こんにちは。 コミュトレの冬木です。
私たちの周りに、こんな人はいないでしょうか 。
お悩みさん
私たちは、理解が速い人、すなわち理解力が高い人を「頭が良い人」と特別視しがちです。
しかし、実は心理学の観点から見ると、理解力が高い人は、単に人間本来の認知メカニズムに従っているだけなんです。
言い換えれば、人間ならだれもがもっている頭の良さを、無理せずごく素直に発揮しただけということ。
理解力を高めるためには、頑張らない方がむしろいいんです。
そこで今回は、ビジネススキルスクール「コミュトレ」の土台の一つである心理学(認知心理学)の観点から、理解力の謎をひも解いていきたいと思います。
理解力を高めたい方や、効率的・効果的に学習を進めたい方は是非ご覧ください。
パルッサ
認知心理学とは、「人間が物事を理解するときのメカニズム」を解明する学問だポヨ!
目次
1. 人間は、どうやって話を理解しているのか
私たち人間は、話をどのように理解しているのでしょうか。そのカギとなるのが「整理」と「因果関係」です。
理解力が高い人の特徴を先にネタバレすると、以下2つです。
【理解力が高い人の特徴】①整理する②因果関係で結ぶ
次から、順番に見ていきましょう。
1-1. 理解力が高い人の特徴①:整理する
突然ですが、少し実験をしましょう。
これから挙げる文章を、すべて覚えてください。
新聞は雑誌よりもよい。海岸は道路よりもよい場所である。最初は歩くよりも走るほうがよい。あなたは何度も挑戦するかもしれない。一度成功すれば、厄介な問題はわずかなものである。烏はめったに近づいてこない。たくさんのスペースを必要とする。厄介な問題がない場合、それはとても穏やかなものとなりうる。石は錨の代わりとなる。しかし石から離れてしまった場合、あなたは二度目のチャンスを得られないだろう。
文章参考:わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)/光文社
いかがでしょうか。ちなみに私が初めてこの文章を観たときは、一行目すら思い出せませんでした。
いったい何の文章なのか、よくわからないですよね。
しかし、あることを知ると、各段に覚えやすくなるはずです。
そのあることとは、「話のテーマ」です。
実は、この記事は「凧揚げ」について書かれた文章なんです。
この「凧揚げの話」を踏まえて、もう一度同じ文章を読んでみましょう。
新聞は雑誌よりもよい。海岸は道路よりもよい場所である。最初は歩くよりも走るほうがよい。あなたは何度も挑戦するかもしれない。一度成功すれば、厄介な問題はわずかなものである。烏はめったに近づいてこない。たくさんのスペースを必要とする。厄介な問題がない場合、それはとても穏やかなものとなりうる。石は錨の代わりとなる。しかし石から離れてしまった場合、あなたは二度目のチャンスを得られないだろう。
いかがでしょうか。最初に比べて、かなり覚えやすかったのではないでしょうか。
凧揚げというテーマを理解することで、一つ一つの文章の意味がより明確に理解できたと思います。
話のテーマを設定することで、ばらばらに見えた話を「○○についての話」と一つにまとめることができます。
※認知心理学では「構造化する」と言います。
理解力が高い人は、聞いた話を頑張って丸覚えしているのではなく、話を整理することで素早く理解しているのです。
話を整理するには「型」を使うと効果的です。こちらもご覧ください。
1-2. 理解力が高い人の特徴②:関係性で結ぶ
さらに、理解力が高い人は話を理解するときに、関係性で結ぶことも意識しています。
関係性とは、話と話のつながりのこと。
代表的な関係性として「因果関係(原因と結果)」があります。
話と話を関係性で結ぶと、とたんに話が理解しやすくなります。
もうひとつ実験してみましょう。
田中さんはおにぎりが食べたい。伊藤さんはサラダが食べたい。加藤さんは寿司が食べたい。土井さんはラーメンが食べたい
これらを覚えてくださいと言われると、誰が何を食べたいのかすぐに覚えられませんよね。
ですが、もし以下の話も一緒に聞いたら、いかがでしょうか。
田中さんは忙しくて食べに行く暇がない。伊藤さんはダイエット中だ。加藤さんは肉より魚が好きだ。土井さんは大のラーメン好きだ
恐らく私たちは、追加で聞いた話と前の話を因果関係で結んだのではないでしょうか。すると、途端に覚えやすくなりませんか?
言い換えれば、単に「○○を食べたい」という結果だけでなく、「○○さんはこんな人だ、だから○○を食べたい」という関係性(理由)まで分かると、無理せずとも印象に残りやすくなるのです。
1-3. 理解力が高い人は、頭に負荷をかけていないだけ
ここまで、理解力が高い人の特徴を2つ観てきました。
ここでおさらいしましょう。
【理解力が高い人の特徴】①整理する②関係性で結ぶ
この2つの特徴をみて、何か共通点があるように思いませんか?
そう、この2つはどれも頭に負担をかけない、という点で本質的に同じなのです。
認知心理学で、マジカルナンバーという概念があります。
マジカルナンバーとは、7±2(5~9)という数字のこと。
実は、これは人間が一度に記憶できる情報のまとまりの限界を示しているのです。
言 語解 析 ・生 成 に おい て短 期記 憶 す る ものは7±2程 度 であ る
たとえるなら、1つのお弁当箱の中に詰められるおかずは5~9つまで、というイメージです。
お弁当箱のキャパシティー以上におかずを詰め込もうとすると、溢れてしまいますよね。
人間の理解力も全く同じ。マジカルナンバー以上の情報量を一度に理解しようとすると、「いろいろありすぎて、よくわからない…!」ということになりかねません。
つまり、頭に負担をかけないスマートな理解方法とは、話を1つ1つバラバラのまま理解しようとするのではなく、意味あるグループとして理解するということなのです。
たとえば、理解しなければいけない話が10個あるように見えると「大変だな…」と感じますよね。
しかし、グループとしてまとめると「実は3つのグループで済む」となれば、かなり気持ちが楽になるのではないでしょうか。
意味あるグループにすると理解力が高まる、という事象は、私たち人間すべてに共通していえること。
理解力が高い人は、ずば抜けて頭が良いのではなく、頭に無理をさせていないだけなんですね。
つまり、頑張らない方が、実は理解力が高まるんです。不思議ですよね。
2.ノウハウを素早く理解するコツ
コミュトレへの相談者から、頻繁に「本を読んで、ノウハウを学ぼうとしているんですが、いろいろありすぎて理解がおいつきません」というお声をいただきます。
ノウハウを理解するときも、先に述べたように学ぶときに頭にかかる負担をいかに減らすか?がコツですよね。
そのためには、全部一度に学ぼうとせず、一つ一つ小さく区切って学ぶことが重要です。
例えば、コミュトレでは「職場での信頼関係を構築する方法」という大きなテーマを、以下のように
・態度
・信頼を得る重要ポイント
・具体的な行動
に細かく分けて、段階的に学びます。
また、一見複雑そうに見える「論理的に話すノウハウ」も、コミュトレでは以下のようにステップを1つずつ進んでいただくことで負荷を減らし、誰でも100%理解できるように設計しています。
例)会議で論理的な発言をする Aコース(ディスカッションスキルコースA)
▼受講者の満足度▼
ありがたいことに、95%の方にご満足いただいております。
(私も基幹設計を担当しているので、すごく嬉しいです…涙)
引用:コミュトレ
このように、全部一度に学ぼうとせず、一つ一つ小さく区切って学ぶ効果は、コミュトレでも実証済みです。
コミュニケーションスキルに限らず、何か勉強したりノウハウを学ぶときは、頭の負担を減らすことを心がけましょう!
3. 効率よく理解力を高めるコツ
今回は、理解力を、認知心理学の観点からひもといてみました。
【理解力が高い人の特徴】①整理する②因果関係で結ぶ
理解力が高い人は、決して人と違うずば抜けた人ではなく、人間ならだれもがもっている頭の良さを、無理せずごく素直に発揮しただけということ。
理解力を高めるためには、頑張らない方がむしろいい、ということを覚えておくとよいでしょう。
理解力を自然と高めるためには、何度も繰り返し使う、という反復トレーニングが有効です。
コミュトレでは「家庭でも、職場でもない第3の場」として、実践に即したトレーニングを安心して繰り返せるよう設計しました。
「練習を積めるのはありがたいけど、自分にとって本当に合っているかな?」というご不安があれば、無料体験会で体感してみてはいかがでしょうか。(宣伝してすみません…)
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タグ:中堅・リーダー社員向け, 思考力アップ