行うため、これまで慣例として行ってきた研修も今一度確認してみましょう。
研修後は成果を数値化して社員のモチベーションを高める
研修後、成果を数値化することも、教育効果の高いOFF-JTに欠かせません。成果を数値化すれば、OFF-JTを受けた社員がどれだけ成長できたのかがわかります。
従業員のモチベーションが高まるだけでなく、今後の指導に活かすことで育成スピード向上にも期待できます。
また、数値化する際には、以下の2つに注意してください。
- 根拠に基づいて数値化する
- 評価者で変動しない平等な数値化を行う
数値の基準が明確であれば、従業員は意欲的にOFF-JTに取り組めるでしょう。
OFF-JTを実施する意図を社員に伝える
教育効果を高める方法として、OFF-JTを実施する意図を社員に伝えることも大切です。OFF-JTは受講者のモチベーションによって、得られる効果が大きく異なります。
どのような姿勢で挑むべきか考えてもらうため、「抱えている課題をなぜ解決できるのか」を説明しておくとよいでしょう。
また、OFF-JTの内容を、従業員のアンケートで決めるのもおすすめです。
会社の判断だけでOFF-JTを実施すると、従業員は義務のように感じてしまい学習意欲が低下するためです。
⇒自分の強みと課題を把握しませんか?【まずは無料診断セミナーに参加する】OFF-JTを実施した企業事例2選!
ここまで、OFF-JTを実施する際のポイントを紹介してきました。
本章では、実際にOFF-JTを実施した企業の事例を2つ紹介します。
- 三菱商事株式会社
- 日本マクドナルド株式会社
実施の際には、ぜひ参考にしてください。
三菱商事株式会社
三菱商事株式会社では、「構想力」「実行力」「倫理観」を高い水準に開発することを目標に、OFF-JTとOJTを組み合わせたプログラムを実施しています。
従業員は、以下のOFF-JTを必要なタイミングで受けられます。
- 財務会計
- 簿記
- M&A
- 英語力
- IT
- グローバルリーダーシップ
OFF-JTで学ぶ内容は、すぐに業務へ応用するのが難しいです。しかし、従業員の考え方や知識の土台となり、企業の力を底上げしてくれます。
日本マクドナルド株式会社
日本マクドナルド株式会社では、「人の成長により企業が成長する」との考え方をもとに、専門教育機関「ハンバーガー大学」を展開しています。
以下は、授業内容の一例です。
- リーダーシップスキル
- チームビルディング
- マネジメント
参加型・体験型のアクティビティが豊富で、参加者同士がディスカッションできるプログラムになっています。自発的に学び成長していく力を身につけさせられるため、ぜひ取り入れてみてください。
OFF-JTとOJTを正しく理解して社員の育成しよう
OFF-JTは、業務から離れて基礎的な知識・スキルをインプットします。実務的な技術の教育には向いていないため、社員の育成ではOFF-JTとOJTを正しく理解して活用することが大切です。
また、OFF-JTの育成効果を高めるには、実施する前に受講者全員が自身の課題を自覚している必要があります。
「コミュトレ」では、コミュニケーション能力の強みと課題が把握できる無料診断を行っています。
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